デジタル分野やグリーン分野の成長は必須でしょう。
しかし、デジタル分野・グリーン分野の人手は不足しており、人材育成が不可欠です。
今回は成長分野における人材不足の現状と人材不足の対策方法と活用できる助成金制度を解説していきます!
ぜひ参考にしてください!
補助金のお話は細かいし、難しくてわかりづらい用語も多いですよね!
そこで私が簡単な補足などをいれていきますね。
成長分野(デジタル分野、グリーン分野)の人材不足の現状
まずは、デジタル分野・グリーン分野における人材不足の現状について解説していきます!
デジタル分野での現状
AIやIoTなど、インターネットを介したサービスの拡大に伴い、IT業界の市場は急成長を遂げています。
その提供されるサービスに比例して、必要とされるエンジニアも多くなり、人材不足が加速しています。
既存システムの見直しをして、DX(デジタルトランスフォーメーション)を実現しようにも、人手が足りなければ進みません。
では、具体的にどのくらい人材が不足する見込みなのでしょうか。
独立行政法人情報処理推進機構(IPA)社会基盤センターのIT人材白書2019によると、
IT企業によるIT人材の不足感は、
2016年:75.5%
2018年:92%にも及んでいます。
今後2030年までに、IT人材の需要はどう変化していくのでしょうか。
経済産業省委託事業の調査によると、もっとも悪い場合で79万人、中間の場合でも45万人が不足すると予測されています。
環境分野での現状
地域脱炭素の実現に向け、地方公共団体及び企業においては、人材の不足が深刻となっています。
こうした現状等を受け、
「新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画」では・・・
GXにおいては、「人への投資が不可欠」と明記
種々の政府方針等において脱炭素化を推進するための人材の育成・確保に向けた具体的取組方針が掲げられています。
企業がIT人材不足に備える対策方法
効率化、自動化による必要人員の削減
AIアプリケーションの活用は、人手不足への備えになります。
例えば・・・
情報システム部門に頻繁に寄せられる質問や相談の内容がデータベースにあれば、AIチャットボットを社内WikiやFAQポータルなどに実装することで、対応稼働の人的負荷が軽減できます。
現状の業務のうち、
- 本当にIT人材で対応すべき業務はどれなのか
- ツール活用で自動化できる作業の有無
などを精査してみることが効率化の第一歩です。
アウトソーシングの活用
ITに関連したすべての業務を社内人員だけで対応する必要はありません。
外部に任せられる業務と社内に残すべき業務の整理も検討すべきでしょう。
特定求職者雇用開発助成金を活用する
特定求職者雇用開発助成金は、支給要件を満たしていれば原則返済の必要のない資金を全員が受給できる制度です。
デジタル分野・グリーン分野での人材不足を解消できるでしょう!
特定求職者雇用開発助成金の4つのメリット
今章では、特定求職者雇用開発助成金を活用することのメリットについて解説していきます!
①原則返済不要の資金を調達できる
特定求職者雇用開発助成金を活用すると、原則返済不要のお金を受け取ることができます。
また、受給した助成金は「雑収入」の扱いとなり、使用用途は企業が自由に決めることができます。
資金繰りに悩む事業主にとって、大きなメリットとなるでしょう!
②支給要件を満たせば受給できる
本助成金は通年募集されており、支給要件を満たせば誰でも必ず受給することができます。
③労働法の理解が深まる
支給要件を満たすためには、労働法の理解が必要不可欠です。
雇用契約書や賃金台帳、出勤簿の提出が求められるため、必然的に自社の労務管理の見直しが必要となります。
副次効果として、
- 労働環境の改善は既存社員のモチベーションアップ
- 雇用の安定
などにも繋がるでしょう!
④人手不足を解消できる
諸条件により就職が困難な求職者であっても、高年齢者であれば豊富な職務経験があるなど、優秀な人材は多く存在します。
企業の人手不足の解消を、実質的に低コストで行え、即戦力となる人材を雇用できる点がメリットです。
特定求職者雇用開発助成金(成長分野等人材確保・育成コース)
就職が困難な方(未経験職種への就職を希望する方)を「採用」し「訓練」を行い「賃金引上げ」を実現すると以下の助成が受けられます。
※「訓練」や「賃金引上げ」が行われない場合は、通常のコースの助成金が支給されます。
対象労働者
就職が困難な方が対象です。
特定就職困難者コース | ・60歳以上の方 ・身体障害者 ・知的障害者 ・精神障害者 ・母子家庭の母等 ・父子家庭の父 ・ウクライナ避難民 など |
---|---|
発達障害者・難治性疾患患者雇用開発コース | ・発達障害者 ・難治性疾患患者 |
就職氷河期世代 安定雇用実現コース |
・就職氷河期世代で不安定な雇用を繰り返す者 |
生活保護受給者等 雇用開発コース |
・生活保護受給者 ・生活困窮者 |
- 採用日時点の満年齢が「65歳未満」の方のみ対象となります。ただし、「高年齢者(60歳以上」は65歳以上の方も助成対象です。
- 「就職氷河期世代不安定雇用者」は、 1968年4月2日から1988年4月1日生まれの方が助成対象です。
助成額
助成額は下記の通りです。
採用する労働者 | 合計助成額 | 支払い方法 |
母子家庭の母 高年齢者(60歳以上) 生活保護受給者等 など |
90万円(75万円) 短時間:60万円(45万円) | 45万円(37.5万円)×2期 短時間:30万円(22.5万円)×2期 |
就職氷河期世代不安定雇用者 | 90万円(75万円) | 45万円(37.5万円)×2期 |
身体・知的障害者 発達障害者、難治性疾患患者 |
180万円(75万円) 短時間:120万円(45万円) |
45万円×4期(37.5万円×2期) 短時間:30万円×4期(22.5万円×2期) |
重度障害者、45歳以上の障害者、精神障害者 | 360万円(150万円) 短時間:120万円(45万円) |
60万円×6期(50万円×3期) 短時間:30万円×4期(22.5万円×2期) |
訓練と賃金引き上げの支給要件
支給要件は下記の通りです。
対象となる訓練
次のいずれかの人材開発支援助成金を活用した訓練が対象です。
成長分野等人材確保・育成コースの最後の支給対象期の末日までに訓練を開始することが必要です。
① 1コースの実訓練時間数等が50時間以上の訓練
※ eラーニング・通信制による訓練の場合は、標準学習時間が50時間以上または標準学習期間が3月以上
② ①以外(50時間未満)の次の訓練
- 人材育成支援コース(有期実習型訓練)
- 人への投資促進コース (高度デジタル人材等訓練)
- 事業展開等リスキリング支援コース
- 特定訓練コース(労働生産性向上訓練、熟練技能育成・承継訓練)
- 特別育成訓練コース(中長期的キャリア形成訓練、有期実習型訓練)
賃金引き上げの要件
「賃金引上げ計画」の計画期間(最大3年)内に、採用時(試用期間がある場合は本採用時)の「毎月決まって支払われる賃金」が5%以上引き上がっていることが必要です。
最後に
今回は、成長分野における人材不足の現状と人材不足の対策方法について解説してきました!
活用できる助成金もありますので、ぜひ利用して人材不足を解消してみませんか?
ぜひ参考にしてください!