【地方企業必見】UIJターンを活用する意味とは?
UIJターンをご存知ですか?
ワーキングスタイルやライフスタイルの多様化、介護問題、子育て環境の見直しなどを背景に、
自分の生まれ故郷や、大都市以外で働きたいという
Uターン・Iターン・Jターン(以降UIJターン)での
転職希望者が増加傾向にあります。
また、慢性的な人手不足の解消手段として、
さらには、経験豊富で優秀な人材の採用方法として、
地方企業がこういったUIJターンでの転職者をターゲットに
採用活動を実施するケースも増えてまいりました。
この記事でわかること
- UIJターンとはなにか?
- 採用するメリット
- 成功させるためのポイント
- 中途採用等支援助成金(UIJターンコース)の概要
など
UIJターンとは?
Uターン…地方で生まれ育った人が都市の企業に就職し、その後、生まれ育った故郷に転職すること。
Iターン…都心に生まれ育ち、都市の企業に就職した人が、その後地方の企業に転職すること。
Jターン…地方出身者が都市の企業に就職し、その後、生まれ育った故郷近くの地方大都市圏や中規模な都市の企業に転職すること。
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UIJターンとはなにか?
現在、こんな人が増えてきています。
- 自由な働き方を求める人
- 子育て環境のよさを求める人
- 都会の喧騒から離れたいという人
なかでも注目されているのが地方に移住して働くUIJターンです。
東京在住者の約4割が地方移住への興味を示しているとの結果も出ています。
出典:内閣官房調査『東京圏在住者の約半数が、地方圏での暮らしに関心あり』(PDF)
地方で働くUIJターンには、
求職者にとってのメリットだけでなく、採用側が期待できるメリットも多数あります。
次の章では
Uターン・Jターン・Iターンそれぞれの特徴や
採用側のメリット・デメリットについてもご紹介します。
Uターン・Jターン・Iターンの特徴例
Uターン例
地方都市で生まれ育った人が進学や就職を機に都市部へ移住したのち、再び地方へ戻って就職することです。
■Uターン例
- 0~18歳:新潟県で高校まで過ごす
- 18~29歳:東京都の大学に進学、現地で就職する
- 29歳~:新潟県の企業に転職・移住する
Iターン例
都市部で生まれ育った人が出身地ではない地方へ移住・就職することです。
■Iターン例
- 0~22歳:東京都で大学まで過ごす
- 22歳~:山梨県の企業に就職・移住する
Jターン例
地方で生まれ育った人が、進学や就職を機に都市部へ移住したのち、故郷に近い地方の都市へ移住・就職することです。
■Jターン例
- 0~18歳:長野県で高校まで過ごす
- 18~31歳:東京都の企業に就職・移住する
- 31歳~:富山県の企業に転職・移住する
希望者の声・よくある求めるもの 5選
①田舎暮らしの憧れ
スローライフを求める人にとっては、田舎暮らしならではの自然などは魅力的です。
またこれから社会進出する世代である「Z世代」は、多様な価値観を持っているので、Iターンのような働き方を望む人も多いです。
②都会暮らしに馴染めない
幼少期からずっと地方で育ってきた人にとっては、生活文化の大きく異なる都会で毎日暮らすだけでもストレスになることがあります。
また、方言が使いにくい都会では、自分の思うようなコミュニケーションができないと感じて、地元へのUターンやJターンを検討する人も多いようです。
③親に介護が必要
親の介護も、UターンやJターンをする人に多いです。
核家族化や少子高齢化の進む最近の日本では、介護をするために地元に戻る人も多く見られます。
また、実家が代々続く会社などを経営している人は、経営の引継ぎのためにUターンする方も多いです。
④子供を良い環境で育てるため
自然豊富な地方都市で子供をのびのび育てたい、という若い夫婦が最近増えています。
また、共働きする夫婦にも多いのが、
子どもの保育園への預け入れや医療費自己負担といった制度などのメリットに惹かれて移住するケースもあります。
採用するメリット
①人材確保
UIJターン人材は、一度都市部やそのほかの土地で実際に働いた経験を持ちます。これにより、地元民に比べて地方の魅力を客観的に捉えやすいことが特徴です。
また、Uターン人材の場合は地元に貢献したいという意志を持って戻ってくる人も多いほか、家族や知人がいる土地での生活で安心感を持って働けることから、早期離職を防ぎ定着を見込めることも企業側のメリットです。
②社内に活気を与えられる
UIJターン人材には、都市部での仕事や生活に疲れを感じて地方へ移住する人のほかに、地元や地方へ移住して社会貢献することを目的としている人もいます。
都市部での経験を持つ人材が仲間に加わることで、社内にほどよい緊張感や活気が生まれ、地方企業の業務マンネリ化の打破につなげることが期待できます。
③新しい発想やスキルを取り入れられる
他企業との交流が少ない地方企業が都市部にある企業の技術や文化、考え方を取り入れることは容易ではありません。
しかし、UIJターン人材を採用すれば、都市部で培った発想やスキルを取り入れることが可能です。
また、人材によっては都市部で築き上げた人脈やネットワークを生かして都市部にある企業との架け橋となってくれる可能性もあります。
④通勤がひとによってラクになる
都心で出社の場合は、満員電車に乗ることを強いられることもありますよね。
地方だと車社会の所が多いので、満員電車などから逃れて交通機関は分散される傾向にあります。
都心で出社の仕事(在宅はできない職種)などに就いている人はメリットに感じるかもしれません。
⑤補助金を利用できる・社会的信用
求職者に対して枠を設けることで、求職者が助かるだけでなく、
その地方にも働き手が増えるなどのメリットがあるUIJターン採用。
補助金を利用できることに加えて、社会的にも信用価値を上げられます。
採用するデメリット
①収入減少の可能性が高い
一般的に、都市部の企業と比較すると、地方の企業で得られる収入は少なくなります。
中小企業庁の『第2部 中小企業・小規模事業者のさらなる飛躍』によると、UIJターンを伴う転職者の過半数は収入が減少したと回答しています。
収入の減額というデメリットを補うために、福利厚生や支援体制を整えることが大切です。
出典:中小企業庁『第2部 中小企業・小規模事業者のさらなる飛躍
②選考プロセスを負担に感じられることがある
UIJターン人材を採用する際、自社で面接を行う場合、求職者に地方へ足を運んでもらわなければなりません。
移動や宿泊に費やす時間やコストを考えて、選考プロセスを負担に感じる求職者もいます。
選考プロセスの負担によって求職者が応募を敬遠するのを避けるために、Web会議ツールを活用した選考方法を採用することも一つの手段です。
③魅力的と感じてもらえる環境づくりが必要
自社や地元の魅力だけでなく、求職者に「ここで働きたい」と思ってもらえる環境づくりも欠かせません。
UIJターン人材のうち、特に地元とは異なる土地へ移住・転職するIターン・Jターンの人は不安を感じやすいといえます。
求職者の目線に立ち、地方企業で働くうえでの不安要素を把握し、それらに対するサポート体制を整える必要があります。
UIJターン人材にできるだけ早く地元での生活を確立して自社に貢献してもらえるよう、オフィス環境や移住に伴う手続きのサポートなどを行うことをアピールして求職者に魅力を伝えましょう。
また、自社だけではUIJターン人材を思うように募集できないとお悩みの場合は、人材紹介サービスを活用するのも一つの方法です。
中途採用等支援助成金の(UIJターンコース)概要
出典:中途採用等支援助成金(UIJターンコース)のご案内(PDF)
目的
東京圏から地方への移住者を採用した場合に、その移住者の採用活動に要した経費(就職説明会の実施や募集・採用パンフレットの作成など)を事業主に助成するもので、UIJターン促進を目的としています。
支給条件
受給するためには、次の要件を満たすことが必要です。
1.採用活動に係る計画書を事業所の所在地を管轄する労働局に提出し、労働局長の認定を受けていること
2.計画書に定めた計画期間(※1)内に、次の(1)~(4)の採用活動を行っていること
(1)募集・採用パンフレット等の作成・印刷
(2)自社ホームページ・自社PR 動画の作成・改修
(3)就職説明会・面接会・出張面接等(オンラインによるものを含みます)
(4)外部専門家(社会保険労務士、中小企業診断士、民間有料職業紹介事業者等)によるコンサルティング
(令和2年4月1日以降に提出された計画書に基づく経費のみが対象となります。)
※1 6か月以上12か月以内の範囲で設定する期間をいいます。計画期間の始期は、計画書を提出した日の翌日から3か月以内の範囲で設定します。
支給額
助成率 | 上限 | |
中小企業 | 1/2 | 100万円 |
中小企業以外 | 1/3 | 100万円 |
申請方法
令和5年6月26日より中途採用等支援助成金(UIJターンコース)も電子申請の受付を開始しました。
問い合わせ先(支給申請窓口)
まとめ
今回はUIJターン採用についてご紹介しました。
ワーキングスタイルやライフスタイルの多様化、介護問題、子育て環境の見直しなどを背景に、
自分の生まれ故郷や、大都市以外で働きたいという
転職希望者が増加傾向にあります。
地方で人員不足の問題などを抱えている人は
ぜひ国の支援を賢く受けつつ
採用枠を増やして人員確保に繋げてみてはいかがでしょうか?
せっかく申請するなら助成金を受け取りたいですよね!
申請したいけど、申請の仕方がわからない…
書類の書き方が不安…
自分が該当しているのか自信がない…
少しでも不安がある方は、ぜひご相談ください!
最後までお読みいただきありがとうございました!