新型コロナウイルス感染症の影響により、国内の企業や組織ではテレワーク導入が急速に普及しました。
一方で、テレワーク導入を検討していながらも、さまざまな事情で踏み切れずにいる企業が多いのも事実です。
小売業、建設業、卸売業などの業種では、
「テレワーク導入は難しい」
「そもそもどうやってテレワークを実施すればいいのか」
と考えている事業主も多いでしょう。
今回は、小売業、建設業、卸売業などの業種でのテレワーク導入方法、活用できる補助金について解説していきます!
テレワーク導入をためらっている都内中小企業の対象事業者は、ぜひこの記事を参考にしてください!
補助金のお話は細かいし、難しくてわかりづらい用語も多いですよね!
そこで私が簡単な補足などをいれていきますね。
都内中小企業におけるテレワーク実施率と業種別比較
2021年11月の東京23区において中小企業のテレワーク実施率は31.2%で、企業規模が小さいほど、テレワーク実施率が低いという結果が出ています。
また、業種別のテレワーク実施率は小売業が最も低く、次いで建設業や卸売業などが低い水準となっています。
これまでテレワークを一度も実施したことのない企業では、主な理由として以下の例を挙げています。
- テレワークに対応できる業務がない
- 社内コミュニケーションの低下
- 業務の生産性が低下する
そこで、テレワークを導入するとどんなメリットが得られるのか見ていきましょう。
企業にとってのメリット
・人材の確保や育成
・業務プロセスの革新
・事業運営コストのカット
・非常時における事業継続性(BCP)の確保
・企業内外の連携強化に基づく事業競争力向上
従業員にとってのメリット
・ワーク・ライフ・バランスの向上
・生産性向上
・自律又は自己管理的な働き方
・職場との連携強化
・仕事全体の満足度向上並びに労働意欲の向上
アパレル業界など小売業ではテレワーク導入は難しい?
アパレル業界を含む小売業では、実店舗がビジネスのメインであることが多く、顧客との対面接客による販売が主流です。
そのため、アパレル業界でのテレワーク導入は難しいと思う方もいるでしょう。
販売業務を実店舗からオンラインに置き換えるには、ハードルが高いんじゃないかな?
ですが、その他の業務については実店舗を介さずとも遂行可能です!
まだまだテレワーク導入の余地はあると言えます!
製品を生産してから販売に至るまでの流れを考えると、テレワークでも行える業務が見えてきます。
例えば、下記のようなものであれば、オンラインでも行えるでしょう。
- 製品を広めていくためのPR施策のアイデア出しから検討・決定
- チラシや広告の作成
- 新店舗の展開や既存店舗のリニューアルの設計の工程(3DやVRなどの技術を活用)
- 売り上げや在庫情報などのデータ分析や情報共有などの業務
もちろん、いきなり全社的にテレワークを導入するのは難しいでしょう。
テレワークでカバーできる業務を洗い出し、部分的に導入していくことが大切です。
テレワークを導入して生産性を上げるポイントは?
テレワークを導入するにあたり、「生産性が落ちる」と懸念されます。
そこで、テレワークを導入するにあたり、押さえておきたいポイントについて紹介していきます。
テレワークを行うメリット
- 通勤費、オフィスの備品費などの各種コストを削減できる
- 国や地方自治体からの助成金を受けられる
- 新型コロナウイルスの感染リスクを抑制できる
一方、テレワークを実践するうえでの課題として、
- コミュニケーションが不足しがちになる
- 会議が非効率になりやすい
- セキュリティ面が気にかかる
- 業務の進捗が把握しづらい
- データや情報の共有がしづらい
- オンとオフの切り替えが難しい
- 自宅の作業環境の整備
テレワークのメリットを享受し、効果的に導入するためには、これらの課題を克服することがポイントになります。
コミュニケーションや連携を便利にし、テレワークの生産性を上げるのに役立つツールをご紹介します。
ビジネス用チャットシステム
特にテレワーク実施時には、従来のメールや電話のみではコミュニケーションが不足しがちになります。
リアルタイムで双方向のコミュニケーションを行うツールがより一層必要になります。
そこで、チャットワークやSlack、LINE WORKSといったビジネス用のチャットシステムの利用を検討してはいかがでしょうか。
これらのツールでは、グループごとやテーマごとのスレッドを設けてコミュニケーションを簡単に行え、ビデオ通話なども可能です。
進捗状況などを参加メンバー全員が共有でき、オンラインでの会議から細かい連絡まで、便利に行えます。
また、リモートでは対面の場合と比較して、気軽なコミュニケーションが難しくなるため、雑談用のスレッドを設けるなどの工夫もお勧めです!
オンライン会議システム
対面での会議と比較して、特に情報共有をリアルタイムに行うのが難しくなります。
ZoomやSkypeを活用すれば、場所やデバイスを問わず会議に参加でき、会議中に画面の共有ができるのはもちろん、記録も残せる便利なツールです。
また、会議用のURLを共有するだけで開催できるため、社内会議だけでなく、外部向けにオンラインセミナーを行う際にも活用できるでしょう。
なお、オンライン飲み会としても利用されるなど、業務外のコミュニケーションを活性化させるために活用するケースも増えています。
ワークシート
オンラインでの作成・編集が可能なワークシートを通して、業務の進捗状況などを効率良く共有できるツールです。
Googleが提供するスプレッドシートが代表的な例です。
特に、複数人で共同作業を行う場合には、同じスプレッドシートを使ってほかのユーザーと同時に作業することもできるので、生産性が格段に上がります。
ファイル共有サービス
プロジェクトに関する資料や商品の資料、在庫情報など、複数人でファイルを連携したり編集したりするケースも多いでしょう。
GoogleドライブやDropboxなどを利用すれば、よりシームレスなデータを共有が可能になります。
テレワーク導入ハンズオン支援助成金とは?
テレワーク導入ハンズオン支援事業とは・・・
テレワークの導入が難しい業種の企業に対し、テレワーク業務の切り出しからテレワーク導入経費の助成までを伴走型で支援します。
参考▶︎東京都HP
事業対象企業
対象企業
テレワーク未導入の都内中堅・中小企業等
(常時雇用する労働者が2人以上999人以下の企業等)
主な対象業種
テレワークの導入が難しい業種
(建設業、運輸業、卸売・小売業等)
コンサルティング
申し込みをすると無料のコンサルティングが受けられます。
このコンサルティングを受けた企業等に対し、テレワーク導入にかかる経費を助成するのがテレワーク導入ハンズオン支援助成金という仕組みになっています。
企業ヒアリングを実施した企業の実情に応じて、最適のICTの専門家等が派遣され、
- 業務の洗い出し
- ツール選定
- 規程の整備
に関する提案等を行われます。
以下の2コースがあります。
導入トライアルコース(短期集中コース)
【最大5回】
対象 | 短期間で機器やツールに関する知識を身に付けテレワークを導入したい企業等 |
---|---|
内容 | テレワーク機器やツール体験のほか、機器等の導入を支援することでテレワークの早期導入を後押し |
生産性向上・業務改革コース(じっくり伴走コース)
【最大12回】
対象 | テレワークの導入により業務改善を行い、生産性の向上を目指す企業等 |
---|---|
内容 | 業務の見直しやテレワーク規程の整備など、コンサルティングを通じて、テレワークの導入から定着までを支援 |
助成金
コンサルティングを受けた企業等に対し、テレワーク導入に係る費用を助成します。
常時雇用する労働者数 | 助成金の上限 | 助成率 |
2人以上30人未満 | 150万円 | 3分の2 |
30人以上999人以下 | 250万円 | 2分の1 |
今回は東京都の補助金情報について紹介しましたが、
その他都道府県でも同様の補助金がある場合がございます!
補助金を活用して、テレワークの推進を図りたい事業主さまはお問合せください!
最後に
今回は、小売業、建設業、卸売業などの業種でのテレワーク導入方法、活用できる補助金について解説してきました。
テレワークが難しいとされる業種でも、
テレワークを導入できる業務はあります。
補助金を活用して、効率的にテレワークを実施を検討してみませんか。
ぜひ参考にしてください!
せっかく申請するなら、補助金・助成金を受け取りたいですよね!
しかし、申請には要件の確認や事業計画の策定、必要書類を揃えたりと
面倒なことや手間がかかることも多く、不安を感じる方も多いと思います。
そんなときは、諦める前にご相談下さい!
最後までお読みいただきありがとうございました!