1.【社会的課題?】働きながら介護している人の増加率
「介護が始まったら今の仕事は辞めなければいけないかもしれない…」と悩んでいる方はいらっしゃいませんか?
もしくは、そう言われた経営者の方はいませんか…?
ご家族の介護状態、金銭面、時間の都合上どうしても辞める選択しかない方もいらっしゃるかもしれません。
ですが、従業員の視点からは、「少しでも働き続けたい」という気持ちがあるのであれば、できるだけ介護による退職・離職はしない方が良いです。
そして経営者の視点から見ても会社の大切な戦力を失うことは、大きな損失と言えます。
現代の日本は高齢化社会に伴って、
仕事と介護の両立で大変な思いをされている方は年々増えているのは事実です。
出典:https://wwwa.cao.go.jp/wlb/government/top/hyouka/report-18/h_pdf/s3-4-3.pdf
経験したことのない見えない不安に押しつぶされ、退職の道を選びたくなると思いますが、
近年は働きながら介護をする人を助けてくれる制度が増えました。
それにより介護と仕事の両立が叶う選択肢、可能性は広がりつつあります…!
もし“介護を理由に”退職を考えている場合
この記事を読めば
介護と仕事を両立するための知識を得ることができ、
介護を理由に退職することなく仕事を続ける選択肢を得る
ことができるようになるはずです。
そのサポートを補助金コンシェルジュは行っています。
気になる人は最後までご覧ください。
5年に一度実施される総務省の「就業構造基本調査」で、家族の介護や看護のために仕事を辞める「介護離職」が1年間に9万9,000人に上ることが分かった。
過去1年間の離職者に占める割合は1.8%。うち男性は2万4,000人、女性は7万5,000人となっており、女性が約8割を占めている
↓以下は過去3回実施の調査データ比較
次回の調査は2022年の今年だが、増加傾向が予想される。
参考:保健指導リソースガイド
出典:平成 29 年就業構造基本調査結果 要約(PDF)
2.【事実】介護をしている50%以上の人が仕事と介護を両立している
①介護と仕事を両立している割合は女性よりも男性の方が高い?
結論から言うと、男性のほうが介護と仕事を両立している率=「有業率」が高いです。
介護をしている者について男女別の有業率は、男性は65.3%、女性は49.3%と女性よりも男性のほうが有業率が高い結果となっています。
夫婦間で介護をどちらかが担うとなった時に、一般的に収入が低い可能性が高い女性のほうが、仕事を辞めざるを得ないという状況が少なくないようです。
しかし、
介護をしている者の有業率の割合は、性別で比較をすると男性よりも女性のほう方が低いですが、女性の有業率は、5年前※の調査結果と比較すると女性の有業率は「70歳以上」を除いてすべての年代で上昇しています。※5年前=平成24年度調査
「女性の社会進出が進み、男女間の年収の差が縮まってきている」
などの理由が考えられますが、介護を担うイメージのある女性でも働きながら介護をすることができるようになってきているのです。
昔のような「介護は女性はやるもの」みたいな男女差別的な風潮は現代では減りつつあるね。
経営者の方は介護離職による人材不足も視野に入れなくていけませんね。
②介護をしている人の年齢別の有業率は40~50代が最も高い
介護をしている者の年齢別の有業率は、男性は55~59歳、女性は40~49歳が最も高くなっています。親の介護がおおよそ70~80代ぐらいで始まるということを考えると、40~50代はちょうどその子世代にあたる年代です。
40~50代は会社において上のポジションに就いている人も多いですが、そんな中でも介護と仕事を両立している人が多くいるということがわかります。
③介護するために離職したのに多い年代は…?
次のデータを見るとオレンジと紫色の50~69代の人が介護している割合が全体で見ると多いことがわかります。
まだ定年退職する前の年代の方も、介護により退職せざるを得ないケースが多いこともデータからわかると思います。
出典:https://wwwa.cao.go.jp/wlb/government/top/hyouka/report-18/h_pdf/s3-4-3.pdf
理由は、介護離職によるデメリットと共に次でご紹介いたしますね。
3.介護を理由に退職した場合に後悔すること3つ
①金銭的負担
介護は病院代など想像以上にお金がかかります。生活費も今までと同様にかかってくることを考えると、収入がなくても支出は増えていくという状況が続きます。
介護は将来がよめない分、収入がなくなるという状況は大きなリスクといえます。
「介護はごく稀に親御さんが以前のように元気になることもないわけではありませんが、大半は看取りによって終わります。
離職しても、介護をしている間は親御さんの年金や財産などで生活はできますが、看取った後は無職の自分だけが残ることになる。親が要介護になることから考えると、介護者は若くて40代、多くは50代以上が多い。
その年齢で以前のような給料がもらえる職に就くのは難しい。介護が終わった後、経済的に行き詰まってしまうケースは多いのです。長年勤めてきて、スキルも知識もある仕事を続けていたほうがいい。だから、辞めてはいけないと申し上げるんです」
参考:なぜ介護離職した人は”必ず後悔”するのか 親が死ねば年金は1円も入らない
でも介護が終わった後にすぐ復職できるかというと…?次で詳しく解説しますね。
②将来の負担(復職など)
総務省の調査(2018年6月公表)によれば、介護離職者のうち再就職できた人は43.8%で、半数以上が再就職できていません。
また、明治安田生活福祉研究所らの調査(2014年発表)によれば、介護離職後に再び正社員になれた人は男性が3人に1人、女性が5人に1人で、年収は男性が556万円から341万円、女性が350万円から175万円と大幅に減っています。介護離職をすると経済的にはかなり苦しくなるのです。
参考:総務省トップ > 広報・報道 > 報道資料一覧 > 介護施策に関する行政評価・監視 -高齢者を介護する家族介護者の負担軽減対策を中心として- <結果に基づく勧告>
今回の記事では書いていない側面である「介護専念者」のデータもあります。
2014年 「仕事と介護の両立と介護離職」に関する調査
出典:ホーム >調査研究・レポート >2014年「仕事と介護の両立と介護離職」に関する調査
③精神的負担
仮に退職時に多くの貯蓄があり、お金に余裕があったとしても、気持ち的に「このままのペースでお金が減っていって大丈夫だろうか。」という不安にかられることもあるでしょう。
復職できる割合も決してよくないこということが、上の調査データからわかります。
さらに、仕事をしていた時は会社の人など多くの人と関わりますが、退職をすると家族など関わりを持つ人が限られ、社会から孤立したような気持ちになってしまうことも考えられます。
それだけでなく介護疲れによる精神的負担が増え、介護うつなどになる危険性もあります。
次の章では、そうならないために有業者を救うための補助金の制度について学んでいこう!
4.介護離職させないためにやっておくこと
①従業員のお話に耳を傾ける
職場の上司や人事、就労規則を取り扱っている部署に相談できる体制を作りましょう。
そのような制度があっても従業員さんにまだ浸透してないことは多くあります。
従業員さんも細かいすべての福利厚生を把握している人は少ないと思います。
入社当時から更新されていることもあると思います。
日頃から相談しやすい体制とアナウンスを心がけましょう。
②補助金制度の活用をする
随時、介護離職させないための補助金情報が出てきます。
日々新しい補助金が出ますので、情報をこまめにチェックしましょう。
(1)新型コロナウイルス感染症 支援情報ナビ
(2)両立支援等助成金(PDF)
その部分をご参照ください。
5.概要
新型コロナウイルス感染症への対応として、介護のための有給の休暇制度を設け、家族の介護を行う労働者が休みやすい環境を整備した中小企業事業主を支援します。
対象者
<対象となる事業主の主な要件>
次の要件を満たす中小事業主が対象です。
1.介護のための有給休暇(新型コロナウイルス感染症対応)について、所定労働日を前提として20日以上取得できる制度およびその他就業と介護の両立に資する制度を設け、あらかじめ労働者に周知すること
2.新型コロナウイルス感染症の影響により対象家族の介護のために仕事を休まざるを得ない労働者が、1.の休暇を合計5日以上取得すること
3.対象労働者を休暇取得日から申請日までの間、雇用保険被保険者として継続雇用していること
次のような状況にある方が対象です。・介護が必要な家族が通常利用しているまたは利用しようとしている介護サービスが、新型コロナウイルス感染症による休業等により利用できなくなった・家族が通常利用しているまたは利用しようとしている介護サービスについて、新型コロナウイルス感染症への対応のため利用を控える・家族を通常介護している者が、新型コロナウイルス感染症の影響により家族を介護することができなくなった
※詳しくは、勤務先の事業場を管轄する都道府県労働局雇用環境・均等部(室)にお問い合わせください。
助成率・上限額
休暇の取得日数に応じて、上限5人まで、最大175万円を助成します。
<労働者1人あたりの助成額>
・休暇取得日数合計5日以上10日未満:20万円
・休暇取得日数合計10日以上:35万円
申請スケジュール
支給要件を満たした翌日から起算して2か月以内
※対象となる休暇の取得期間は、令和4年4月1日から令和5年3月31日までです。
※詳しくは、勤務先の事業場を管轄する都道府県労働局雇用環境・均等部(室)にお問い合わせください。
申請方法
以下のページをご覧ください。
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kodomo/shokuba_kosodate/ryouritsu01/index.html
問い合わせ先(送付先)
<勤務先の事業場を管轄する都道府県労働局雇用環境・均等部(室)>
以下のリンク先ページ(PDF)でご確認ください。
https://www.mhlw.go.jp/content/000823552.pdf
6.まとめ
今回は、両立支援等助成金 介護離職防止支援コース「新型コロナウイルス感染症対応特例」についてのご紹介をいたしました。
前半では今の日本の有業者の状況をいっしょに見ていき
最後に補助金の概要についてお話ししました。
もし今、
・介護が理由で仕事を辞めようか迷っている方
・介護離職による人材不足に悩まれている経営者の方
などは、今回の両立支援等助成金の使用を検討してみてください。