コロナ禍の補助金・助成金でも最大級の補助金額、最大1億円補助される注目の事業再構築補助金。
7月に締め切られた、事業再構築補助金の第2回公募(2次)の結果が9月2日に発表されました。
9月21日に3回公募が締め切りとなり、中小企業庁のホームページでは4回、5回と公募の予定が書かれています。
事業再構築補助金の概要については、ぜひこちらをご覧ください↓
コロナ禍、思ったより緊急事態宣言などが長引き「コロナ倒産を回避したい!」「ここ1年をどう乗り切るか?」など、悩んでいる経営者は数多くいます。
この状況をチャンスととらえ、経営改善...すなわち売り上げの改善の大きな一歩となる事業再構築補助金最大1億円!
実際採択された結果を参考にし、採択事例をヒントにこれから補助金申請を考えても間に合います!
「今、経営改善をおこなうのなら事業再構築補助金の補助を受けるべき!!」と、経営コンサルのプロである中小企業診断士の先生方もサポートに力を入れています。
また、事業再構築補助金は万が一、不採択になった場合も再申請が可能です!
すなわち、あと、2回ほどのチャンスが残っています。
実際採択された結果を参考にし、採択事例をヒントにこれから補助金申請を考えるために、
✔ 事業再構築補助金の不採択の理由
✔ 事業再構築補助金の採択事例
をみていきましょう。
補助金のお話は細かいし難しくて、わかりづらい用語も多いですよね!
そこで私が簡単な補足などをいれていきますね。
事業再構築補助金これまでの採択率は?
まず、事業再構築補助金の第1回(1次)と第2回(2次)それぞれの採択結果をみていきましょう。
事業再構築補助金 第1回(1次)の採択結果
今年が初となる事業再構築補助金。
第1回の採択結果発表前は、第1回の高採択率が期待されていましたが、世間の予想を大きく下回り、厳しい採択結果となりました。
中でも目立ったのが、そもそも申請要件を満たしていないと判断された申請の数です。
5,181者中、約17%近くに当たる855社が申請要件を満たしていないと公表されております。
事業再構築補助金 第2回(2次)の採択結果
第2回締め切りに対する事業再構築補助金の申請件数は、第1回の応募の数5,181者に対して、8倍以上にあたる20,800者とかなり多くの申請が集まりました。
3大補助金と呼ばれる「事業再構築補助金」「ものづくり補助金」「IT導入補助金」の中でも比較的事業再構築補助金に内容が近しい「ものづくり補助金」。
「ものづくり補助金」の申請件数と比較すると、2021年第7回までの締切り平均5,823者の約3.6倍の20,800者の申請件数となっており、必要としている方が多い補助金です。
事業再構築補助金の第2回でも、申請要件を満たしていない件数が目立ち、20,800者中、約12%近くに当たる2,467者が申請要件を満たしていないと公表されております。
どんな業種が採択されやすい?
東京商工リサーチが分析している分析調査結果によりますと、
第1回採択結果においては、応募・採択結果ともにトップの業種が製造業でした。
第2回採択結果では、宿泊業・飲食サービス業が応募・採択件数ともにトップであり、続いて製造業、卸売・小売業となっています。
また、第1回・第2回ともに幅広い業界により、応募・採択がされていることもわかります。
採択されやすい申請金額はあるの?
採択結果の採択金額より、採択が多かった補助金額を確認しました。
応募金額及び採択金額の分布(全類型合計)がどのような割合になっているかを1,500万円単位で分析すると、100~1,500万円が最も多く、全体の約5割を占めています。
第1回では、100~1,500万円の採択金額の分布(全類型合計)が46%だったことから、若干ではありますが、採択金額が低いところへの分布が多くなっています。
多少、補助金が採択されやすくなるかもしれませんが、1500万円以上の申請も多く採択されています。
実際の事業計画に必要な金額を申請されるのが良いのではないでしょうか!
気を付けたい事業再構築補助金の不採択の理由5選!
事業再構築補助金申請される方は、かなりの手間暇と「認定支援機関(認定を受けた金融機関や士業の先生)」との打ち合わせ、または、士業の先生にお支払いする申請着手金などの費用をかけています。
「申請するからには、採択されたい!!」と思うのは当たり前ですよね。
そこで、不採択になりやすい理由を押さえておきましょう。
1.申請要件を満たしていない
特別枠不採択の約11%は「申請要件を満たしていない」ことが原因です。
まず考えられることとしては、事務手続きや電子申請で不慣れな方が多かったのではないかと思われます。
士業の先生などで、申請サポートをどこまで行っていただいたかにもよりますが、不慣れな資料作成や、慣れない電子申請といった普段行わない作業により、添付書類の不足やWeb入力ミスなどがあったことが考えられます。
添付書類の不足やWeb入力のミスがあると、『審査の要件を満たしていませんよ!』となり、残念ながら審査すらされません。
申請サポートを行っていただく「認定支援機関」のご担当者や士業の先生に最後までしっかり書類を確認してもらい、申請の不備を避けましょう!
2.加点の条件をクリアしていない
第3回公募のときの事業再構築補助金の審査で「加点」される条件は、
✔ 1つ目:売上30%減少
コロナの影響で、2021年1 月~8 月のいずれかの月の売上高が対前年(又は対前々年)同月比で30%以上減少していること
✔ 2つ目:固定費が同期間に受給した協力金の額を上回ること
2021年1月~8月のいずれかの月の固定費(家賃+人件費+光熱費等の固定契約料)が同じ期間に受けとった協力金額(時短営業要請などの協力金)を下回ること
✔ 3つ目:経済産業省が行うEBPMの取組への協力
経済産業省が行うEBPMの取組(本当に効果があったか等を検証・分析して将来の政策に役立てる)に、継続的に情報提供して協力すること
こちらの3つです。
加点される条件を満たしているかどうかで審査の点数が変わります。
努力で変えることのできない内容もあります。
もちろん、加点項目なので必須ではないのですが、あくまでも審査があって採択・不採択がきまるものなので、せめて3つ目だけでも押さえておきましょう。
3.誤字・計算ミス・伝わらない専門用語
審査する立場から考えた場合、誤字、脱字、計算ミスのある申請書は「きちんと考えていない申請書」「見直しされていない申請書」と思われてしまいます。
どれだけ内容がよくても、悪い印象を持たれた状態で審査されると、評価は低くなってしまいます。
また、つい、自身の専門分野の専門用語を使って表現してしまい「せっかくの内容がうまく伝わらない」事態がおこります。
これでは、伝わっていないのですから評価のしようがありません。
極力専門用語を使わずに、だれが読んでも伝わる文章。そして、泉温用語を使う必要がある場合は、その後に説明書きを入れるなどして、読んでくださる審査担当者さんへの配慮を欠かさず行いましょう!
減点を回避できる、とても大切な部分です。
何度もチェックして、誤字・脱字・計算ミス・わからない専門用語の使用はなくしましょう!
4.事業計画の実現性、世間の需要が見込めない
審査では
✔ 実現性があるか?
✔ 世間の需要があるか?
が、しっかり見られます。
一見、理想的な内容が書かれていたとしても、企画自体が成り立たなくては、補助金を出す意味がありません。
誰が見ても「この企画なら実現性があり、世間の需要も満たしており、必ず実現するだろう」と思ってもらえる、実現性のある事業計画を作りましょう。
5.数値の根拠・情報の根拠・出典情報の説明が足りない
感覚的な数字や、自分が思う理想の数字で作った事業計画では、もちろん審査で納得してもらえる訳がありません!
事業計画をより評価の高い状態にするためには、その数字はどこから出てきたものなのか、根拠や出典元の説明を行いましょう。
例えば、
✔ 官公庁の統計
✔ 各省庁の統計
✔ 白書
✔ 業界団体の統計
✔ 新聞・雑誌・書籍から入手
もうひとつ質問。補助金ってそもそも不採択の理由を教えてもらえるの?
事業再構築補助金で採択された事例9選
大変ありがたいことに、事業再構築補助金では第1回(1次)公募時の採択事例「事業計画書」が公表されています。
それぞれの事例を覗いてみましょう。
1.あたらしく別分野の事業を始める「新分野展開」の例3つ
メインの事業は変えずに、あたらしく別分野の事業を始める「新分野展開」の3つの事例です。
新分野展開その①
地元からも観光客からも愛される北海道帯広駅前のホテル。
「暮らすような旅」を演出するHotelヌプカ(十勝シティデザイン株式会)。
コロナ前からの事業の取り組み姿勢と、コロナで大打撃を受けた観光産業の新展開「ワーケーション事業」の取り組みが書かれた事業計画書が素晴らしいです。
ワーケーションとは、ワーク(仕事)とバケーション(休暇)を合わせた造語です。
ワークしながらバケーションをとるかのように、リゾート地や温泉地でリモートワークすることをいい、コロナ後大きく取り上げられた事業のひとつです。
北海道帯広のホテルの新分野展開「ワーケーション事業」の事業計画書はこちらです。
新分野展開その②
日本の風力発電のベース電源化に貢献する!
(風力で発電される電気を、一定量の電力を安定的に低コストで供給できる電源。すなわち日本におけるベースとなる電源(ベースロード電源)に育てていく)
のビジョンをかかげ、
風力発電事業者やメーカーに対して、風力発電機の運用・管理・メンテナンスおよび風力メンテナンス技術者の養成を行う事業計画案が採択された(株)電材エンジニアリング。
現在、社内にある既存の建物を解体し、新築の建物コントロールセンター棟を建築します。
建物の建築、改築を検討されている方にもおすすめの素晴らしい事業計画書です。
新分野展開その③
飲食店を3店舗経営していた和歌山市の(株)中心屋が展開する新分野事業「高齢者配食事業」。
倉庫を改修して新規事業用の厨房などを新設し、ご自身で食事を用意することが困難になった高齢者のご自宅へお弁当を届けるサービスです。
和歌山市の高齢者数と配食業者が不足していることなど、事業再構築補助金の要件に当てはまることが、とても分かりやすく記載されています。
2.主な業種を変更しないで主な事業を変更する「事業転換」の例2つ
主たる業種を変更せずに、主たる事業を変更することを指します「事業転換」2つの事例です。(飲食業のまま、居酒屋から焼き肉店に事業転換など)
事業転換その①
「民泊」からビジネス・ファミリー層向け「旅館業」への業種転換を行うゲストハウスますきち。
独自の中期滞在プランの市内工房と連携した職人弟子入りプランやお試し移住プラン、リモートワーク中期滞在プランなど、独自の事業計画と、その実現性が計画書内からみてとれます。
建物の建築改修費用としての事例参考としつつ、企画力、マーケティング計画もぜひ見ていただきたい事業計画書です。
事業転換その②
地元の食材を生かした冷凍食品製造業から、卸販売業と通信販売への事業転換を行う(株)三本松茶屋。
こちらの事業計画書は、日本標準産業分類のコードを分かりやすく表記し、この申請が「事業転換にあたる」ということが一目瞭然となっています。
また、見やすい流通の表なども、参考になります。
費用の内訳もわかりやすい表となっております。
3.主な業種を変更する「業種転換」の例1つ
「業種転換」とは新たな製品等を製造等することにより、主たる業種を変更することを指し
ます。
(例えば「飲食店」である小料理屋が、長年の料理で培ってきたノウハウを生かして、オンライン料理教室事業を始める。など、「飲食店」から「オンライン教育」に業種ごと変えてしまう事です)
業種転換その①
Webでのプラットフォーム「M&S仲介」への業種転換を行う(株)M&Aナビ。
仲介サービス事業からのオンランで完結するWebサイトの構築、情報通信業への業種転換。
こちらは建築費ではなく、Webサイトシステム開発費。
AI株価算定の開発、AIチャットBOT、AI契約書作成、バーチャルデータルーム構築費など、システムWebサイトの構築費が採択された事例として、とても参考になる事例です。
4.製品などの製造方法等を変更する「業態転換」の例2つ
「業態転換」とは製品等の製造方法等を相当程度変更することを指します。
(例えば「飲食店」小料理屋は対面での商売では無く、注文システムを導入しテイクアウトや通販、サブスクで定期的にお料理のお届けする事業に売り方を変えて変えてしまう事です)
業態転換その①
ブライダル運営業である八芳園。
✔ オンラインイベントシステム開発・販売
✔ ロボット設備を導入した非接触オフラインイベント
✔ 食の宅配(食の製造宅配業)・・・レシピと必要な分量の食材がセットになったミールキット販売
今までの飲食とブライダル等のイベントで積み上げたノウハウを生かし
イベント × 食 × デジタルの、食・イベント分野のDX推進を計画した素晴らしい事業計画です。
業態転換その②
主に不動産業向けのチラシ・SM・販促・イベント提案を行ってきた(有)市場印刷。
今までのデザイン力、企画力、撮影ノウハウを生かし、今後は商業施設や観光業界向けにも顧客を広げた、
✔ 360C°カメラ撮影
✔ ドローン撮影
を取り入れドローン、動画、VRを活用した広告媒体のデジタル化を図るこれから先の流れを見据えて、いち早く新規顧客を獲得するための事業計画です。
5.会社法の組織再編をし新たな事業を行う「事業再編」の事例1つ
事業再編は、合併、会社分割、株式交換、株式移転、事業譲渡などを行ったうえで、新分野展開、事業転換、業種転換、業態転換のいずれかを行うことを指します。
事業再編その①
酒類販売、米、農園、瓶の各事業が一体化し、新たに乳酸菌入りの果実リキュールや清涼飲料展開を行う(株)北岡本店。
飲料業界の種類別推移などの分析グラフなど、全体的な構図やグラフを活用した企画書がとても見やすい。
補助金申請金額が最高の6,000万円。
収益計画表や新製品の販売計画の内訳まで開示してあり、お手本としてぜひ覗いてほしい事業計画です。
中小企業庁の採択事例ページはこちら
事業計画書の書き方のコツや第1回公募採択事例はこちら↓
今後のスケジュール
事業再構築補助金の第4回(4次)公募は、令和3年10月下旬ごろから始まり、令和3年11月下旬に締め切られる見込みとなっておます。
10月下旬~11月下旬の公募期間になった場合、第4回(4次)の採択結果の発表は翌年令和4年1月上旬頃と見込まれます。
また、事業再構築補助金第5回(5次)公募については、未定となっておりますが、3次締め切り前にオフィシャルページにて3回締切後に『さらに2回程度の公募を予定しています。』と掲載さておりましたので、5回(5次)公募まで行われる可能性があります。
ただし、確実に行われるかは確定しておりません。
第5回(5次)があった場合は、最終5回公募に申請が殺到し採択率も下がるのではないかと予測されるため、もし申請を考えられている場合は、極力4回(4次)公募に間に合わせた方が良いでしょう。
まとめ
コロナによる経済の低迷が続く中、様々な業種において売上減少などの影響が出ています。
そのような中で大規模な補助金として注目を集めている事業再構築補助金。
このような局面においては、補助金・助成金をうまく活用することで乗り越えていくことをオススメします。
先に採択された企業さまの事例等も公表されており、採択を受けた事例を参考にしながら事業計画を立てられるという点でも、かなり、申請しやすい状況が揃ってきました。
採択事例などを確認しながら、自身の事業再構築と拡大に最大1億円補助の超大型補助金『事業再構築補助金』生かしてみてはいかがでしょうか。
最後までお読みいただきありがとうございました。
従業員を守るため、会社を守るために助成金を活用しましょう!
使えるかどうかわからないという方は、まずはお気軽にご相談ください!