最大450万円補助のIT導入補助金。
IT導入補助金2021で6回目となる経営者要チェックの補助金です。
今回は、IT導入補助金の申請サポートを毎年行っている「ITベンダー(国で申請サポートを認められたITのプロ)」の中でも、
毎回平均採択率を上回る結果を出しており、2021の第1次でも採択率100%の結果を残している申請のプロに、IT導入補助金が受かる(採択される)コツを聞きました。
申請するなら、絶対に補助金が欲しい!!
そう思いますよね。
補助金を受け取るために、申請の大切なポイントを押さえて、
仕事の効率を上げるシステム導入や、最新システムへの入れ替えに使える補助金を受け取りましょう!
補助金のお話は細かいし、難しくてわかりづらい用語も多いですよね!
そこで私が簡単な補足などをいれていきますね。
IT導入補助金については、別の記事で説明しておりますので、ぜひこちらも覗いてみてください。
過去5年間のIT導入補助金、採択率は?
過去5年間のIT導入補助金採択率をみてみましょう。
2016年度採択率:不明
2016年のIT導入補助金は補助率2分の1(上限額50万円、下限額15万円)。
IT導入補助金初回である2016年度は、採択率のデータがなく「採択率不明」となっております。
まだまだIT導入補助金がマイナーで、申請数、採択数どちらも少なかったのでは無いかと思われます。
例えば、使いたい経費が100万円に対して補助率1/2の場合、受け取れる補助金が50万円となります!
(経費)100万円 × (補助率)1/2 = (補助金)50万円
上限が100万の場合、
経費130万円のうち100万円の部分が対象となり、100万円の1/2の補助金 50万円が補助金となります!
2017年度採択率:約50%
採択率約50%
2017年のIT導入補助金は補助率2分の1(上限額100万円)。
2017年度のIT導入補助金は1次と2次の全2回の募集となり、採択率は1次締切100%採択。2次締切で約27%採択と、採択率に大きな差が出たようです。
2018年度採択率:約90%
採択率約90%
2018年のIT導入補助金は補助率2分の1(上限額50万円)。
1次~3次(3-1回締切から3-7回締切)の全9回の募集が行われ、採択率も約90%と、多くの事業者が補助金を活用することが出来ました。
2019年度採択率:約33%
採択率約33%
2019年のIT導入補助金は1次と2次の全2回の募集で、A 類型(補助額:40 万円~150 万円未満)、B 類型(補助額:150 万円~450 万円)という大型の補助金に変わり、その分、採択も厳しくなったようです。
2020年度採択率:約42%
採択率約42%
2020年のIT導入補助金は前半の締切回は採択率5割程度で推移していましたが、8次締切以降採択率が大きく低下しています。
A 類型(補助額:30 万円~150 万円未満(1/2))
B 類型(補助額:150 万円~450 万円(1/2))
C類型-1(補助額:30万〜450万円未満 (2/3))
C類型-2(補助額:30万〜450万円未満(3/4))
締 切 回 | 採 択 率 |
---|---|
1次締切 | 約50% |
2次締切 | 約50% |
3次締切 | 約50% |
4次締切 | 約50% |
5次締切 | 約50% |
6次締切 | 約49% |
7次締切 | 約48% |
8次締切 | 約33% |
9次締切 | 約21% |
10次締切 | 約19% |
今年2021年度の採択傾向は?
現時点(1次採択結果のみ発表)
採択率約54%:2021年度1次
今年も昨年の傾向同様に、前半の締切回の方が採択率が高く、募集次の後半にかけて採択率が低下していくものと思われます。
また、予算額が多いことから昨年最後の採択率、約19%までは下がらないのではないかと思われます。
倍率※ | 採択件数 | 採択率 | |
全体 | 1.8~1.9 | 3,717件 | 54.1% |
A類型 | 1.8 | 1,317件 | 55.6% |
B類型 | 1.9 | 48件 | 52.6% |
C類型 | 1.7 | 1,908件 | 58.8% |
D類型 | 1.8 | 444件 | 55.6% |
※経済産業省サービス政策課への電話ヒアリング
IT導入補助金が採択されるための重要なポイント
まず、IT導入補助金の申請が無事に採択されるために最低限必要なことは必須書類を間違えないよう揃えることです。
IT導入補助金はWeb申請で、記入箇所や提出書類も少ないため、誤字脱字などの入力ミスが命取りになります。
ケアレスミスをしないよう、何度も確かめましょう!
①補助金の目的は必ず押さえておきましょう
補助金の目的は、道徳的に理解しておくことが必要なだけでなく、受かるためにも必須です!
※IT導入補助金公募要領より
ポイントは、
●働き方改革につながる・・・賃金の改善、時間・場所など制約の克服、キャリアの構築。育児や介護との両立など働く人のニーズの多様化や、少子高齢化に伴う生産年齢人口の減少等の問題解決につながる
●被用者保険の適用拡大につながる・・・従業員の採用につながる
●賃上げにつながる・・・会社全体の賃上げ、一人当たりに支払われる賃金の改善を目指す
●インボイスの導入等に対応
これらに対応するITツール(ソフトウェア、サービス等)を入れるための補助金です。
事業を行うみんなの生産性向上を図ることが目的となっています。
②審査項目を確認しましょう
公募要領に、審査の項目記載があります。
労働生産性を高める、非対面化、業務の効率化、データ連携、クラウド化、インボイス制度導入などが求められる以外にも、
自社の経営課題を理解し、経営改善に向けた具体的な問題意識を持っているか
が求められています。
Web申請時に、アンケートのような形の選択式で答えていく箇所がありますので、そこでどれに当てはまると点数が高いのか意識しましょう。
※IT導入補助金公募要領より(特別枠:C・D 類型)
実績のあるITベンダーさんと組めばより安心ですね!
③申請要件という審査項目を押さえておきましょう
申請要件という書き方で説明されている、実質の審査項目も、必ず確認しておきましょう。
ここで求められることを外してしまうと、不採択となります。
申請要件も公募要領に記載がありますが、要約していくつかピックアップしますね。
・最低賃金が地域の最低賃金以上であること
・労働生産性の伸び率が1年後3%以上、3年後9%以上
・控訴や法令遵守に問題を抱えていないこと
・事業計画で給与支給総額を年率平均1.5%以上増加させる計画をたてること
・最低賃金を地域別最低賃金+30円以上の水準にすること
④【事前準備】事業計画は申請する製品の特長を反映する!
Web申請画面で、このような事業の計画数値を入れる箇所があります。
事前に申請者とITベンダーさんで一緒に計画を立てるのですが、この時に、申請するITツールの特長から得られる効果をきちんと反映しましょう!
例えば、原価管理システムを入れる場合は、2年後3年後の原価率が下がるような計画を。
販売管理システムで労働生産性が上がったり、人材管理システムで人員の無駄を無くすことで、労働時間短縮に繋がるだろうと想定される場合は、年間の平均労働時間が減るなど、導入するシステムの効果に見合った計画を立てましょう。
⑤【事前準備】賃上げ表明は大切です!
過去の採択傾向を分析している中で、「賃上げ表明」は大きく採択不採択に影響があるようです。
もちろん大切なことは、「表明したことにする」は決して行わず、きちんと計画を立てて表明することです。
「表明を行った方法の中」に、
・社内掲示板等への掲載によって
・朝礼時、会議、面接時に口頭で
・書面、電子メール等によって
・その他
これらの選択項目があります。
複数チェック可能な個所となっておりますので、複数選択が好ましいです。
中でも書面まで作成してしっかり準備しておくことをお勧めしております。
IT導入補助金では賃上げ表明の書式などありませんが、別の「ものづくり補助金」にある書式をご参考までにリンクで貼りますので、ぜひご活用ください。
もちろん、IT導入補助金では作成した賃上げ表明の書面提出はございません。
⑥【Web申請入力時】住所の書き方に注意!!
Web申請入力時に、住所だけに限らず、情報を正確に入力しましょう。
例えば、謄本(履歴事項全部証明書)の住所記載が
●●市本町1丁目2番3号
となっているのに対して、Web申請入力画面で
●●市本町 1-2-3
と入力してしまってはいけません。
交付申請の手引きにも、「履歴事項全部証明書の情報を正確に入力してください 」と注意書きがされている通り、こうした細かいミスが不採択へと繋がりますので、情報は正確に入力し、ITベンダーさんにも二重チェックを行ってもらいましょう!
⑦【Web申請入力時】事業内容の例文を公開!!ここ重要です
IT導入補助金Web申請時に、唯一とも言えるアピールを行える作文箇所の「事業内容」入力欄。
唯一と言っても過言ではないアピール箇所ですので、しっかり記載することが審査されるうえで大変重要です!
ここの入力文字制限は255文字となっていますので、事前に作文して文字数をチェックしましょう!
文字数の確認はこちら(参考:コンシェルジュゆきちゃんがよく使用する文字数カウント)
大切なポイントは
・自社の事業内容の説明
・どの部署(どんな時に)今回のITツールが活用できるか具体的に説明
作文のボリュームとしては2つ目の具体的にどう活用できるかが重要です。
今回は特別に、毎年多くのIT導入補助金申請を行い、毎回、平均採択率を上回る結果を出しているITベンダー(申請サポートのITプロ)に「事業内容」作文の事例を作成していただきました!
IT導入補助金、Web申請時「事業内容」の例
当社は業務用パッケージシステムの開発設計・保守の事業を行っております。今回導入するITツールを使ってテレワーク環境を整え、従業員の労働生産性の向上と効率化及びコロナ対策や台風・大雪等より従業員の安全を確保します。その他、クラウド化により各担当者や士業の先生との情報共有を行い業務の効率化を図ります。また、給与・賞与処理を自動化し、社会保険・労働保険の手続きや年末調整処理の効率化を図ります。さらに、給与明細書を電子化をすることで、業務の効率化と経費節減を図ります。(例文232文字)
⑧【Web申請入力時】「経営状況についての設問に回答」は嘘が無い範囲でポジティブに!
アンケートにチェックを入れて回答していく形式の「経営状況についての入力」箇所は、嘘の無い範囲でポジティブな内容で回答していきましょう!
よく、質問される内容として、
「過去のITツール投資/活用の状況」があります。
そんな立派なITツール投資なんて、今までやってきてないよ~
そんな事は無いはずです。
PC、タブレット、スマホ、インターネット用ルーターなども立派なITツール投資です。
小さい会社さまでも年間に20万円~100万円程度のITツール投資を行われている場合が多々あります。
おおよその年間投資額を計算して、きちんと回答いたしましょう。
まとめ
そもそも「補助金」というのは、税の再配分。
大切な私たちの税金から使われるものなので、正しく使っていただきたい!!それは私たちも事務局(国)も同じ思いです。
正しく真摯に取り組む企業に出される補助金ですので、そういった大原則を大切に、申請を行っていきましょう!!
最後までお読みいただきありがとうございました。
業務の効率化と売上UPにぜひ『IT導入補助金』を活用しましょう!