「経営の調子があまりよくない」
「経営の調子を取り戻すにはどうしたらいいか分からない」
など悩みを抱えている経営者も多いのではないでしょうか。
そんな時に役立つのが、ローカルベンチマーク・ロカベンです!
今回は、ロカベンについて解説していきます!
ロカベンを活用して、自社の現状を把握し、早期の課題解決に役立てましょう!
ぜひ参考にして下さい!
補助金のお話は細かいし、難しくてわかりづらい用語も多いですよね!
そこで私が簡単な補足などをいれていきますね。
ローカルベンチマークとは?
ローカルベンチマーク(ロカベン)とは・・・経済産業省が作成・公開している、企業の健康診断ツールです。企業の健康状態、経営状態をチェックすることができます。
ロカベンは、財務パートと非財務パートという2つのパートから構成されています。
財務パート
直近3ヵ年の決算情報を入力すると、
- 売上持続性
- 収益性
- 生産性
- 健全性
- 効率性
- 安全性
上記の6つの指標で、自社と業種平均を比較することができます。
この結果から、
「他社と比べて財務のどの部分が強いのか、弱いのか」
「なぜ、このような状況になっているのか」を考えて、課題発見につなげていきます。
非財務パート
非財務パートでは、
- 業務フロー(業務の流れ)
- 商流(取引の流れ)
- 4つの視点(内部環境・外部環境)
という上記3つの切り口から自社の現状を把握→今まで気づいていなかった自社の魅力や強み・課題を見つけていきます。
非財務パート
ロカベンでの非財務パートについて詳しく見ていきましょう!
業務フロー:自社の強みや魅力を発見しよう
自社の業務の流れについて整理しながら、差別化ポイント(自社のこだわりや工夫)を発見することが、主な目的となります。
①業務の流れを、5つのプロセスに分ける
業務の流れ(ビジネスの仕組み)を整理するために、
自社の製品・商品・サービスがお客様に提供されるまでのプロセスを5つの段階に分けます。
業務プロセスの分け方は、企業の業種・業態によって異なってきますので、下記の業種別業務フローを参考にしながら、自社のプロセスを分解していきましょう!
▶︎業種別業務フローの例
出典:ミラサポplus
②プロセスごとに差別化ポイントを見つける
1つ1つの業務プロセスの差別化ポイントを考えていきましょう。
それぞれの業務プロセスで、自社のこだわりや工夫などを記載していきます。
「自社の強みを発見し、魅力を発掘すること」が最大の目的です!
↓そして
「自社は何のために存在しているのか?」
を業務の流れから明らかにしていきましょう!
商流:なぜ、その仕入先?なぜ、顧客から選ばれている?
商流とは・・・取引の流れのことです。
自社のビジネスがどのような取引関係から成立しているかを把握しましょう!
①なぜ、その仕入先・協力先なのか?
まずは、自社が仕入先や協力先をどんな理由から選んでいるか考えてみましょう。
- 価格が安い
- 短納期な
- 品質が良い
- 独自の技術(サービス)がある
など様々な理由があるでしょう。
②なぜ、顧客から選ばれているのか?
仕入先(協力先)とは逆の視点から、なぜ得意先(消費者)から選ばれているのかについても考えていきましょう。
- 顧客のニーズに合致している
- 販売方法に強みがある
- 顧客の囲い込みができている
様々な理由が考えられます。
また、業務フローの差別化ポイントが、得意先・消費者に伝わっているかについても考えてみましょう!
4つの視点:様々な観点から企業の現状を整理する
経営者、事業、企業を取り巻く環境・関係者、内部管理体制という4つの視点から企業の現状を整理していきます。
①経営者
中小企業・小規模企業の場合はとくに、経営者が企業に与える影響は大きくなりがちです。
経営者の視点では、
- どのような経営理念やビジョンを持っているか
- どのような事業展開をしていきたいか
- 後継者の育成についてはどう考えているか
について考えていきます。
②事業
事業の視点では、自社がどのような仕組みで、どのように利益を挙げているのかを記載していきます。
- 自社の強みと弱みがどこにあるかを明確にする
- IT化の取り組みについて考える
③企業を取り巻く環境・関係者
- 市場環境
- 販売先や取引先企業
- 取引金融機関
- 従業員
- 自社の外部環境
- ステークホルダー
について整理します。
また、
- 市場規模
- シェア
- 競合の動向
- 取引先・顧客との関係
- 従業員の満足度
などについて考えていきましょう!
④内部管理体制
内部管理体制の視点では、組織がどの程度整っているかについて考えていきます。
- 品質管理、情報管理体制は整っているか
- 事業計画・経営計画が従業員と共有されているか
- 商品・サービスの開発体制
- 人材育成の取り組みはどうなっているか
などを記載していきます。
ロカベンの効果
ロカベンを活用することでどんな効果があったのか見ていきましょう!
協力先を改めて見直したことで、付加価値の高い商品を提供できるように
→営業利益率が上がった
経営企画を作成し、将来のビジョンを見える化することで
→社内の団結力が上がった
事業を見直して、自社の商品をもっと提供し続けたいと気付き、事業を継承することにした!
部署間での交流が活発になり、従業員がいろいろな問題を自分ごととして捉えるようになった!
事業計画の必要性
次に、事業計画の作成はなぜ必要なのか。
作成するべき理由を見ていきましょう。
1つ目:事業運営において必要な行動を自ら明確にする
事業を運営するにあたり、必要な行動を明確にすることは不可欠でしょう。
- そもそもどのような事業でなにがしたいのか
- どういう方向をめざすのか
- 予算はどのくらいか
- 売上や利益はどのくらい見込めるのか
などは事業計画を作成しなければ分かりません。
書面に記して一度アウトプットすることで、自分の考えを客観的に可視化でき、課題や強みが明確になります。
課題や強みを可視化
→解決すべき課題の優先順位が明らかに
→自社の強みを理解できる
→意思決定の早い、効果的な経営戦略を実行できるように
2つ目:他人に計画を理解してもらい必要な支援を得る
事業は自分一人で達成できるものではありません。
多くの関係者のサポートが必要になることは珍しくありません。
資金繰りには銀行や投資家からの融資・支援が不可欠ですし、経営者なら会社が目指す目標に対して社員の共感を得ることも大事です。
特に資金を出す側はリスクを伴うため、出した資金が回収できるのかを検討するためにも事業計画が必要になってきます。
事業計画書を作成することで、
金融機関や投資家に
「その事業に将来性がある」や「財務的に問題がない」と示し
融資の実行につなげることが必要になります!
そのため事業計画書によって事業の実現性、将来性を評価されます!
計画書の作成はより重要になってきます!
また、会社にとっては事業計画書は、社員と共有すべきヴィジョンにもなります。
ヴィジョンが明確化されることで、
→全員が目指すべきことを理解+協力しやすい環境ができます。
3つ目:運営開始後の問題点を分析し軌道修正する
念入りに計画を立てても、実際に動き出したら思ったように上手く事業が進まないケースは少なくありません。
トラブルや不都合があったとき、問題点を客観的に分析し、修正するプロセスが必要になります。
当初の計画のどこに不備があったのかを客観的に見直すためにも、事業計画を作成しておかなければならないのです。
未体験の事柄に取り組む創業者にとっては、計画書がなければ行き当たりばったりの経営に陥ってしまい、方向性が正しいのかなど、解決すべき問題を見失ってしまいます。
事業計画書は成功までのレールのようなものです!
最後に
今回は、ロカベンについて解説してきました。
自社の現状を把握・課題を発見することは企業を経営していく上で重要なことです。
会社の健康診断を定期的に行い、事業計画書を作成し、
これから補助金・助成金を受け取れる体制づくりをしてみませんか?
経営に悩みを抱えている経営者さまはぜひ参考にしてください!