システム設計やソフトの開発など、新製品・新技術の開発は
莫大な資金が必要になります。
中には、アイディアはあっても資金が…。
という事業者の方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そこで、今回はそんな事業者の方にぴったりな
東京都の【新製品・新技術開発助成事業】をご紹介致します!
システム設計などのソフトウエア開発が対象の助成事業は少ないので、
該当の事業者の方は必見です!
補助金のお話は細かいし、難しくてわかりづらい用語も多いですよね!
新製品・新技術開発助成事業とは
新製品・新技術開発助成事業とは、実用化の見込みのある新製品・新技術の自社開発
を行う東京都の中小企業者等に対し、試作開発における経費の一部を助成する制度です。
申請要件
・中小企業(会社及び個人事業者)
・中小企業団体など
・複数の企業等で構成される中小企業グループ(共同申請)
・東京都内での創業を具体的に計画している者
詳細は、募集要項を確認してください!
対象になる研究開発
大きく3つの事業が対象になります。
①新製品・新技術の開発研究
②新たなソフトウェアの研究開発
③新たなサービス創出のための研究開発
一つずつみていきましょう!
新製品・新技術の研究開発
新しい機能を付加した製品や新しい製造技術に関するハード面の研究開発で、試作品の設計、製作、試験評価及び改良など
●研究開発の主要な部分が自社開発であること。
●開発した最終成果物の製品化及び実用化を目的とすること。
〇例えば…
・次世代照明機器の開発
・高性能計測器の開発
・高機能性塗料の開発
新たなソフトウェアの研究開発
システム設計等ソフト面の新たな研究開発で、データ処理装置・情報処理プログラム開発及び改良など
●研究開発の主要な部分が自社開発であること。
●開発した最終成果物の製品化及び実用化を目的とすること。
●特定の顧客(法人・個人)向けの開発ではないこと。
〇例えば…
・遠隔ロボット操作システムの開発
・無人店舗運営システムの開発
・ブロックチェーン型配車アプリの開発
※極めて小範囲の情報を収集、検索するもの、既存の知見をデータベース化したも
の、一品の受注生産的ソフトウエア開発のものは対象となりません。
ロボット・モビリティなど、ハードとソフトウェアのどちらにも
またがる場合も対象になります!
新たなサービス創出のための研究開発
新たなサービスの提供による生産性の向上、高付加価値化を目的として、サービス関連業等が外部の技術を活用して行う研究開発など
●新たなサービス創出の主要な部分(構想、企画、要求の定義等)は、申請者が
担うこと。
●新たなサービス創出の仕組みに(自社又は外注(委託)先に)技術開発要素を
含むこと。
●開発した最終成果物は申請者が自社利用し、新たな顧客サービスの提供によ
り新事業展開を図ることを目的とすること。
対象にならない事業例
対象にならない事業の一例もご紹介します!
●開業、運転資金など開発以外の経費の助成を目的としているもの
● 生産・量産用の機械装置・金型の導入等、設備投資を目的としているもの
● 開発した試作品自体の販売を目的としているもの
● 研究開発の主要な部分が自社開発ではないもの など
詳しくは募集要項4ページ
助成対象期間
令和4年9月1日~令和6年5月31日(最長1年9カ月)
※令和3年度募集までは申請年度の4月1日以降の経費が対象となりましたが、令和4
年度募集より申請年度の9月1日以降の経費が対象となります。
助成限度額・助成率
助成限度額:1,500万円
助成率:対象経費と認められる経費の1/2以内
対象経費
原材料・副資材費、機械装置・工具器具費、
委託・外注費、産業財産権出願・導入費、専門家指導費、直接人件費
スケジュール
申請締切は4月5日(火)の17時となっています!
申請開始が3月14日からとなっていますので、申請が始まってから
締切まで1ヶ月ありません。早めの準備をおすすめします!
①新規性:従来にない新しい開発など。
②優秀性:創造的、技術的、利便的に優れているなど。
③市場性:市場動向や販売見込みなど。
④実現性:開発における能力など。
⑤妥当性:事業計画と資金計画の整合性など。
意気込みはもちろん大事ですが、気持ちだけではなく
競合との比較や、根拠を明確にすることが重要になります!
申請の流れ
ステップ1 申請必要書類の用意
・申請書〔PDF〕(必須)
・ 補足説明資料〔PDF〕(任意)A4 用紙 30 ページ以内(企画書、仕様書、図面等)
・ 見積書の写し2社以上〔PDF〕(該当者)※市販品は価格表示のあるカタログ等可
※1件単価 100 万円(税抜)以上の機械装置・工具器具費購入、委託費計上の場合
・ 特許等公報の写し〔PDF〕(該当者)
ステップ2 申請をダウンロード
特設サイトから申請書をダウンロードします!
ステップ3 申請フォームから提出
3月14日以降、特設サイトの申請専用フォームから申請します!
新製品・新技術開発助成事業 活用事例
では、実際の活用例をみていきましょう!
株式会社ASTINA(令和元年度採択)
「半自動衣類採寸・副資材検査装置の開発」
開発の特徴
作業者が衣類を装置にセットするだけで、副資材である品質表示タグの検査と、各所採寸が可能となる。また、従来の衣類を広げた採寸では大きなスペースが必要になるが、本装置は省スペースでの採寸が可能となる。また、AIを使った採寸箇所の検出に加え、OCRを用いた脇ネームの文字認識を可能にする。
株式会社ラディウス・ファイブ(平成30年度採択)
「AIを用いたイラスト自動生成システムの開発」
開発の特徴
既存のイラストを学習し、新たなイラストを作り出すAIを作成する。Deep Learningの技術を利用し、人が手でイラストを書くよりも遥かに早いスピードでイラストを生成するAIを作成する。Deep LearningによるAIは、すでに世の中に存在するイラストをもとに学習を行い、現存するイラストとは異なる、新たなイラストを生成する。生成するイラストは、AIに入力する潜在情報を変えることによりコントロールが可能で、必要な条件に合ったイラストを生成することが可能となる。
キャスレーコンサルティング株式会社(平成28年度採択)
「画像鮮鋭化アプリケーション開発」
開発の特徴
純粋な数学的アルゴリズムによって、画像を鮮明化するため、ハードウェアに依存することなく、高い時間分解能を保持しながら、回析限界を超えて画像を鮮明化することができる。さらに、FPGA等の製品に応用が可能であり、光学系を用いるすべての機器(光学顕微鏡、デジタルカメラ全般、検査装置等)に適用できる汎用性がある。
株式会社ORPHE(平成30年採択)
「歩行データの記録が可能な靴及びデバイスの開発」
開発の特徴
靴内部のセンサデータから、着用者の歩容解析(歩幅、歩行速度、歩調など)および機械学習による行動推定(停止・歩行・走行状態、乗車物の状態など)が可能であり、また着用者にLEDや振動モーターによって情報をフィードバックすることや、BluetoothLEを通じて外部機器との通信も可能である。シューズ内部にセンサを設置したことで微細な足部の移動距離を算出できるなど足の動きに特化した行動推定は、スマートフォンやリストバンド型等と比べて特徴的である。
新製品・新技術開発助成事業 Q&A
最後に、新製品・新技術開発助成事業のよくある質問を
いくつかご紹介します!
少しでも疑問が解消されれば幸いです!
Q.達成目標が達成できなかった場合、途中までかかった経費は支払われるか
A.達成目標が達成されなかった場合は、それまでかかった経費は支払われません。助成事業の完了は、達成目標を達成することが条件になります。完了検査にて達成目標の達成と経費関係書類の確認が出来た場合に助成事業完了となります。
Q.レンタルサーバ代、クラウドサービス利用料は、対象経費になるのか
A.対象経費となります。助成事業のために利用する費用であって、助成対象期間内に発注または契約、取得、支払が発生した経費が対象です。機械装置・工具器具費に計上します。
Q.開発した試作品自体は、販売していいですか
A.試作品は、助成事業を完了した年度の翌年度から起算して5年経過する日まで保存義務がありますので、保存義務が終了するまでは販売できません。
Q.他の公的機関の助成金と同一テーマで重複して申請することは可能ですか
A.他の公的機関の助成金(ものづくり補助金等)とは、併願申請は可能です。しかし、同一テーマで他の公的機関と二重に助成金を受け取ることはできないため、両方採択された場合は、一方を辞退する必要があります。
Q.開発実施場所は、他県でもいいですか
A.「原則として東京都内」であり、「公社が購入物品・成果物等を確認できること」が要件です。
首都圏(東京都、埼玉県、千葉県、神奈川県、茨城県、栃木県、群馬県、山梨県)であればおおむね申請可能です。
その他Q&Aはこちらから
まとめ
今回は、『新製品・新技術開発助成事業』をご紹介しました!
開発はかなりの資金が必要です。
コロナ渦もあり、資金繰りが困難な事業者の方も多いかと
思いますので、最大1500万円が助成される
『新製品・新技術開発助成事業』を活用して開発にお役立てください。
申請は、3月14日からですが
スムーズに進めるためには、早めの準備が重要です!
申請が開始されたらすぐに申請できるよう、今から準備しましょう!
少しでも、不安がある場合は申請の前にお気軽にご相談ください!