「新型コロナウイルスの大流行によりインバウンド需要が減少した」
「インバウンド事業者が苦境に立たされている」
といったニュースを目にした方は多いのではないでしょうか。
今回は、インバウンドにおける課題やインバウンドのメリットについて解説していきます。
インバウンドで活用できる補助金制度も紹介するので、
この機会にぜひ利用を検討してみませんか?
※東京都の補助金情報になります。
インバウンドの課題
コロナウィルスの影響により、インバウンド需要が減っておりました。
徐々に受け入れを再開しているものの、回復とはほど遠い状況にあります。
2022年6月以降、訪日観光客の受け入れが再開されたましたが、集客は以前、低調のままです。
集客が低調な理由として、
- 煩雑な入国手続きが課される
- ガイド付きの団体旅行以外は認められない
- 旅行中、厳しい行動規制が求められる
の3点が挙げられます。
他方で、現状インバウンド受け入れ態勢は万全ではありません。
そのため、性急な規制緩和によって一挙にインバウンドが増加すると、将来に禍根を残す可能性が考えられます。
受け入れ態勢の問題点としては、下記が挙げられます。
- 飲食・宿泊など観光関連業種の人手不足・多言語対応可能な人材の確保が難しい。
- 観光地の住民心理:コロナで強まった外国人への抵抗感が解消されないなか、住民と観光客との間にトラブルが頻発した場合、日本国の観光の発展に負の影響を及ぼす恐れがある。
インバウンドのメリット・デメリット
インバウンド増加によるメリット
インバウンドが増加することによるメリットについて、より具体的に見ていきましょう。
観光客の消費支出より経済的恩恵が得られる
観光客による消費支出がもたらす経済的恩恵が大きなメリットと言えるでしょう。
2012年に1兆円だったインバウンド消費支出は、コロナ前の2019年には5兆円近くに達しました。
宿泊・飲食が全体の半分を占めますが、最も大きいのは土産などのショッピング需要で全体の1/3以上を占めています。
人口の減少と長引く経済低迷の影響で国内消費が落ち込み気味にある中で、経済界とくに国内消費に頼る小売・宿泊業や地域経済がインバウンド効果に抱く期待は大きいといえます。
地方活性化につながる
インバウンドがもたらす効果は直接的な経済活性だけでなく、間接的な経済活性も生みます。
インバウンドで訪日外国人観光客が多く訪れれば、さまざまな働き手が必要となります。
これにより、地方での雇用創出に繋がります。
訪日外国人観光客が訪れれば訪れるほど、地方の労働人口の増加につながります。
また、訪日外国人観光客は日本の伝統文化を体験し、体験を広めてくれることで、海外で日本の伝統文化が評価されるでしょう。
それは、日本国内での機運も高まることにも繋がります。
訪日外国人観光客のニーズをしっかりとらえようと試行錯誤し、新たに産業の活性化へと繋げましょう
インバウンドが増加によるデメリットや課題
インバウンド増加によりもたらさられるのは、メリットだけではありません。
次に、インバウンド増加によるデメリットについて解説していきます。
インバウンドは外部環境の影響を受けやすい
インバウンドは、新型コロナウィルスの影響で壊滅的な影響を受けました。
このように、インバウンド動向に影響を与えるのはパンデミックだけではありません。
中国に匹敵していた韓国からのインバウンド客数は、2019年に3188万人と前年対比で微増にとどまりました。
これは徴用工訴訟と半導体素材輸出管理問題に絡んだ日韓関係悪化の影響を受けたことが原因とされています。
日韓関係に限らず、海外からの観光客動向は相手国の政情不安や外交関係の影響を受けやすいです。
世界各地で問題化するオーバーツーリズム
他にもデメリットとして、観光インフラのキャパシティを超えて海外から観光客が押し寄せ、さまざまな軋轢を引き起こす、いわゆるオーバーツーリズム問題があります。具体的にはスペインのバルセロナやイタリアのベニスなど、世界各地の有名観光地で深刻化していました。
程度の差はありますが、同じ状況は古都鎌倉や京都でも顕在化しています。
オーバーツーリズム・・・特定の観光地において、訪問客の著しい増加等により、地域住民の生活や自然環境・景観等に対して受忍限度を超える負の影響をもたらしたり、観光客の満足度を著しく低下させたりするような状況。
インバウンド対策を成功させるためのポイント
次に、インバウンド対策を成功させる2つのポイントを解説していきます。
訪日客に受けるポイントや魅力を明確にする
訪日外国人観光客のニーズをとらえることはとても大事なことです。
ニーズがないモノやサービスにお金や時間をかけるのは無駄になってしまいます。
北海道のニセコの事例:
- パウダースノーで有名なニセコ
- 北海道民からすればパウダースノーは当たり前という認識。
↓しかし
- 外国人にはニセコのパウダースノーは魅力的に感じるポイントに。
ニセコ地区はこのニーズをうまくキャッチし、見事に観光業を成功させている。
また、ニセコ地区の「公用語」は英語のため、訪日客が訪れやすい環境が十分に整えられています。
訪日客の満足度を上げればおのずとリピート率も上がります。
また訪れた外国人がその魅力をSNSで拡散してくれれば、より多くのインバウンド需要にもつながるでしょう!
魅力あふれるコンテンツを相手に届くようにする
もう1つのインバウンド対策で成功するポイントは魅力を正確に伝えることです。
いくら魅力があふれていても、外国人に伝わらなければ意味がないです。
インターネットで情報を集めることは一般的でですが、サイトの言語が日本語だけだと外国人が情報を得ることは難しいと言えます。
まずはサイトの多言語化から取り組むと良いでしょう。
SNSでも同様に、海外向けのアカウントを作成すると良いでしょう。
言葉だけでなく視覚的に魅力の伝わる写真や動画を多く取り入れることも効果的です!
また、日本ではまだまだキャッシュ文化が根強いですが、海外ではキャッシュレスが進んでいます。
クレジットカードが一般的とされていますが、他にも電子マネーやスマートフォン決済など多様な決済サービスを充実させることは訪日客の満足度アップにつながるでしょう。
令和4年度第2次補正予算「面的地域価値の向上・消費創出事業」
コロナ禍による来街者ニーズの多様化や円安メリットを活かしたインバウンドの回復等が期待されています。
商店街等が自らの魅力・地域資源等を用いて実施する滞留・交流空間整備や消費創出事業等を支援します。
その際、地域活性化等の知見を有する専門家が伴走し、事業実施中における定期的な効果測定及びそれに基づくアドバイス等を重ねることで、地域の面的な「稼ぐ力」の向上に繋げます。
参考▶︎中小企業庁HP
補助事業の概要
(1)専門家による伴走支援
専門家が事業効果等を定期的に確認しながら面的に伴走支援
(2)消費創出事業
回遊促進事業、体験事業、交流事業、ブランディング、情報発信強化 など
(3)滞留・交流空間整備事業
空き地・空き店舗の利活用、店舗等の機能転換、歩道等の利活用、景観整備(統一化) など
※(1)及び(2)が事業計画に含まれていることが必須要件となります。
補助率・補助額
補助金額・補助率は下記のとおりです。
補助金額 | 上限額3,000万円、下限額200万円 |
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補助率 | 2/3 |
補助対象者
対象者は下記の通りです。
- 商店街等組織
- 民間事業者と商店街等組織の連携体
最後に
今回は、インバウンドにおける課題やメリット、そしてインバウンド事業に役立つ補助金について紹介してきました。
コロナウィルスの影響などによりインバウンド需要は急激に落ち込みました。
だんだんとインバウンド需要を回復してきている今、
補助金を活用して、訪日観光客の受け入れ態勢を整えてみませんか?
ぜひ参考にしてください!