かねてより原油価格高騰が続く中、近頃では高値圏で振れの大きい展開となっています。
日本国内においては、特に中小企業の経済活動が懸念されており、
価格高騰が長引くほど厳しい経営状況に追い込まれる企業者が増加する見込みとなっています。
そこで都内の中小企業者が活用すべきなのが、専門家の派遣+省エネ機器・コスト削減に寄与するシステム導入費用を支援する原油価格高騰等対策支援事業です。
今回は、企業の省エネ取り組みにおける効果と原油価格高騰等対策支援事業について解説していきます!
原油価格高騰によって経営に苦しんでいる都内対象事業者などは、
ぜひこの記事を参考にしてください!
補助金のお話は細かいし、難しくてわかりづらい用語も多いですよね!
そこで私が簡単な補足などをいれていきますね。
省エネの必要性
持続可能な社会を実現させることは私たちに課せられた責務です。
石油などの化石燃料を消費することで、二酸化炭素が発生し、これにより地球温暖化が急速に進んでいるのが現状です。
平均気温も年々上昇しており、南極や北極の氷河もどんどん溶けており海水面が上昇しています。
このまま地球温暖化が進むと・・・
- 近い将来に生態系が崩れてしまうかも
- 農作物なども育たなくなるものが出てくるかも
こうした影響でこれまで通りの生活ができなくなることを防ぐために「省エネ」が社会的に必要です。
企業が省エネに取り組むメリット
省エネを推進することは、企業の事業運営にとって様々な価値があります。
ここでは、企業が省エネに取り組むメリットを紹介していきます。
◇コストダウンにつながる
高効率設備の導入によってエネルギー消費量を削減でき、ランニングコストを抑えられることがあります。
また、自家消費型の太陽光発電設備を導入し、発電した電気を自社で使用すれば、電力会社からの電力購入費も削減可能です。
省エネを実施するにあたって初期投資が必要になりますが、
身近なところで考えると、
- 工場内の照明を消費電力の少ないLEDに交換エネルギーの使用料を可視化する機器を導入し消費を抑える
などが挙げられます。
◇企業価値の向上につながる
世界的にカーボンニュートラルが叫ばれるなか、省エネを推進し脱炭素化に貢献することは企業価値の向上につながります。
省エネ対策は、環境経営の取組内容・成果をホームページ・CSR・環境経営報告書で外部にアピールすることができます。
CSRとは・・・企業が組織活動を行うにあたって担う社会的責任のことで、社会的責任とは、従業員や消費者、投資者、環境などへの配慮から社会貢献までの幅広い内容に対して適切な意思決定を行う責任のことです。
各企業の特徴から担うべき責任、役割、そして影響力は異なるため、各社はそれぞれ課題を見つけCSRを自ら作り上げていきます。英語では「corporate social responsibility(企業の社会的責任)」といい、これの頭文字をとって「CSR」と呼びます!
CSRの観点からも企業価値を高めることができ、「あの企業は社会貢献している」というイメージアップにつながるでしょう!
その結果として営業活動や資金調達に効果を発揮します。
◇設備の安定稼働が見込める
設備の部分的な清掃や交換などのメンテナンスを行なうことも、省エネ対策の一つです。
定期的なメンテナンスによって設備への負荷を軽減できれば、省エネのみならず、設備を長持ちさせたり、安定稼働させたりすることにもつながるでしょう。
企業でできる省エネの取り組み
では、企業が実施できる省エネの取り組みにはどのようなものがあるでしょうか。
電気・空調・照明にわけた対応を確認してみましょう。
電気
投資を伴わない電力のコスト削減は
- エレベータを使用せずできるだけ階段を使用する
- OA機器のスリープモード、省エネモードの活用
- 生産ラインの適切な運用管理
一方、投資は必要ですが、
- 太陽光発電(自家消費)の導入
- 電力の見える化装置の導入
などは、省エネ効果のわかりやすい取り組みになります。
電力の見える化装置とは使用している電力をシステムによって視覚化する装置です。
非効率な電力消費を見つけ節電対策を行うことができます。
空調
投資を伴わない、または投資費用を抑えた取り組みには、
- リモコンの設定温度を季節に合わせて明記する
- 作業場を間仕切り必要な場所にだけ空調を行う
- サーキュレーターで室内空気を動かす
- 省エネモード、スケジュール運転など空調の自動制御機能の実施
などが挙げられます。
また、投資は必要ですが、
- 高効率の空調設備の導入
- 高機能換気設備の導入
- EMS、デマンドコントロールの導入
- 散水装置の設置
などは、省エネ効果のわかりやすい空調への取り組みです。
古い空調機は経年劣化により効率が低下しています。
更新、もしくは各種制御装置を導入することにより省エネ効果を得ることができるでしょう。
また、換気扇などの一般換気から高機能換気(全熱交換機)へ更新することにより、省エネと感染症対策の両立が可能となります。
照明
投資を伴わない、または投資費用を抑えた取り組みには、
- 空室・不在時のこまめな消灯
- 電球の間引き
などがあります。
投資は必要ですが、
- LED照明工事
- 人感センサーの設置
などは、省エネ効果のわかりやすい照明への取り組みです。
LEDへ更新することで、従来型の照明設備に比べて50~80%の削減につながるとされています。
衣料販売店では、LEDに交換したことで、電力消費量を全体で約30%削減することができた。
それ以外にも下記の効果を得られた。
- LEDは紫外線の発生を防ぎ、虫を寄せ付けなく清潔な売り場を保つことができ、展示品の劣化を防ぐことができた。
- コストのみならず、CO2削除義務・目標にも貢献。
- 長寿命のため、交換作業が困難な箇所には助かっている。
- LEDに変えたことで、店内が明るくなり、お客さまが店の奥まで入ってくれるように!→その影響から店内ディスプレイを変更するなど相乗効果を得られた。
- その結果、売上が昨年比20%もアップ
原油価格高騰等対策支援事業
これまでの原油価格上昇等やウクライナ情勢などにより原油価格高騰等の影響が長引く中、中小企業における経営状況の更なる悪化が懸念されています。
このような状況を踏まえて、
これまでの省エネ機器やコスト削減に資するシステム導入等に加え、事業所等における断熱性向上に向けた取組も新たな支援メニューに追加され、専門家グループの派遣や助成金による緊急対策事業です。
対象者
次の要件をすべて満たすことが必要です。
- 東京都内の中小企業者(個人事業主を含む)
- 直近決算期の売上高が前期又は前々期の決算期と比較して減少している or 直近決算期において損失を計上していること。
支援内容
1.専門家派遣
原油価格の高騰等により経営に影響を受けている事業者の申込に応じて専門家が訪問し、現地調査や助言等が実施されます。
・専門家派遣費用:無料
2.助成金支援
専門家派遣を受けた事業者を対象に、省エネルギー機器やコスト削減に資するシステム導入等の経費が助成されます。
助成限度額:
100万円(200万円)
助 成 率:
助成対象経費の2分の1以内
助成期間:
交付決定日から1年
助成対象経費:
省エネルギー機器導入コース:
LED照明機器、高効率冷蔵冷凍庫、高効率空調設備、EMS(エネルギーマネジメントステム)など
コスト削減コース:
会計ソフト、受発注ソフト、決済ソフト等の業務改善ソフトなど
断熱改修コース:
断熱塗装、遮熱シート、断熱フィルムなど
最後に
省エネ対策をすることで、コスト削減できるのみならず、
売上アップに繋がったり、会社としてのイメージアップにも繋がります。
省エネ対策に悩んでいる事業者の方や、原油価格の高騰などに悩まれている方は、
この機会に補助金の利用を検討してみませんか?
ぜひ参考にしてください!