定年を引き上げるだけで貰える助成金、65歳超継続雇用促進コースについて解説していきます!
国が定年年齢引き上げを促進していることもあり、今年度から要件の緩和+支給額が大幅アップしています!
変更点や注意点など概要について解説していきますので、ぜひ参考にして下さい!
補助金のお話は細かいし、難しくてわかりづらい用語も多いですよね!
そこで私が簡単な補足などをいれていきますね。
65歳超継続雇用促進コース
65歳超雇用推進助成金制度は、生涯現役社会の実現に向けて、65歳以上への定年引上げ、高年齢者の雇用管理制度の整備、高年齢の有期契約労働者を無期雇用労働者に転換した事業主に対して助成金を支給します。
高年齢者の雇用の推進を図ることを目的としています。
3つのコースがありますが、今回は、65歳超継続雇用促進コースについて解説していきます。
65歳超継続雇用促進コースとは・・・
■今の定年の年齢を65歳以上に引き上げる
■65歳までの継続雇用制度を66歳以上に引き上げる
就業規則記載の定年年齢を引き上げるだけで貰える助成金になります!
どんな従業員が対象
■若い従業員のみの会社は対象にならない
■以下の2つを満たす社員が1名以上いると対象となります
①雇用期間が支給申請前日までに継続して1年以上あること
②定年前に無期雇用で雇用されている、または定年後も継続して雇用されていること
※無期雇用のパートさんも対象です。
支給額
定年引上げ等の措置の内容や年齢の引上げ幅等に応じて、下表の金額が支給されます。
支給要件
■1事業主1回限りの支給です。
■70歳未満の雇用確保制度の導入を行い、令和2年度末までに支給申請を行い本コースを受給した申請事業主が、新たに70歳以上の雇用確保制度を導入した場合は、令和3年4月以降の助成額から既に受給した額を差し引いた額(その額が0円を下回る場合は0円)が助成されます。
- 令和4年4月1日以降に、労働協約又は就業規則により、次の[A]~[D]のいずれかに該当する制度を実施したこと。
[A]65歳以上への定年引上げ
[B]定年の定めの廃止
[C]希望者全員を66歳以上の年齢まで雇用する継続雇用制度の導入
[D]他社による継続雇用制度の導入 - ①の制度を規定した際に経費を要したこと。
- ①の制度を規定した労働協約又は就業規則を整備していること。
- 申請日の前日において、高年齢者雇用等推進者の選任及び高年齢者雇用管理に関する措置を実施している事業主であること。
- ①の制度の実施日から起算して6か月前の日から支給申請日の前日までの間に、高年齢者雇用安定法第8条又は第9条第1項の規定と異なる定めをしていないこと。
- 法令に基づいた適切な高年齢者就業確保措置を講じていないことにより、同法第10条の3第2項に基づき、当該就業確保措置の是正に向けた計画作成勧告を受けていないこと(勧告を受け、支給申請日の前日までにその是正を図った場合を含みます。)。
- 支給申請日の前日において、当該事業主に1年以上継続して雇用されている60歳以上の雇用保険被保険者(短期雇用特例被保険者及び日雇労働被保険者を除く。期間の定めのない労働契約を締結する労働者又は定年後に継続雇用制度により引き続き雇用されている者に限る。)が1人以上いること。
65歳以上への定年引上げ(詳細)・廃止について
定年引上げ等の措置の内容や年齢の引き上げ幅等による支給金額
A.定年の引き上げB.廃止
65歳 | 66~69歳に引き上げ(5歳未満) | 66~69歳に引き上げ(5歳以上) | 定年の引上げ(70歳以上)or定年の定めの廃止 | |
10人未満 | 25万円 | 30万円 | 85万円 | 120万円 |
10人以上 | 30万円 | 35万円 | 105万円 | 160万円 |
■嘱託社員が10人以上の場合は下段が支給金額となります。
■社員1人当たりの金額ではなく、1社あたりの金額です。
■定年の再延長(2回目の申請)についての支給は、状況により差分だけ支給されます。
<嘱託職員が10人未満の場合>
✔60歳→65歳は25万円
✔65歳→66歳:30万円の支給(引上げ幅5歳未満のため)
✔60歳→66歳以上:85万円(引上げ幅5歳以上のため)
現在の定年が何歳かによって異なります。
定年が61歳であれば、67歳に引き上げで85万円の支給となります。
■定年年齢を引き上げ、後から引き下げることは出来ません。
→不利益変更として、違反になるため引き下げは不可能。
66歳以上の継続雇用制度の導入について
定年の引き上げ等の措置の内容や年齢の引き上げ幅等による支給金額
C. 希望者全員を対象とする66歳以上の継続雇用制度の導入
66歳~69歳に引き上げ₍4歳未満) | 66歳~69歳に引き上げ₍4歳以上) | 70歳以上 | |
10人未満 | 15万円 | 40万円 | 80万円 |
10人以上 | 20万円 | 60万円 | 100万円 |
■定年してから本人が働きたいという希望があり、そのまま継続して雇用する制度を66歳以上へ引き上げた場合に支給
■法律では、継続雇用制度は最低限65歳まで
定年引上げと継続雇用の違いに注意しましょう!
継続雇用制度は、希望者の継続雇用制度の年齢を引き上げるものになります!
継続雇用制度の方が導入しやすい制度になります!
他社による継続雇用制度の導入について
定年引上げ等の措置の内容や年齢の引上げ幅等による支給金額
D. 他社による継続雇用制度の導入
措置内容 | 66歳~69歳に引き上げ(4歳未満) | 66歳~69歳に引き上げ₍4歳以上) | 70歳以上 |
支給上限額 | 5万円 | 10万円 | 15万円 |
■今年からの制度になります
■65歳以上の方で、定年後に雇用されることを希望している場合、他の事業主が引き続き雇用する制度を導入した場合に助成されます。
変更点と注意点
これまでとの変更点や申請する際の注意点について解説していきます。
要件の緩和
今回より、申請要件が緩和されました。
就業規則等が高年齢者雇用安定法に違反している会社:
1年後でないと支給申請が出せなかった。
↓今年度より
支給申請までに正していれば、
1年を待たなくても申請可能に変更。
現在、就業規則などが、高年齢者雇用安定法に違反していても、支給申請までに正しておけば、すぐに申請可能になりましたので、上記理由により申請を諦めていた場合は、チャンスになりました。
受給までの期間
申請してから受給まで、3~4ヶ月ほどで支給されます。
また、ほとんどの補助金・助成金を申請する際に必要な計画書の申請が必要ありません。
■比較的短い期間で支給される。
■計画書の提出が不要。
年齢引き上げ→労基へ提出→支給申請→支給(支給申請から支給まで3~4ヶ月ほど)
注意点
定年延長や継続雇用制度の引き伸ばしが要件ですが、勝手に会社で変更・届出・申請ができません。
以下が注意点になります。
■就業規則の改定を専門家に依頼しなけれなばならない
→依頼をしたという証拠が申請時に必要
(就業規則改定費用請求書・金額振込書類など)
会社設立年数に関係なく申請可能です。
→定年を60歳にしておいて、1年雇用することが必要になります。
申請の流れ
申請の流れは以下の通りです。
①都道府県内支部では利用にあたっての事前相談を受けています。記入方法や要件の相談など不明点がある場合は、事前に相談すると良いでしょう。
②作成した支給申請は等は、都道府県支部の窓口に持参or郵送にて提出
③都道府県支部では、提出された支給申請等に記入・書類の添付漏れがないかなど点検され、必要に応じて修正が依頼されます。
④支給申請書等が整った後、都道府県支部から機構本部へ申請書が送付されます。本部で申請内容の審査が行われます。
⑤⑥本部の審査過程で確認事項が生じた場合には、都道府県支部を経由して、申請事業主に照会を行います。
⑦支給決定を通知した後、指定の金融機関に助成金が振り込まれます。
詳しくはこちらも参考にして下さい。
他社による継続雇用制度の導入の場合はこちら。
都道府県ごとに問い合わせの窓口が設置されています。
不明点など相談事がある場合は相談してみるといいでしょう!
最後に
65歳超継続雇用促進コースについて解説してきました。
ここ数年で65歳定年義務化になると予想されます。
65歳超雇用推進助成金はその前の暫定的な助成金になります!
定年を引き上げることを検討中の事業主さまは、ぜひこの助成金を活用するといいでしょう!
せっかく申請するなら、補助金・助成金を受け取りたいですよね!
しかし、申請には要件の確認や事業計画の策定、必要書類を揃えたりと
面倒なことや手間がかかることも多く、不安を感じる方も多いと思います。
そんなときは、諦める前にご相談下さい!
最後までお読みいただきありがとうございました!