副業解禁の流れが加速する昨今、そのメリットを活かすため、副業の解禁を検討している企業も少なくありません!
しかし、副業解禁には多くのメリットがある一方、デメリットも存在します。
今回は副業を解禁した場合のメリット・デメリットと副業解禁に活用できる補助金制度
について解説していきます。
ぜひ参考にしてください!
補助金のお話は細かいし、難しくてわかりづらい用語も多いですよね!
そこで私が簡単な補足などをいれていきますね。
副業の現状
厚生労働省が2017年に行った調査では、本業以外に仕事をしている人は7.2%となっています。
年代別に見ると、副業をしている人は30代〜50代に多い傾向です。
3つ以上の副業をもつ人はごく少数で、掛け持つ副業の数が2つまでという人が大多数(94%)を占めています。
上記の厚生労働省の調査によると、
副業の目的は・・・
- 「収入を増やしたいから」
- 「1つの仕事だけでは収入が少なくて、生活自体ができないから」
- 「自分が活躍できる場を広げたいから」
という回答が多く寄せられています。
また、副業の業種については、収入増加につなげやすいサービス業や、自分のスキルを活かせる専門的・技術的職業の割合が高い傾向が見受けられます。
政府の働き方改革による後押し
政府は「働き方改革」を進め、2017年には具体的な施策として「働き方改革実行計画」を決定しました。
これを踏まえ、厚生労働省では「副業・兼業の促進に関するガイドライン」を公開しています。
また2018年には、厚生労働省が公開している「モデル就業規則」に副業・兼業についての規定が新設されるなど、政府も副業を後押ししています。
さらに、「副業・兼業の促進に関するガイドライン」のパンフレットを配布する、Q&Aを公開するなど、副業を解禁したい企業や副業を行いたい従業員に対して丁寧な説明を実施しています。
企業の副業に対する思い
慢性的な人手不足という問題を抱える企業は多く、人材確保が大きな課題となっています。
一方で、人手の余剰を抱えている企業もあります。副業の解禁は、こうした両者の課題を同時に解決できる方法となり得るため、注目を集めています。
従業員の副業に対する思い
終身雇用が必ずしも当たり前ではなくなっている昨今、キャリアアップや創作活動の充実といった目標が、自分の勤めている企業では実現できないと感じ、転職の選択肢を考える会社員も少なくありません。
特に在宅勤務やリモートワークが進む現在、働き方は大きく変化しています。
例えば・・・
実家で在宅勤務をすると同時に家業を手伝うことも、副業が認められれば実現可能となります。
副業解禁のメリット
企業のメリット
優秀な人材の確保が可能
人手不足で人員を確保できない場合、業務委託や時短労働者など、副業を希望する労働者を雇うことで、労働力不足の解消につなげることが可能です。
働き方の一つとして「副業」を認めることで、優秀な人材の確保や定着にもつながるでしょう。
また、従業員としては転職のリスクを取らずに自分のやりたいことを会社が後押ししてくれるため、満足度が向上すると考えられます。
結果的に・・・
離職者が減り、自社に長くとどまってくれる人が増えるというメリットがあるでしょう。
社員のスキルアップが期待できる
社内教育だけでは、得られるスキルに限りがある可能性がありますが、副業を通して新たな知識や経験を身につけることによって、社内にはないノウハウや知識を獲得することができます。
新たな知識は企業の利益になるだけでなく、既存社員への刺激ともなり得るので、組織の活性化なども期待ができるでしょう。
企業のブランディングにつながる
働き方が多様化している近年、「自分らしい働き方がしたい」と考える労働者にとって、副業を解禁している企業は魅力的に映るでしょう。
副業によって得た情報や人脈は、事業機会の拡大に活用できるかもしれません。
副業を解禁することで、採用や事業拡大など、多数の効果が見込める可能性が高まるのです。
企業のデメリット
社員の労働時間が増え、本業へ支障をきたす可能性がある
副業は本業の仕事が終わった後や休日に行なう場合が多いため、十分に休む時間を確保できず、本業に支障をきたす可能性があります。
生産性の低下にも繋がりかねないため、企業は勤務時間の把握・管理をしておく必要があるでしょう。
例えば、本業と副業の両方が繁忙期に入った場合、従業員はどちらを優先するか選ぶ必要があるでしょう。
機密情報の流出リスクがある
さまざまな企業と関わりを持つことによって、社員からの情報漏洩のリスクは高まります。
本業で知り得た情報やノウハウを、従業員が知らず知らずのうちに伝えてしまうといったことも考えられるでしょう。
秘密保持義務や競合避止義務を確保するためにも、企業の機密情報の取り扱いについて、改めて社内で共有をしておくことが重要です。
退職・独立につながるリスクがある
優秀な人材が本業を離れ、副業の方へ転職してしまう可能性も十分に考えられます。
ルール化することはもちろん、副業申請時に社員と面談を設けることで、企業の不利益となる行為はしっかり禁じるようにしましょう。
企業の管理が難しくなる
他にも、就業時間の管理が難しくなることもデメリットとして挙げられます。
副業に充てる時間も考慮しなくてはならないため、副業を解禁する前と比べると、本業の就業時間の調整が難しくなるでしょう。
さらに、副業を認めることで、下記のような企業側の業務が増える可能性もあります。
- 勤務時間の把握
- 労災保険などの管理や計算
- 支払いの調整
従業員のメリット
副業を行うと、収入が増える可能性が高いでしょう。
もちろん本業の時間を減らして副業を行った場合、本業の収入が減ると考えられますが、単価の高い仕事などを選ぶことで総収入額を高めることも可能でしょう。
また、自分自身が成長できるというメリットも大きいでしょう。
- 視野の広がり
- スキルの向上
副業を行うことで視野を広げるきっかけもつかめることもあります!
また、本業では携われなかった仕事を行うことで、多くのスキルやノウハウを身につけられるでしょう。
従業員のデメリット
本業を行っている状態で、追加で副業として新たな仕事を行うため、仕事の時間配分が難しくなります。
例えば・・・
本業と副業の時間配分を決めていたとしても、突発的な連絡が入るなど、作業に集中できないことがあるかもしれません。
さらに問題となるのが、長時間の勤務や作業によって発生する体調管理です。
本業の時間を減らさずに副業も頑張ってしまうと、十分な休息を取ることが難しくなり、体調を崩してしまうことも考えられます。
副業・兼業支援補助金
- 企業等が副業・兼業に人材を送り出す
- 副業・兼業の人材を受け入れる
に要する費用について、本事業を通じてその経費の一部を助成し、費用負担を軽減することで、副業・兼業を促進します。
企業間・産業間の労働移動の円滑化を図ることを目的としています。
参考▶️補助金ポータルHP
補助対象事業
「副業・兼業送り出し型」と「副業・兼業受け入れ型」の2つの類型があります。
1.類型A 副業・兼業送り出し型
対象経費:
対象経費は下記の通りです。
- 専門家経費
- 研修費
- クラウドサービス利用費
補助事象の要件:
自社の従業員が他の企業等での就業等を行うことを認めるための環境整備を行うものであって、以下のいずれの要件も満たすものであること。
- 従業員の就業に関する社内ルールの改定を伴うものであること。
- 社内ルールの改定によって、従業員の副業・兼業を認める範囲が広がることが見込まれること。
- 改定後の社内ルールが、モデル就業規則(厚生労働省)第70条の規定に準じたもの or 同条の規定よりも広範に従業員の副業・兼業を認めるものになると見込まれること
- 改定後の社内ルールについて、全ての従業員に周知すること。
2.類型B 副業・兼業受け入れ型
対象経費:
対象経費は下記の通りです。
- 仲介サービス利用料
- 専門家経費
- 旅費
- クラウドサービス利用費
補助事象の要件:
他の企業等において、下記のものであって、以下①〜②のいずれの要件も満たすこと。
- 雇用契約 or 業務委託契約に基づき就業している個人と新たに雇用契約
- 業務委託契約を締結した上で、同契約に基づき、当該個人が当該他の企業等での就業を継続している状態のまま、自社の業務に就業させる
- 自社の業務に就業させる期間が、少なくとも3か月以上であること。
- 受け入れる人材が有するスキルや経験などを活用することが、受け入れ企業の経営課題の解決につながると見込まれること
※自社の既存の業務に関する人員が不足しているという課題に対応するために、副業・兼業人材を受け入れる場合を除く。
補助金額
補助金額は下記の通りです。
1.類型A 副業・兼業送り出し型
補助率 | 1/2 |
---|---|
上限額 | 1事業者あたり100万円 |
2.類型B 副業・兼業受け入れ型
補助率 | 1/2 |
---|---|
上限額 | 副業・兼業の人材1人あたり50万円 |
上限額 | 1事業者あたり250万円(5人まで) |
最後に
今回、解説してきたように、企業・従業員の双方にとってメリットの多い副業ですが、デメリットも存在します。
副業解禁が多くの従業員から求められていることも事実ですので、少しずつ準備を進めていくことが大切です。
補助金を活用して、副業解禁の準備を進めていきませんか?