「海外からの観光客を受け入れるにはどんな対策が必要?」
「インバウンド環境整備に使える補助金があるか知りたい」
とお悩みの事業者の方、必見です!
新型コロナの水際対策が緩和されて以降、海外旅行客の需要が急激に回復しています。
コロナで需要が減っていたホテル業界や飲食業界は、
一転して人手不足に悩んでいるほど、インバウンド需要が高まっているのです。
一方で、観光庁が目標に設定した「インバウンド一人当たりの消費額25万円」を
達成するには、まだ課題も多く残されています。
ではインバウンドの消費を促すには、
どのようなニーズに応える必要があるのでしょうか?
こちらの記事では
- インバウンドの現状と課題
- インバウンドの消費を拡大させるためのポイント
- インバウンドの受け入れ環境整備に利用できる補助金
について解説します!
補助金のお話は細かいし、難しくてわかりづらい用語も多いですよね!
そこで私が簡単な補足などをいれていきますね。
インバウンドの現状
出典:訪日外国人旅行者数・出国日本人数 | 統計情報 | 統計情報・白書 | 観光庁
日本を訪れる海外旅行客の数は年々増加しています。
新型コロナの流行により、2020年から2022年にかけては減少していますが、
日本政府観光局が発表した2023年5月の訪日外客数は、
2019年同月の68.5%まで回復しています。
今後ますます旅行客数が伸びることが見込まれますが、
インバウンド需要を高めるにはまだ課題も残されています。
インバウンドの課題
インバウンド需要を伸ばすには、以下の4つの課題があります。
- 消費需要の変化への対応
- 消費を拡大させる
- 地域格差の解消
- インバウンドに適した環境の整備
ひとつずつ解説します。
消費需要の変化への対応
2015年には中国人の「爆買い」が流行語になりましたが、
インバウンドの消費需要は、モノからコトへと移りつつあります。
日本を訪れる海外旅行客の半数以上がリピーターである、という点から見ても、
今後は体験を重視した消費体験の需要が高まることが予想されるでしょう。
中でもリピーターの観光客は1度目の観光客に比べて、
特別な体験を求める傾向があります。
学びや内面の豊かさを感じられる時間の過ごし方の提案が必要とされているのです。
消費を拡大させる
観光庁が定めた「明日の日本を支える観光ビジョン」では、
インバウンド1人当たりの消費額の目標を2030年には25万円に
到達させる、としています。
しかし2016年から2019年までインバウンド1人当たりの消費額は、
およそ14~15万円を推移しており、このままのペースでは目標の達成は難しい状況です。
消費を拡大させるには、
- 消費の需要にあわせた商品やサービスの充実を図る
- 高い付加価値を持つ体験や商品を提供する
などの工夫が求められます。
地域格差の解消
外国人観光客が訪れる地域には偏りがあるため、
地域格差の解消もインバウンド対策の課題となっています。
観光の中心は、東京・大阪・京都など、都市部となっており、
地方との格差が広がっています。
都市部から離れた地域は、観光地としての認知度を上げる工夫が必要でしょう。
日本を何度も訪れるリピーターは地方へ関心を持っている人も多く、
魅力を感じる情報発信ができれば観光客の増加が見込めます。
インバウンドに適した環境整備
海外旅行客を増やすための環境整備もまだ十分とは言えません。
特に地方では、交通機関や宿泊施設での多言語対応、
決済手段の設備が整っていない場所も多くあります。
また、観光客の増加で地域住民に悪影響が出ないよう、
オーバーツーリズムへの対策も同時に行う必要があります。
インバウンドを増やすには、観光地の魅力を知ってもらうのと同時に、
快適な滞在に適した環境づくりも重要な要素となるのです。
インバウンド消費を拡大するためのポイント
インバウンドの消費を促進し地域の活性化を図るには、以下のような取り組みが必要です。
- 多言語対応
- 無料Wi-Fiの提供
- キャッシュレス化の促進
- ナイトエコノミーの推進
ひとつずつ解説します。
多言語対応
リピーターのインバウンドの中には、過疎地に興味を持っている人もいます。
しかし多言語対応が追いついておらず、十分な情報にたどり着けない場合も。
また、せっかく訪れる観光客がいても、
言葉が通じず十分なサービスができないといった問題もあります。
そこで交通機関や観光地の掲示物には、多言語表記や音声案内サービスの対応が必要です。
土産物の販売店や飲食店なども多言語対応を行うことで、
購買意欲が促進されて売り上げがアップすることが期待できるでしょう。
多言語による表記はインバウンド集客において欠かせない要素となっています。
無料Wi-Fiの提供
無料Wi-Fiの導入も、インバウンドの対策の重要なポイントです。
ホテルや飲食店で無料Wi-Fiの案内を目にする機会は増えていますが、
2018年の観光庁の発表ではインバウンドのおよそ20%が旅行中に困ったこととして
「無料公衆通信LAN環境」と回答しています。
Wi-Fiスポットと聞くと施設の中にあるイメージがありますが、
公園や観光地など外での通信環境整備も必要とされているのです。
キャッシュレス化の促進
近年、インバウンド対応で重要とされるポイントのひとつに、
キャッシュレス決済への対応があります。
日本は支払いの際に現金を利用する場面がまだ多くありますが、
海外ではキャッシュレス化が進んでいる国が増えているのです。
特に韓国や中国ではキャッシュレス決済の比率が高くなっています。
一般社団法人キャッシュレス推進協議会の「キャッシュレス・ロードマップ 2022」によると、韓国は93.6%、中国は83%がキャッシュレス決済を行っていると掲載されています。
日本はアジアからのインバウンドが多いため、
需要にあわせて多様な決済手段の導入が求められています。
ナイトタイムエコノミーの推進
夜の観光プランを作成し、ナイトタイムエコミノーを推進することも重要な対策です。
ナイトタイムエコノミーとは、夜18時から翌朝6時までの活動のこと。
地方では夜になると、観光できる場所がなかったり、
空いている飲食店がまばらだったりといった問題があります。
インバウンド受入環境整備高度化事業
インバウンドを受け入れる環境整備のため、観光庁では補助金の助成を行っています。
補助金を活用し、海外観光客を受け入れる環境づくりに取り組みましょう!
補助対象事業者
指定市区町村、都道府県、観光地域づくり法人(DMO)、民間事業者等、高度化計画に記載された事業を実施する者。
補助対象事業・補助率
出典:インバウンド受入環境整備高度化事業 | 訪日外国人旅行者の受入環境整備 | 国際観光 | 政策について | 観光庁
対象地域
訪日外国人旅客者の来訪が特に多い、またはその見込みがある市区町村として観光庁が指定するもの。
申請の流れ
- 「受入環境整備高度化計画」の提出
- 計画認定および内示
- 交付申請書の提出
- 交付決定
- 事業実施
- 完了実績報告
- 補助金額の確定
- 精算
受付期間
令和5年6月7日(水)~10月31日(火)17時(必着)
まとめ
インバウンドの課題や解決策について解説しました。
新型コロナの流行が落ち着き、海外からの観光客が回復してきています。
しかし、ただ待っているだけではインバウンドの需要を伸ばすことはできません。
今回紹介した4つのポイントを押さえて、
満足度の高い旅行となるよう環境整備を行う必要があります。
補助金は最大で対象経費の2分の1まで支給されます。
この機会にぜひ活用しましょう!