ヒートアイランド現象と対策(緑化)
今回は、緑化推進の取り組みを対象とする
緑化を伴うヒートアイランド対策に関する助成事業
についてご紹介いたします。
緑化デザインにはさまざまなメリットがあります。
しかし、実際に得られる効果や事例について詳しくわからない方も多いと思います。
最近SDGsという言葉がかなり浸透してきていますよね。
街中、TVや雑誌、SNSでもかなり目にしますが、
例えば日本の消費者が商品を購入する際、
「SDGsを取り入れている商品」かどうかも判断材料の1つで、
SDGsは重要な判断要素になりつつあります。
出典:日本の消費者の約8割がサステイナブル製品への購買意欲が高い ただし実購買へは至らず【ベイン調査】
ヒートアイランド現象とは?その原因
ヒートアイランド現象ってなに?
ヒートアイランド現象とは、郊外に比べ、都市部ほど気温が高くなる現象のことです。
東京では、過去100年間の間に、約3℃気温が上昇しました。
中小規模の都市の平均気温上昇が約1℃であるのに比べて、大きな上昇です。
これは、地球温暖化の影響もありますが、ヒートアイランド現象による影響も大きいとされております。
原因その① 緑地や水面の減少
都心部では、畑や田んぼなどの緑地が減少し、都内を流れていた河川なども埋め立てられたり、地中化されたりしました。
緑は、水を吸収し、晴れて気温が高くなると、地面や空気の熱を奪って水を蒸発させます。また、河川の水も蒸発する際に、空気の熱を奪います。
よって、緑地や水面が減ってしまうと、地面や空気の熱が奪われずに、熱がこもったままになってしまいます。
原因その② アスファルトやコンクリートに覆われた地面の増大
都心部の地面のほとんどは、アスファルトの道路や、コンクリートでできた建物に覆われています。
アスファルトやコンクリートは熱をため込み、なかなか冷めません。
真夏に、アスファルトの道路を触って、やけどをしそうになるくらい熱くなっているのを体験した人も多いと思います。
原因その③ 自動車や建物などから出される熱(排熱)の増大
自動車からの排気やエアコンの室外機から出される空気は、夏場はとても近くに立っていられないほど熱くなっています。
都内を走行する自動車や、家庭やオフィスで使用されるエアコンの台数は増え続け、東京の夏はますます暑くなっています。
原因その④ ビルの密集による風通しの悪化
ビルなどの建物が密集すると、風の道がさえぎられ、風通しが悪くなり、熱が都市部にこもったままになってしまいます。同じ気温でも、風があると体感温度はぐっと涼しくなります。
企業が緑化に取り組むメリット5選
メリット① 環境への効果がある
緑化は、環境への効果があります。
植物はCO2を吸収します。
CO2を吸収することで、地球温暖化の防止や、ヒートアイランド現象の緩和につながります。
特に都市部ではCO2の排出量が多いため、植物が多いほどCO2を削減します。
また、植物にはCO2以外にも、二酸化窒素、粒子状汚染物質などの大気汚染物質を浄化する機能があります。
そのため、大気汚染が多い都市部に壁面緑化や屋上緑化は必要な活動となります。
メリット② 利用者の憩いの場となる
屋上緑化をすると、利用者の憩いの場になります。
屋上緑化のデザインは決まった形がないため、植物を植えるだけでなくベンチを設置するなども可能です。
自然あふれる空間を散策する、体を休めるなど利用者の意向に合わせた空間を作れます。
メリット③ 花もデザインできる
緑だけでなく、花もデザインできます。
花を設置することで季節の移ろいも感じられます。
飽きのこないデザインとなるため、利用者の心に彩りを与えます。
また、生花ではなく造花も選択肢の1つとして検討できます。
メリット④ 集客力がアップする
緑化がもたらす効果として「癒し」があるため、訪れた利用者に対しても利用しやすい空間となります。
緑がある場所は「癒される・リラックスする・心が落ち着く」などの心理効果があるからです。
建築物がそのままの状態よりも緑で覆うことで、また来たくなる場所へなるでしょう。
都市部でも壁面緑化・屋上緑化など、緑が多くある場所では、自然のパワーで癒されますよ。
メリット⑤ 企業への効果もある
建築物の緑化は環境へのメリットばかりではなく、企業にとっても良いことがあります。
他の建築物と差別化ができ、植物が象徴となるため、宣伝効果にもなります。
さらに、都市部で気軽に緑を感じられる過ごしやすい場所があると、集客の増加にもつながります。
心地よい空間であるため「また来たい」「家族や友人を連れてきたい」と考える利用者も増え、リピーターになってくれる可能性が高まるでしょう。
緑化を伴うヒートアイランド対策に関する助成事業の概要
自然環境(緑・水・大気)の破壊が急速に進んでいる現代、環境悪化の防止と再生を目指して緑化を推進することにより、ヒートアイランド対策の一環となることを目的とする。
対象の事業・地域
(1) 助成対象者
助成対象者は、日本国内に所在する法人、地域活動団体。
(2) 助成対象事業
- 申請者が、①屋上、②建物の外壁面、③駐車場、④空地、⑤プランター等で行う新たな緑化事業で、樹木、芝、多年草等を植栽するもの。
- 事業は2023年7月1日~2024年3月15日の間に実施・完了するものであること。ただし、播種、育苗等の緑化準備については、2023年4月1日以降に開始することを妨げない。
- 事業用地は、申請者が所有または管理する土地、あるいは所有者との間で使用の合意が得られている土地であること。
- 事業に対し同様の助成を他から受けていないこと、あるいは受ける予定がないこと。
(3) 助成対象地・施設
- 事業地が、日本国内の都市部またはその周辺地であること。
- 事業対象地および施設が法令、条例に違反していないこと。
- 屋上緑化においては、当該建築物の耐久性、安全性が確保できること。
(4) 助成対象規模
新たに緑化を行う面積の合計が、原則として30㎡以上であること。
ただし、地植えをしないプランター等に係るものについては15㎡以上であること。
(5) 助成対象費用
新たな緑化を行うのに必要な、次の工事費用の合計額とする。
※植栽の維持管理費や事業実施に伴う運営費等は除く。
- 本工事費 植栽に必要な費用、植栽基盤に必要な費用、かん水設備の整備費用
- 付帯工事費 施設整備に伴い設置する安全施設等、必要最小限度の付帯工事費用等
(6) 維持管理
助成事業が完了した後も良好な維持管理を行い、少なくとも3年間は植栽の撤去、移植等を行わないこと。
(7) 表示板の設置
助成事業者は、事業地内の見やすい場所に「高原環境財団助成事業」により整備されたことを示す表示板を設置すること。
(8) 報告書の提出
助成事業が完了した次年度から3年間は、当該年度内に施設の維持管理状況等について報告書(写真添付)を提出する。
助成金額
- 助成対象費用の額、または250万円のいずれか少ない額。(1件当たり)
- 予算額 1,700万円
申請方法
(1) 交付の申請
申請者は、助成金交付申請書、事業計画書、添付書類を作成
財団に郵送により提出する。
審査項目
申請者から提出された申請書類一式および必要に応じて行われるヒアリングや現地調査の結果に基づき、以下の事項を基準として選考委員会で審査し、事業の採択を行う。
① | 事業の目的が、緑化の推進によるヒートアイランド対策への貢献という、本助成事業の目的に適している。 |
② | 事業の規模や費用、完成後の維持管理計画が適切である。 |
③ | 事業地が都市部にあり、事業の実施が周辺の環境や景観に良い影響をもたらす。 |
④ | 事業の確実性が高く、申請者の熱意、斬新なアイデアや地域普及性が認められ、将来への発展が期待できる。 |
⑤ | 申請者が前年度に本助成を受けている場合には、事業内容が前年度より優れており、連続して助成するに相応しいと認められる。 |
募集期間
2023年5月11日(木)まで(必着)
問い合わせ先(送付先)
公益財団法人 高原環境財団
〒108-007 東京都港区高輪3-25-23 京急第2ビル11階
Tel:03-3449-8684 Fax:03-5420-3418
※Fax は、業務委託先 (株)ユービーエス宛
E-mail:mail@takahara-env.or.jp
URL:http://www.takahara-env.or.jp/
申請書類は郵送とし、締切日必着とする。
まとめ
今回は、緑化推進の取り組みが対象の
緑化を伴うヒートアイランド対策に関する助成事業
についてご紹介いたしました。
最近SDGsという言葉がかなり浸透してきており
日本の消費者が商品を購入する際に
「SDGsを取り入れている商品」かどうかも判断材料の1つになっているなど
企業が緑化に取り組むことのメリットもお伝えしました。
メリットしかないこの助成金
気になった方はぜひご利用ください!
せっかく申請するなら助成金を受け取りたいですよね!
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少しでも不安がある方は、ぜひご相談ください!
最後までお読みいただきありがとうございました!