会社の未来を担っていく人材育成。
人材育成は、企業としても疎かにできない部分ですが、
近年では分かってはいるものの、なかなか手が回らない分野でした。
そこで今回は、人材教育に活用できる補助金をご紹介します!
人材育成に困っている方、補助金を活用してお得に人材育成を行いたい方は、
ぜひ参考にしてください!
補助金のお話は細かいし、難しくてわかりづらい用語も多いですよね!
そこで私が簡単な補足などをいれていきますね。
人材開発支援助成金
人材開発支援助成金とは・・・雇用する労働者のキャリア形成を効果的に促進するため、職務に関連した専門的な知識及び技能を修得させるための職業訓練等を計画に沿って実施したり、教育訓練休暇制度を適用した事業主等に対して助成する制度です。
出典:厚生労働省HP
【特定訓練コース】
労働生産性の向上に資する訓練、若年者に対する訓練など、効果が高い10時間以上の特定の訓練や、 OJTとOFF-JTを効果的に組み合わせた訓練として認定を受けた場合に助成されるコースです。
- 労働生産性向上訓練
- 若年人材育成訓練
- 熟練技能育成・継承訓練
- 認定実習併用職業訓練
助成額・助成率
経費助成 | 賃金助成(1人1時間あたり) | OJT実施助成(1人1コースあたり)※雇用型訓練のみ | |
OFF-JT | 45%〈60%〉 | 760円〈960円〉 | ー |
OJT | ー | ー | 20万円〈25万円〉 |
訓練開始日が属する会計年度の前年度から3年度後の会計年度の末日の翌日から5か月以内に割増し分の支給申請をした場合に、当該割増し分を追加で支給されます。
訓練の種類
特定訓練コースには、4つの訓練コースがあります。
下記のコースから当てはまっているコースを選択しましょう!
①労働生産性向上訓練
■OFF-JTにより実施される訓練であること
■実訓練時間数が10時間以上であること
■労働者に次の①から⑦までのいずれかの訓練等を受けさせること。
- 職業能力開発促進センター(ポリテクセンター)や職業能力開発大学校等で実施する高度職業訓練
- 中小企業等経営強化法において認定された事業分野別経営力向上推進機関が行う訓練
- 中小企業大学校が実施する訓練等
- 厚生労働大臣が指定した専門実践教育訓練または特定一般教育訓練
- ITSSレベル2となる訓練(実践的情報通信技術資格の取得のための訓練)
- 生産性向上人材育成支援センターが実施する訓練等
- 当該分野において労働生産性の向上に必要不可欠な専門性・特殊性が認められる技能に関する訓練
②若年人材育成訓練
訓練開始日において、申請事業主等の事業所の雇用保険被保険者となった日から5年を経過していない労働者であって、かつ35歳未満の若年労働者に対する訓練を実施した場合の助成メニューです。
■OFF-JTにより実施される訓練であること(事業内訓練または事業外訓練)
■実訓練時間数が10時間以上であること
③熟練技能育成・継承訓練
熟練技能者の指導力強化や技能承継のための訓練、認定職業訓練を受講した場合の助成メ
ニューです。
■OFF-JTにより実施される訓練であること(事業内訓練または事業外訓練)
■実訓練時間数が10時間以上であること
■次の①から③までのいずれかに当てはまる訓練であること
- 熟練技能者の指導力強化のための訓練
雇用している熟練技能者に対して、技能者育成のための指導力を強化する訓練 - 熟練技能者による技能承継のための訓練
雇用している労働者に対して、社内外の熟練技能者の指導により行う技能を
承継するための訓練 - 認定職業訓練
④認定実習併用職業訓練
事前に厚生労働大臣の認定を受けた実習併用職業訓練(認定実習併用職業訓練)を実施し、
ジョブ・カードによる職業能力の評価を実施した場合の助成メニューです。
対象者:
次の①から③までのいずれかに該当+15歳以上45歳未満の労働者
- 新たに雇い入れた者
(雇い入れ日から訓練開始日までが3か月以内である者に限る) - 大臣認定の申請前に既に雇用されている短時間等労働者であって、
引き続き、同一の事業主において、通常の労働者に転換した者
(通常の労働者への転換日から訓練開始日までが3か月以内である者に限る - 大臣認定の申請前に既に雇用する通常の労働者
(ただし、学校教育法に規定する大学、大学院または短期大学と連携して
実施されるOFF-JTを訓練実施期間を通じて訓練カリキュラムに組み込んだ
認定実習併用職業訓練に限る)
要件:
■OJTとOFF-JTを効果的に組み合わせて実施する訓練であること
■訓練実施期間が6か月以上2年以下であること
■総訓練時間数が1年当たりの時間数に換算して850時間以上であること
■総訓練時間数に占めるOJTの割合が2割以上8割以下であること
■訓練終了後にジョブ・カードにより職業能力の評価を実施すること
■上記対象者①のうち新規学卒予定者以外の者、②及び③の者は、キャリアコン
サルタントまたはジョブ・カード作成アドバイザーによるキャリアコンサルティングを受け、ジョブ・カードを交付されること
OJT:事業活動の中
パソコン操作(顧客への礼状の作成)、パーマ施術(お客様に施術)、調理(お客様用の料理)
OFF-JT:通常の業務区別
パソコン操作(練習文書の作成)、パーマ施術(ウィッグに施術)、調理(まかない用の料理)
【一般訓練コース】
職務に関連した知識・技能を習得させるための20時間以上のOFF-JT訓練を行った場合(特定訓練コースに該当するもの以外)に助成されるコースです。
助成額・助成率
経費助成 | 賃金助成(1人1時間あたり) | OJT実施助成(1人1コースあたり)※雇用型訓練のみ | |
OFF-JT | 30%〈45%〉 | 380円〈480円〉 | ー |
対象となる経費
事業内訓練:
- 部外の講師への謝金・手当
- 部外の講師の旅費
- 施設・設備の借上費
- 学科や実技の訓練等を行う場合に必要な教科書・教材の購入費
- 訓練コースの開発費
事業外訓練(事業主以外の者が企画し主催するもの):
受講に際して必要となる入学料・受講料・教科書代など
あらかじめ受講案内等で定めているものが対象です。
※国や都道府県から補助金を受けている施設が行う訓練の受講料や受講生の旅費等は対象外
支給限度額
経費助成限度額:
1人1年間職業能力開発計画あたりのOFF-JTにかかる経費助成の限度額は、
実訓練時間数に応じて下表のとおりです。
200時間以上100時間未満 | 100時間以上200時間未満 | 200時間以上 | |
特定訓練コース | 15万円 | 30万円 | 50万円 |
一般訓練コース | 7万円 | 15万円 | 20万円 |
賃金助成限度額(1人1訓練あたり):
特定訓練コース、一般訓練コース共に1,200時間が限度時間となります。
ただし認定職業訓練・専門実践教育訓練については1,600時間が限度時間となります。
支給に関する制限
■訓練等受講回数の制限
助成対象となる訓練等の受講回数の上限は、1労働者につき訓練実施計画届の「年間職業能力開発計画期間」内で、特定訓練コース・一般訓練コース合わせて3回まで
■1事業所・1事業主団体等の支給額の制限
1事業所または1事業主団体等が1年度に受給できる助成の限度額
特定訓練コースを含む場合 | 1,000万円 |
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一般訓練コースのみの場合 | 500万円 |
補助金活用例
実際に、どんな企業がどんな目的で補助金を活用したのか見て行きましょう!
例1:中小企業(電気工事業)
従業員数:10名
利用したコース:特定訓練コース(若年人材育成訓練)
育成のための課題
- 新卒者は資格を有していないため、資格取得のための知識技能を習得させる
- ベテラン社員の退職により有資格者が少なくなり、即戦力が必要に
訓練の実施
1人あたりの訓練費と支給額
受講コース | 第二種電気工事士研修 |
---|---|
訓練目標 | 第二種電気工事士資格取得 |
外部訓練機関の受講料 | 36,000円 |
OFF-JT訓練時間 | 18時間 |
支給額
<Off-JT>
経費助成:16,200円(受講料×45%)
賃金助成:13,600円(18h✕760円)
1人あたり支給額:29,800円
訓練の効果
- 電気工事の仕事では、電気工事士の資格が必要
- 講習を受講させることで即戦力となる人材の育成に役立て
- 今後は、第一種電気工事士資格取得のための研修も検討
例2:中小企業(福祉業)
従業員数:130名
利用したコース:一般訓練コース
育成のための課題
- 介護職員の離職を防止するため、段階ごとのスキルアップのための教育訓練が必要
- 人材不足や早期離職を防止するため人材育成を図り、人材確保につなげる
訓練の実施
1人あたりの訓練費と支給額
受講コース | 介護福祉士実務者研修 |
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訓練目標 | 介護福祉士国家資格の受験 |
外部訓練機関の受講料 | 97,200円 |
OFF-JT訓練時間 | 45.5時間 |
支給額
<Off-JT>
経費助成:29,100円(受講料×30%)
賃金助成:17,200円(45.5h✕380円)
1人あたり支給額:46,300円
訓練の効果
- 訓練受講の支援を積極的に行うことで職員が資格を取得しやすく
- それに伴って会社への愛着心の芽生え
- 定着率が高くなり離職を防ぐことに繋がった
- 介護事業に必要な安全衛生や、介護者を送迎するために必要な大型自動車免許資格取得のための訓練なども行いたい
最後に
今回は、人材育成に活用できる補助金について紹介いたしました。
企業の発展のためにも人材の育成は不可欠です。
補助金を活用して効果的な労働者のキャリアアップに繋げましょう!
ぜひこの機会に補助金の利用を検討してみませんか?