技術の進歩により、様々なソフトウェアが開発され
便利になる一方で課題になるのが
『システム間のデータ連携』です。
そこで今回は、ソフトウェアの連携の課題と
ソフトウェア連携開発に使える
【共創型サービスIT連携支援補助金】をご紹介します。
・導入したいITツールがあるけど、使い方がわかりにくくて断念した
・新しく導入したいITツールが、既存のツールと相性が悪いため諦めた
という経験がある事業者の方は悩みが解消できるかもしれません。
ぜひお役立てください。
補助金のお話は細かいし、難しくてわかりづらい用語も多いですよね!
そこで私が簡単な補足などをいれていきますね。
データ連携とは
まず、『データ連携とはなにか』から大まかにご説明します。
データ連携とは複数のシステムやサーバの間で利用するデータを共有し、
それぞれのシステム、サーバに受け渡し、処理して利用できるようにする
仕組みのことを指します。
例えば、企業は売上、顧客、人事など数多くのデータを扱っています。
それらのデータは、用途に合わせて異なる場所で管理・保管されており、
その異なる保管場所にあるデータを組み合わせて有効活用するために必要なのが
『データ連携』です。
データ連動は長年IT業界でも大きな課題とされています。
データ連携が必要な理由
複数のシステム間でデータ連携が必要となる理由は
・ビジネス環境の変化やグローバル化に対応するため
・企業の統廃合や合併、業務提携などにより、システム間で処理を連結させなくてはならなくなったため
・新しい技術に対応するために、古いシステムから新しいシステムの導入に向けて、旧システムと新システム間でのデータ連携が必要になったため
など様々な理由が考えられます。
データ連携のメリット
次に、データ連携をするとどのようなメリットがあるのかですが
大きく次の3つがあげられます。
①データを組み合わせて活用できる
②データを一元管理できる
③データの整合性の担保ができる
1つずつ見ていきましょう。
データを組み合わせて活用できる
複数システムでのデータ連携を行うことで、
それらのデータを組み合わせて活用することができます!
売上データと顧客データを組み合わせることで
商品ごとの購入者の傾向を分析してマーケティングや
商品開発などに活用することが可能になります。
2.データを一元管理できる
データを連携することで、あちらこちらに散在しているデータを
一元管理することができます!
システムごとに社員情報を保持している場合
元となる社員情報と各システムをデータ連携することで、
入退社や異動などの際に漏れなく最新の社員情報を各システムに
反映させることができるため、データ管理コスト削減にもつながります。
3. データ整合性の担保ができる
複数システムで同じデータを扱う際に
データ連携していないことで問題が発生してしまうことがります。
在庫管理システムの在庫数と販売管理システムの在庫数が異なり、
在庫があるのに品切れと判断してしまう場合
データ連携することで、どのシステムから確認しても正しく
整合性の取れたデータにすることができます。
なぜデータ連携が進まないのか
では、なぜデータ連携が進んでいないのでしょうか。
よくある理由は次の3つです。
①データが散在している
②加工に手間がかかる
③データ登録を手作業でしている
データが分散している
まず、よくある理由が、データが部門ごとなど
様々なデータベースに散在し、孤立していることです。
日本企業は部門ごとに最適化したシステムを使用していることが多いため
データも部門ごとのデータベースに保存されているケースが多いです。
そのため、システム面・セキュリティ面などの理由によって
データ連携を難しくしています。
データの加工に手間がかかる
データ加工の手間も連携を阻む大きな理由です。
先程お伝えした通り、部門ごとに独自のシステムを使っているため、
そこに保存されているデータも独自規格のフォーマットを
使用していることが多くあります。
そのため、部門間でデータを連携させる際には、この違いが障害になることも。
データ登録を手作業で行っている
データ登録をExcelなどに手作業で入力している場合。
この場合もデータ連携を難しくさせます。
手作業でのデータ入力は入力ミスなどの人為的なミスを
起こしやすいだけでなく、データ連携をシステム化するときの
障害になる可能性もあります。
しかし、諦めるには早いです!
データ連携に使える補助金を活用すれば、データ連携の負担を減らせます!
詳しく説明しますね!
共創型サービスIT連携支援補助金
出典:共創型サービスIT連携支援補助金HP
共創型サービスIT連携支援補助金は、ITツールを活用する
中小ユーザ企業などがコンソーシアムを組成し
既存の複数のITツール間の連携機能の構築
あるいは機能の統廃合をするための費用の一部を支援するものです。
事業構想
ITツールを利用する複数の中小ユーザ企業と、
連携機能構築等を行う複数のITベンダが中心となり、
必要に応じてその他協力者を巻き込みつつ、コンソーシアムを組成し本事業へ申請します。
出典:共創型サービスIT連携支援補助金HP
補助率・補助金額
補助率
2/3以内 もしくは 1/2以内
※ITベンダに大企業が含まれている場合、1/2以下
補助上限額
1.1億円
補助下限額
100万円
補助対象経費
補助対象経費は
・ソフトウェア購入費 ・クラウドサービス利用費
・会議費 ・旅費 ・専門家経費
・人件費 ・委託費
ソフトウェア購入費
中小ユーザ企業が利用する専用ソフトウェアを新規に調達するための経費
クラウドサービス利用費
中小ユーザ企業がクラウドサービスを利用するための経費
会議費
中小ユーザ企業が連携機能構築等を実施するために
ITベンダと会議を開催する際に必要な費用
旅費
補助事業者が連携機能構築等を実施するために使用する交通費・宿泊費
専門家経費
中小ユーザ企業が連携機能構築等を実施するために依頼したその他協力者に支払う謝金
人件費
ITベンダが、ITツールの連携機能構築等を実施するために必要な設計・開発~システムテスト、受入テスト、研修までの工程で発生する工数にかかる経費。中小ユーザ企業が、ITツールの連携機能構築等を実施するために必要な要件定義、受入テスト、及び研修の工程で発生する工数にかかる経費
委託費
中小ユーザ企業が連携機能構築等を実施するためにITベンダまたはその他協力者に要件定義、受入テスト、研修等を委託する経費。
※設計・開発~システムテストはITベンダを委託先とする場合のみ対象
申請期間
交付申請・補助事業期間
交付申請期間:2022年8月3日(水)~2022年9月9日(金)17時まで
補助事業期間:交付決定日~2023年2月10日(金)
申請例
申請例を2つご紹介致します!
来店予測
販売情報、来客情報、外部情報等を統合的に分析し、将来の来客数や注文数を予測
出典:共創型サービスIT連携支援補助金HP
受発注在庫管理連携
取引先企業と自社でEDIを導入。その後、自社の既存の受発注管理システムと在庫管理システム、会計システム間でAPI連携を構築することで、転記作業や確認作業などの手作業の省力化を図る。
出典:共創型サービスIT連携支援補助金HP
活用事例
最後に活用事例を3つご紹介します!
ナンモダ百貨新冠本店
ワンダーマルシェ コンソーシアム
野菜直売所の専用POSシステムとAI搭載据え置き型セルフレジの
売り上げデータを連携することで、野菜直売所における
売上集計業務の効率を向上させ、業務負荷削減を図る。
株式会社大野ナイフ製作所
製造実行システムを活用した製造業の業務改革推進コンソーシアム
生産管理システムと製造実行システムの連携機能強化により
従来発生していた生産管理の修正時の二重入力作業を削減し
更なる生産性向上を図る。
マルホン株式会社
流通業IT連携推進コンソーシアム
流通業において、従来、発注側大企業主体で構築されていた
受発注システムを納品側中小企業主体で一気通貫した
受発注販売管理システム及び連携ツールの開発を行い、
納品側中小企業のシステム構築の標準化、業務の効率化を実現する。
まとめ
今回は、ソフトウェアの連携の課題と
ソフトウェア連携開発に使える
【共創型サービスIT連携支援補助金】をご紹介しました!
ソフトウェアの連携は、
①データを組み合わせて活用できる
②データを一元管理できる
③データの整合性の担保ができる
などのメリットがあります!
しかし、なかなか進んでいないのが現状だと思われます。
ぜひ、この機会に【共創型サービスIT連携支援補助金】を活用し
データ連携の課題解決・開発を進めてみてはいかがでしょうか。