建設業界はここ数年、東京オリンピックに関係する建設事業に恵まれ
「建築バブル」といわれるほどの好調でした。
東京オリンピックが終わり、新型コロナウイルスの影響がいまだ続く中
建設業界はどのような状況になっているのでしょうか?
今回は建設業の現状と課題、課題解決への対策などを解説します。
建設業の方は必見の補助金情報もご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
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補助金のお話は細かいし、難しくてわかりづらい用語も多いですよね!
そこで私が簡単な補足などをいれていきますね。
建設業界の現状
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ここ数年の日本の建設業界は右肩上がりの成長をとげました。
高層ビルやタワーマンションなどの都市開発や
東京オリンピック関係の工事需要が増えたこともあり
「建築バブル」と呼ばれるほどの好景気です。
ところが、2020年は新型コロナウイルスの流行により
工事の中止や作業工程の変更などによるコスト増といった影響を受けてしまいました。
しかし建設需要自体は衰えてはいません。
なぜかというと、新型コロナウイルスが落ち着いた後の
観光業の盛り上がりを見据え、観光施設などの新築や
リニューアルなどが予想されるからです!
さらに、2025年には大阪万博、2027年にはリニア新幹線開業も控えており
建設業の需要はまだまだ豊富にあります。
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しかし、今後さらに需要が増えると考えられる建設業界には現在抱えている大きな課題があります。
建設業界が抱える課題
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建設業界は大きな課題を2つ抱えています。
①深刻な人材不足
②過酷な労働環境
それぞれ詳しく解説します。
深刻な人材不足
需要が増えているので工事件数はどんどん増加しています。
それに対して、肝心の働き手が常に不足している状態が続いています。
国土交通省の発表によると、建設業に従事する人数は1997年以降年々減っていて
さらに建設業者全体の約34%を55歳以上が占めている状態です。
これはつまり、新たに建設業界に入ってくる若い世代が減っているということになります!
このまま建設業界で働く人が減っていくと
2025年時点では技能労働者数が47万人~93万人も不足するともいわれています。
過酷な労働環境
・長時間労働で大変
・4週4休勤務などで休日が少ない
・大変な仕事なのに給与水準が低い
建設業はこのようなイメージを持たれる傾向にあり
新たな若い世代の担い手が増えずらい原因にもなっています。
建設業界全体でIT導入が遅れており
業務効率が悪いことも人手不足につながっていると考えられます。
建設業界が抱える慢性的な人材不足を解決するためには
労働環境や給与水準の改善だけでなく、IT化による業務効率化も必要となってきます。
人材不足の解決策
出典:CCUSについて
建設業界の人材不足の解決や処遇改善に一役買ってくれるもので
CCUS(建設キャリアアップシステム)というものがあります。
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登録・蓄積し技能者が適正な評価を受けたり建設事業者の
業務負担を減らすために役立てるための仕組みです。
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CCUSの概要
まず、建設事業者は称号や現場名・工事内容などを
技能者は本人情報や保有資格・社会保険加入状況などをCCUSのシステムに登録します。
その後、技能者には個人用のカード(キャリアアップカード)が発行され
現場で作業するときに個人カードをICカードリーダーに読み取らせます。
これにより就業履歴を記録することができます。
技能者の資格や就業履歴は「個々のキャリア」としてデータ化され
システムに蓄積されます。
蓄積された個々のキャリアデータに対して客観的な基準を設け
技術者の適正な評価に活かそうというものです。
CCUSのメリット
CCUSを導入すると、次のようなことが可能になります。
・技能者のスキルやキャリアをわかりやすく「見える化」できる
・技能者のスキルアップが確実に給与などの評価につながる環境を整備できる
・ICカードによる勤怠管理の明確化、スキルやキャリアの見える化による
採用業務の効率化
CCUS導入の課題
人材不足や業務効率化にとても便利なCCUSですが、導入するとなると費用がかかります。
5年に1度の更新のたびに登録料を支払う必要があるのですが
6,000円から240万円と非常に幅があります。
事業規模の大きい事業者であればあるほど費用の負担は大きくなります。
また、登録料以外にも管理者ID利用料(年間11,400円)や
利用頻度に応じて支払う費用などもあります。
そこで「CCUSを導入しようと検討はしているが、費用がかかってしまうのがちょっと…」
と考えている建設業事業主の方へおすすめの
【建設キャリアアップシステム等普及促進コース】という助成金をご紹介します!
人材確保等支援助成金【建設キャリアアップシステム等普及促進コース】
![](https://sakura-tt.net/wp-content/uploads/2022/12/httpswww.ccus_.jp_.png)
建設労働者の新規雇用促進や処遇改善のため
CCUS(建設キャリアアップシステム)などを普及・促進させるための助成金です。
助成金の対象事業
・CCUS等登録促進事業
事業者登録料、レベル判定手数料、見える化手数料を補助する事業
・CCUS等登録手続支援事業
事業者登録や技能者登録、レベル判定、見える化評価の申請手続きに関する支援を実施する事業
・CCUS就業履歴蓄積促進事業
建設現場で就業履歴を蓄積するカードリーダーなどの各種機器や専用アプリなどのソフトウェア等の導入について支援を行う事業
事業者の要件
次の要件を全て満たす建設事業主団体(任意団体も可)
・構成員の数が10以上であって、労働者の総数が50人以上であること
・建設事業主の割合が50%以上であること
・雇用保険に加入している建設事業主が50%以上のものであること
助成率・助成上限額
助成率
・中小建設事業主団体(※)・・・・2/3
・上記以外の建設事業主団体・・・1/2
(※)建設事業主団体であって、その構成員である建設事業主のうちに占める
中小建設事業主の割合が2/3以上の団体
助成上限額
①の事業内容を合計した1団体における事業年度(4/1~3/31)の上限額
・全国団体 :3,000万円
・都道府県団体:2,000万円
・地域団体 :1,000万円
まとめ
![](https://sakura-tt.net/wp-content/uploads/2022/12/httpswww.ccus_.jp-1.png)
近年の建設業界は「建築バブル」と呼ばれるほど、右肩上がりの成長を続けています。
しかし建設需要が増えるのとは反対に、業界全体で慢性的な人材不足や
労働環境などの処遇改善の必要性という課題を抱えています。
これらの課題を解決する方法の1つとして
建設キャリアアップシステム(CCUS)を導入することが挙げられます!
CCUSを導入すると以下のメリットが得られます。
・正当な給与や処遇を受けることができる
・スキルアップの目標、計画が設定しやすくなる
・業務負担が軽減できる
またCCUS導入と運用のためには費用がかかりますが、
その費用の一部を助成してくれる建設キャリアアップシステム等普及促進コース
という助成金があります。
この助成金を上手に利用してCCUSなどを普及させることで
スキルやキャリアが正当に評価される体制を作り
若い世代が働きやすい労働環境に改革し
人材不足に困らない建設業界へと変えることができるでしょう。