①BCP実践促進助成金、②BCP策定講座+BCP策定コンサルティング について
今回は、「BCP実践促進助成金」についてご紹介します。
この事業の目的と背景
中小企業者等が、策定したBCPを実践するために必要となる
基本的な物品・設備等の導入に要する経費の一部を助成することにより、
BCPの実践(BCPの策定および対策用品の備蓄)を促進します。
また、
災害等により基幹システムが損害を受ければ業務遂行に障害となることから、
BCPの補完として、
防災力を強化するための基幹システムのクラウド化の費用の一部も助成します。
BCPってなに?
そもそもBCPとは、「Business Continuity Plan」の頭文字を取った言葉です。日本語でいうと事業継続計画です。
企業が緊急事態時に事業継続するための手段を決めておく計画の事です。
地震や水害に加え、新型ウイルスの流行など、備えるべきリスクが近年増えています。
BCP対策は、このような緊急時の被害を最小限に抑えるために必要とされます。
BCPは、ITパスポート(ITの資格)のテストにも、頻出の英単語です。
経営者以外にも、IT業界にお勤めの方もよく耳にする言葉かもしれませんね。
またIT関連用語として、UPSも今回の事業内容に関りがある単語です。
(Uninterruptible Power Supply の略。日本語で無停電電源装置)
これは、バッテリを内蔵し、入力電源異常時(停電など)に、コンピュータ等に電力を供給するための装置を意味します。
第1章:BCP実践促進助成金の概要
対象者
次の(1)~(3)のいずれかの要件を満たしてBCPを策定した
中小企業者(小規模企業者)及び中小企業団体
(1)平成29年度以降に公益財団法人東京都中小企業振興公社(以下:公社)総合支援課が実施する「BCP策定支援講座(ステージ1)(出張版策定講座を含む)」を受講し、受講内容を踏まえたBCP
(2)中小企業強靱化法に基づく「事業継続力強化計画」の認定を受け、その内容に基づいて作成したBCP
(3)平成28年度以前の東京都又は公社が実施したBCP策定支援事業等の活用により策定したBCP
※BCP策定講座はこちら
助成対象場所
東京都内に本店を有する場合、
茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、神奈川県
および山梨県の事業所への設置も対象
対象経費
策定されたBCPを実践するために必要な設備・物品の購入、設置に係る費用
※下記に該当するものでも、用途・内容によって対象外となる場合もあります。
ア.緊急時用の自家発電装置、蓄電池
(太陽光パネル・蓄電池については、可搬式で非常時に設置して使用するもので、平常時の売電・節電に使用することができるものでないこと。太陽光発電システムおよびその構成機器は対象外です。)
イ.従業員等の安否確認を行うためのシステムの導入又はサブスクリプション契約によるサービスの利用
ウ.データのバックアップ専用のサーバ(NAS)、クラウドサービスによるデータのバックアップ
エ.地震対策としての制震・免震ラックへの買い替え、飛散防止フィルム、転倒防止装置の設置など
オ.緊急時用の従業員用非常食(水・食料等)、簡易トイレ、毛布、小型の簡易浄水器等の備蓄品
カ.災害水害対策用物品設備(土嚢、止水板等)の購入(ハザードマップの提出が必要)、設置
キ.感染症を想定したもの(マスク、消毒液等)
※医療行為・検査薬・検査サービス等は助成対象外です。
ク.BCPの補完として実施する基幹システム(ERP、CRM、SFA 等の内、企業の業務遂行の基幹となるシステム)の防災力強化のためのクラウドサービスの導入(クラウド化)
助成対象外経費については、募集要項P7の「6 助成対象外経費」をご参照ください。
助成率
中小企業者等:助成対象経費の1/2以内
小規模企業者:助成対象経費の2/3以内
上限額
助成上限額 1,500万円(下限額 10万円)
(上限1,500万円はクラウド化の助成額含む。クラウド化の助成上限額は450万円)
サーバーの導入やバックアップの必要性について
はじめに、「BCP実践促進助成金」のBCPとは、この記事の冒頭でも言ったように
「Business Continuity Plan」の頭文字を取った言葉です。
日本語でいうと事業継続計画です。
なんで必要なの?
大規模な自然災害やウイルスの流行、テロ攻撃や情報漏洩事故など、
企業はあらゆる緊急事態が起きた際に、事業を継続・早期復旧させる必要があります。
事業継続できなければ、企業は取引先や顧客からの信頼を失い、
倒産する可能性も出てきます。
そのような事態を回避するために重要な役割を担うのがBCP対策であり、
BCP対策は企業のリスクマネジメントに必須であると言えます。
サーバーの導入やバックアップの必要性が必要なのは、
事業を継続するために必要だからです。
東日本大震災・新型コロナウィルスでより大きく注目
BCPについては、
欧米では1970年代、日本では1980年代から議論が始まり、
主にシステムの分野での対策が取り組まれていました。
その後、
2011年の東日本大震災で多くの企業が被災し、
倒産に至った経緯などから、BCP対策が改めて注目され始めました。
ほかにも、2018年の西日本豪雨、
2020年の新型コロナウイルス感染症の拡大から、
BCP対策はますます重要性が高まっています。
企業はいつ起こるかわからない緊急事態時に備えて、
年々警戒心が強める必要が出てきています。
事業全体の流れ
※黄色の部分は申請者自身が行う手続きとなります。
出典:公共財団法人公式HP 令和3年度 BCP実践促進助成金 申請案内
事前予約による対面受付 ※申請の際は、お電話にて申請日時の事前予約が必要です。申請書類一式をご準備の上、予約受付期間内にお電話にてご予約ください。 (平日 9:00~12:00、13:00~17:00) 募集要項・申請書等はこちら |
申請スケジュール
今回は1番下の赤枠部分が、該当になります。
※助成金予算の執行状況により、助成金の申請受付を早期終了する場合があります。
出典:公共財団法人公式HP 令和3年度 BCP実践促進助成金 申請案内
予約受付は3月22日(火)~25日(金)の4日間と短期間ですのでお見逃しなく!
申請方法
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申請の際の前提条件として、BCP策定支援講座(ステージ1)(出張版策定講座を含む)の受講、あるいは中小企業強靱化法に基づく「事業継続力強化計画」の認定を受けていることが必要です。
※平成28年度以前の東京都又は公社が実施したBCP策定支援事業等を利用いただいた事業者は不要です。
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【STEP5】申請予約
申請受付期間内に書類をご提出いただきますが、事前予約が必要です。
添付書類含め、申請書類がすべて揃った段階でお電話にてご予約ください。
※予約時に申請書類が揃っていることを確認しますので、
お手元に書類一式をご用意の上、ご連絡ください。
「書類一式」が必要な方はこちら
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問い合わせ先(送付先)
申請・問い合わせ先
企画管理部 設備支援課
〒101-0025 東京都千代田区神田佐久間町1-9 東京都産業労働局秋葉原庁舎
TEL:03-3251-7889
第2章:BCP策定講座+BCP策定コンサルティング
※現時点では、3月開催分の募集は終了しております(2022年2月28日時点)
追加情報が発表等され次第、こちらのサイトでも最新情報をお知らせします。
BCP策定支援の流れ
出典:公共財団法人公式HP BCP策定講座+BCP策定コンサルティング
【特徴】
・中小企業へのBCP策定の支援実績が豊富なコンサルタントが担当
・業種や規模等、各社の実情に合わせて個別のコンサルティングを実施
・最短1.5日でBCP策定を実現
・訓練の実施を通して、社内への着実な定着を後押し
実際の会社情報、BCP策定のきっかけ(理由)、策定してみて気付いたことや苦労したことなど、が細かく書かれています。
BCP策定に迷っている企業は、自社と同じ規模感や課題のある企業を探してみるのもいいね◎
事業概要
ステージ1 「BCP策定講座」 【無料】
・講義と演習を通じてBCPに対する理解を深めていきます。
・さらに、自社BCPの基本方針や各種事象のシミュレーションを実施。
地震・風水害・感染症に共通の対応を決めるところまで進めます。
・ステージ2の「BCP策定コンサルティング」に進む土台を作ります。
《重要》
・ステージ1では、地震・風水害・感染症に共通の事項について検討を行います。
・ステージ1だけでは、自社BCPは完成しません。
・ご受講は1社1回のみです。
ステージ2 「BCP策定コンサルティング」 【25,000円(税込)】
・<spa・丸1日で自社に最適なBCP策定を完了する支援プログラム。
・専門コンサルタントによる訪問支援。
・訓練の実施を通じて社内への着実な定着を進めることができます。
《重要》
・検討事象は1事象となります。
・ご利用は1社1回のみです。
※現在、3月開催分の募集は終了しております(2022年2月28日時点)
令和4年度の予定も今後チェックしていきます。
問い合わせ先(送付先)
申請・問い合わせ先
E-mail:bcp-sien@tokyo-kosha.or.jp
※メールドレスはコピーしてご利用ください。
まとめ
当初の予定では3月6日(日)期限の「まん延防止措置」も延期対象の県が発表されたりと
新型コロナウイルス感染症拡大は収束の目途が立っていません。
それ以前に日本は地震大国でもあり、
地震やそれに伴う津波や土砂災害などの自然災害も多い国です。
いつ起きるかわからない災害に備え、事業を継続・早期復旧させる必要があります。
BCPの策定や実践は、できるだけ早めに実行に移すべきでしょう。
今回ご紹介した「BCP実践促進助成金」は、
BCPの実践にかかる費用の一部を助成してくれますので、
活用を検討してみてはいかがでしょうか?
せっかく申請するなら助成金を受け取りたいですよね!
申請したいけど、申請の仕方がわからない…
書類の書き方が不安…
自分が該当しているのか自信がない…
少しでも不安がある方は、ぜひご相談ください!
最後までお読みいただきありがとうございました!