現在、新型コロナウィルスの感染拡大が収まらず、事業の見直しについて考えている経営者の方も、たくさんいらっしゃるかと思います。
そんなみなさんを助けるべく今年度もIT導入補助金の申請の受付が開始されました。
そのIT導入補助金についてまとめてみました。
補助金導入をお考えの経営者の方はぜひ読んでみてください。
助成金公式ページの情報だけだと、わかりづらい用語が多いですよね!
そこで私が公式ページから引用しつつ、簡単な補足などをいれていきますね。
IT導入補助金とは?
IT導入補助金は、中小企業や自営業の方々が売り上げを上げたり、業務効率化したりすることを目的としたITツール(システムやサービス等)を導入するため、経費の一部を負担する制度です。
経済産業省が実施しています。
それでは、対象となる中小企業、条件、交付金額について詳しくお伝えしていきます。
対象となる中小企業(個人事業主)の定義
対象者は、中小企業、小規模事業者等となっていますが、資本金や従業員数のどちらか一方の条件が満たされていれば対象となります。
※詳しくは交付申請の手引き(P.10)をご覧ください。
対象となる条件
他にも補助を受けられる条件があります。
まず1つ目に、交付申請時点で日本で登録されている個人または法人であり、国内で事業を行っていること。
2つ目に、申請者が営む事業がその地域の最低賃金以上であること。(申請の直近月)
最後に、gBizIDプライムを取得していること。
この「gBizID」とは、1つのアカウントで複数の行政サービスを利用できる、法人・個人事業主向けの認証システムです。
詳しくはこちらgBizIDホームページをご覧ください。
申請に必要なgBbizIDを取得する
IT導入補助金の申請は全てオンラインで行う必要があります。そこで、申請の手続きを行うためには行政サービスに利用可能な「gBbizIDプライムアカウント」の利用が必須です。
このID一つでIT導入補助金の申請だけでなく様々な行政サービスにログインできるようになるため、申請予定の有無に関わらず取得することをおすすめします。
gBizIDプライムアカウントID発行までは2~3週間ほどかかるため、早めのアカウントの取得をお勧めします。
【必要書類】
法人の場合:印鑑証明書(法務局発行のもの)
個人事業主の場合:印鑑登録証明書(市区町村発行のもの)
いくら交付されるの?
補助金額の上限額や補助率は、導入するITツールの特徴にもよります。
ITツールがもつ機能や数量により4つの申請区分に分けられています。
その枠について簡単に説明していきます。
A類型
補助金額が30~150万円、補助率が1/2となっており、申請に必要な業務プロセス数は1です。
B類型
補助金額は150~450万円、補助率が1/2となっており、申請に必要な業務プロセス数は4です
補助金額が大きい分、申請に必要なプロセス数の要件もA類型より厳しくなっており、「賃上げ目標」も満たさなければならない要件に入っています。
C類型(低感染リスク型ビジネス類型)
C類型はさらに1型と2型に分かれており、補助金額が1型は30~150万円。2型は300~450万円、補助率は2/3となっており、申請に必要な業務プロセス数は2です。
D類型(テレワーク型)
補助金額が30~150万円、補助率が2/3となっており、申請に必要な業務プロセス数は2です。
C,D類型は新型コロナウイルスに対応するために新設された特別枠です。「非対面化に関連するITツール」が対象となっています。補助率はA,B類型に比べ2/3と高くなっています。
申請区分の中に記載のある「業務プロセス」とは、ITツールの機能を導入することによって、特定の業務が効率化される工程を指します。分類としては下記のとおりです。
1.顧客対応・販売支援
2.決済・債権債務
3.調達・供給・在庫・物流
4.会計・財務・経営
5.総務・人事・給与・労務・教育訓練・法務・情シス
6.業種固有プロセス
7.汎用・自動化分析ツール
詳しくは、申請区分についてのページをご覧ください。
補助金申請の手続きについて
gBizIDプライムアカウントの取得SECURITY ACTIONの実施
前にも述べましたように補助金の交付申請にはアカウントが必要となります。発行までに2週間程度かかります。また、印鑑証明書の提出も必要となります。
またIPAが実施する、SECURITY ACTIONの宣言が必要となります。
この宣言は中小企業、自営業者のみなさんが情報セキュリティ対策に取り組むことを自己宣言する制度のことを言い、「1つ星」「2つ星」を宣言することを要件としています。
申請はSECURITY ACTIONの申請ホームページから行えます。
「IT導入支援事業者の選定」、「ITツールの選定」
自社の業種や事業規模に沿った、経営課題を解決するIT導入支援事業者やITツールを選定する。
認定されていない事業者のITツールを利用しても補助金交付の対象となりませんので、
普段、付き合いのある事業者が認定されているかどうか確認されることをお勧めします。
普段からお付き合いのあるITサポート事業者が無い場合、お付き合いのある事業者が補助金の対象外の場合には、公式ホームページで探すことができます。
補助金の情報発信している紹介サイトや、この「補助金のコンシェルジュ」でもご相談に乗りますので、ぜひご活用ください!
補助金のWeb申請
IT導入支援事業者と連携をとりながら交付申請の事業計画を策定していきます。申請の流れは以下のとおりです。
最初に、IT導入支援業者から「申請マイページ」の招待を受けます。
認定の専門家を通さない申請は行えないのでご注意ください!
次に、「申請マイページ」に会社の基本情報、申請に必要となる情報入力書類添付を行います。
3つ目に、IT導入支援事業者が申請者の入力した内容を確認し、導入するITツール情報等を入力します。
最後に、「申請マイページ」上で申請内容の最終確認をし、事務局へ提出します。
補助金の交付決定
事務局の審査を経て補助金交付の可否が決定されます。
補助金交付の可否は「メール」と「申請マイページ」を通じて申請者へ伝えられます。
採択結果がでるタイミングは1期、2期、3期などの各締切日から約1ヶ月程度かかります。
補助事業の実施
交付決定後に、契約・発注を行い業務システムの導入手続きを完了し、事業実施報告を実施します。
交付申請には、請求書の写し、振込の控えやネットバンキングの取引画面等が必要となります。
補助金の交付(受け取り)
事業実施報告書等の審査の結果、申請した内容にそって納品設置、支払いされたと認められれば、補助金が交付されます。
補助金額が確定すると、「申請マイページ」にて確認ができます。
その金額を確認した後に補助金が交付されます。
審査から補助金交付までには1~3ヶ月程度かかると言われています。
報告は速やかに行い、スムーズに補助金を受け取りましょう!!
事業実施効果報告
補助金受給後は、定められた期限内に、事業実施効果報告が必要となります。
2023年から2025年までの3回の報告が必要です!
この報告も「申請マイページ」より、IT導入支援事業者と連携して行いますので安心して報告作業が行えます。
基本的にはIT支援事業者と共同で申請作業を行いますので、安心して申請できます!
しっかりサポートを行ってもらいましょう。
採択されるための要件とポイントとは?
ここでは、補助金申請が採択されるために必要となる要件、さらには、採択されるためのポイントについてご説明いたします。
採択されるための要件
以下の要件を満たす3年の事業計画を策定し従業員に表明していることが、申請類型により申請の必須要件または加点項目になります。
・労働生産性の成長率が1年後3%以上、3年後9%以上
・給与支給総額を年率平均平均1.5%以上増加(B類型とC-2類型のみ必須)
・事業場内最低賃金を地域別最低賃金+30円以上(B類型とC-2類型のみ必須)
採択されるための5つのポイント!
まず1つ目に、申請はできるだけ早く行う
できるだけ早い申請回での申請を行うことで、交付申請が不採択になったとしても、次回の応募で内容を修正し、再申請することも可能です。
早めに申請を行いましょう。
2つ目に、申請書類の中のフリーテキスト欄(文字制限:255文字)でしっかりとアピールポイントを記載する
フリーテキスト欄は1か所しかありません。
「事業内容」「強み」をしっかりアピールし、「弱み」についてはITツール導入により克服できるという内容を入れる。さらに期待される効果も入れると良いです。
注意点として、事業の「強み」「弱み」が矛盾していないか、同じ内容になっていないかを確認する必要があります。
3つ目に、「ちゃんとした企業」であることのアピールをする
審査側から「実態がよくわからない、怪しい事業者」と判断されてしまっては元も子もありません。
交付申請にあるアンケート形式のチェック項目は、当てはまる内容で極力ポジティブな最良の選択肢で回答ができるようにする、またクリアできていない項目についてはこの機会に1つずつ改善していくことが大事です。
4つ目に、申請内容に不備を出さない
申請書類に誤った入力はないか、数値計画が要件を満たしているか、添付書類に間違いはないか確認してください。
会社の住所は謄本(履歴事項全部証明書)通り入力する方が安心です。
5つ目に、申請したITツールに見合う事業計画を
例えば、労働生産性を上げる為のITツールを入れる場合は、事業計画上の年間平均労働時間が年々減っていくことが望ましいでしょう。
最後に、申請書類の内容に今一度目を通し確認を!!
【まとめ】
これから事業のIT化が進み、テレワークも推奨され非対面での業務も増えていきます。
ITツールの導入を検討されている中小企業の経営者さま、自営業のみなさまが、このIT導入補助金制度を活用し、売り上げの上昇や業務の効率化を図れることを願います。
ぜひこの機会に補助金制度の活用を検討してみてはいかがでしょうか。