日本では、2050年カーボンニュートラルの実現に向け
住宅の脱炭素化を推進するため、ZEH要件を満たした
脱炭素化住宅であるLCCM住宅の整備を進めています。
しかし、どうしても初期費用が高くなってしまうため
顧客の予算の関係などから普及がスムーズに進んでいないのが現状です。
そこで今回は、ZEH・LCCM住宅とはなにかと
LCCM住宅に活用できる補助金
【LCCM住宅整備推進事業】をご紹介したいと思います。
建設関係の方は、ぜひご参考になさってください。
補助金のお話は細かいし、難しくてわかりづらい用語も多いですよね!
そこで私が簡単な補足などをいれていきますね。
ZEHとは
ZEHとは、net Zero Energy Houseの略で
省エネと創エネを組み合わせてエネルギー消費量を
0にする住宅のことです!
消費するエネルギー -(省エネ+創エネ)=0
ZEH要件
ZEH要件は4つあり、全てに適合した住宅のことです!
① 強化外皮基準
② 基準一次エネルギー消費量を20%以上削減
③ 再生可能エネルギー導入
④ ①~③により基準一次エネルギー消費量から100%削減
①強化外皮基準
それぞれの地域ごとに設定されている外皮性能(断熱性能)基準を満たしていること
全ての地域において省エネ基準より高い水準の性能が要求されています。
参考:YKKAPホームページ
②基準一次エネルギー消費量を20%以上削減
基準一次エネルギー消費量が省エネ基準よりも20%以上削減できること
自然などから生み出される大本のエネルギーのことで
発電所で一次エネルギーを使って、各家庭に送られる電気・ガスなどの
エネルギーは二次エネルギーになります。
③再生可能エネルギー導入
再生可能エネルギーを必ず導入する
再生可能エネルギーは7つの種類があります。
(1)太陽光(2)風力(3)水力(4)地熱(5)太陽熱
(6)大気中・自然界に存在する熱(7)バイオマス
④基準一次エネルギー消費量から100%削減
①~③を通してエネルギー消費量を0にすること
LCCM住宅とは
次に、LCCM住宅について説明します!
LCCM住宅とは、ライフサイクルカーボンマイナス住宅の略で
住宅の建設時~居住~廃棄までの一生涯
つまり住宅のライフサイクルトータルで
CO2の収支をマイナスにする住宅のことです。
LCC住宅のメリット
LCC住宅のメリットは大きく3つあります!
①光熱費を抑えられる
②快適に暮らせる
③社会貢献につながる
一つずつ見ていきましょう!
光熱費を抑えられる
LCCM住宅ではエネルギー消費量を最小限にするため
光熱費を抑えることができるのはもちろん
高気密・高断熱設計により一般的な住宅に比べて
UA値が下がるため、冷暖房の消費量も削減することができます!
数十年も住み続けることを考えると、毎月の光熱費が抑えられるのは
住む人にとっても大きなメリットと言えます。
住宅の中から外へ、屋根や壁、床を通じて
どれだけの熱量が逃げているのかわかる数値で
地域ごとの基準を満たすことが条件になっています!
快適に暮らせる
LCCM住宅は高気密・高断熱なので
夏は涼しく冬は暖かい快適な暮らしが実現可能です。
暮らしやすい気温に保つことは
体へのストレス軽減につながり、住む人の健康維持にも役立ちます。
社会貢献につながる
LCCM住宅には日本の自然や林業を守るという
社会貢献につながる側面もあります。
また、企業のイメージアップ、優秀な人材の確保にもつながり
住む人だけではなく企業にとってもメリットは大きいです。
なぜゼロエネルギーが重要なのか
では、なぜこんなに省エネ・ゼロエネルギーが
推進されているのでしょうか。
近年、地球温暖や気候変動が問題になっていますが
その大きな要因が、二酸化炭素をはじめとする温室効果ガスの排出量の増加です。
このまま気候変動や地球温暖化が進むと、以下のような影響が考えられます。
・作物の不作
・海や陸の生態系の破壊
・自然災害の増加
これらの影響をできるだけ小さくするためにも
省エネルギー・ゼロエネルギーが必要とされています。
また、エネルギーの安定供給確保の面においても、省エネルギーは重要です。
石油などの有限エネルギーはいつまで使い続けられるかはわかりません。
しかし、現代で暮らしていくためにはエネルギーの使用が欠かせません。
そのためエネルギーを効率よく使う省エネルギー・ゼロエネルギーが必要になります!
LCCM住宅整備推進事業
ここまでZEH、LCCM住宅についてみてきましたが
冒頭でもお伝えした通り、普及目標が達成できていない
企業もあるのが現状で、その理由の多くは顧客の予算となっています。
そこで、LCCM住宅に活用できる補助金
【LCCM住宅整備推進事業】をご紹介致します!
補助限度額
140万円/戸
補助率
・設計費
・建設工事等における補助対象工事の掛かり増し費用
の合計額の1/2
補助要件
・ZEHの要件を満たすこと
・再生可能エネルギーを除き、一次エネルギー消費量が
現行の省エネ基準値から25%削減されているもの
・ライフサイクル全体のCO2排出量が0以下となること
※建設、居住、修繕・更新・解体の各段階を通じたCO2排出量が
太陽光発電によるCO2削減量を下回ることを、指定のツールを用いて評価
まとめ
今回は、ZEH、LCCM住宅とはなにかと
【LCCM住宅整備推進事業】をご紹介しました!
LCCM住宅はメリットがたくさんありますが
初期導入費用の高さから、普及がスムーズに進んでいないのが現状です。
LCCM住宅設備推進事業を活用すれば
140万円/戸
設計費・補助対象工事の掛かり増し費用の
合計額の1/2
が補助されるため、初期費用の高さから悩んでいたお客様も
LCCM住宅を選択しやすくなるかと思います。
ぜひ提案してみてはいかがでしょうか。