働く女性が増えてきた一方で、企業として考えていかなければいけない問題があります。
女性には、結婚・出産・育児と人生において、様々なライフイベントがあり、それを機に離職する女性が今尚非常に多いです。
女性の離職率が高いと、企業イメージがダウンする、人材確保が困難になるといったリスクが考えられます。
こういったリスクを回避し、女性が働きやすい環境を整えることが必要になります。
この記事を読んで、働く環境を整え、女性が働きやすくなる環境を整えてみませんか?
女性の働く環境を整えるのに最適な補助制度も紹介いたします。
補助金のお話は細かいし、難しくてわかりづらい用語も多いですよね!
そこで私が簡単な補足などをいれていきますね。
女性の現状
まずは、女性の現状について解説していきます。
出産後、就業したい女性は全体の86%
国立社会保障・人口問題研究所が子供を産み終えた無職の女性を対象に、今後の就業希望の有無について、調査を行いました。
その結果、86.0%の女性が、何らかの時点で就業を希望していたことが分かりました。仕事をしたい最大の理由は、52.1%が収入確保や貯蓄のためなど、経済的な理由を挙げています。
今求められているのは、働き続けられる制度と職場環境
公益財団法人 地方経済研究所が、仕事と育児を両立させるために職場で必要なことは何かについて質問をしたアンケート結果です。
- 休日を取得しやすい職場制度
- 上司の理解
- 同僚の理解・協力
- 子育て支援制度の充実
と、上司や同僚など会社全体の理解の向上や協力体制の支援を求めている女性が過半数を占めました。
また、子供が熱を出した時など休暇をきちんと取れるかどうか、給付金や手当など子育てにおける支援を充実させて欲しいとの意見も多く見られました。
このように、多くの女性が、企業に対して、柔軟な働き方ができるような制度や環境を求めていることが分かります。
女性の離職
次に、女性の離職する理由、女性の離職率が高まる環境についてみていきます。
女性が離職する理由
女性が離職する理由として、以下のような理由が挙げられます。
- 結婚したから
- 出産・育児のため
- 健康がすぐれない
- 家族の介護のため
- キャリアアップが望めない
- 配偶者の転勤
- 始めから短期のつもりだった
- セクハラを受けた
- 女性が活躍できない職場であった
- 職場の人間関係
女性の離職率が高くなる環境の特徴
女性の離職者が多いと、企業の成長に悪影響を及ぼす可能性があります。
女性の離職率が高くなる環境の特徴と懸念されるリスクをみていきましょう。
残業が多く有給休暇がとりにくい環境
定常的に残業が多く、有給休暇が取得しにくい環境は女性の離職を招きやすいです。
最近はワーク・ライフ・バランスを重視する人が増えています。その点は男女問わずですが、女性の場合は結婚、出産・育児によってその傾向がさらに強まります。
労働時間が長いことが当たり前の環境ですと、特に女性は働き続けるのが困難になってしまいます。結果として、結婚、出産・育児を機に仕事を辞めてしまいます。
産前産後のサポート体制が整っていない環境
女性にとって、産休・育休や時短勤務など、産前産後のサポート体制が整っていない環境も定着しづらいです。妊娠中は体調が不安定になりやすいですし、産後は子供の急な体調不良で仕事を休まざるを得ないことも出てきます。
そのようなとき、サポート体制が整っていない環境ですと休みや働く時間を調整しづらく、周囲の理解も得にくいです。妊娠・出産・育児で肩身の狭い思いをしている人をほかの女性従業員が見ることで、自分も長く勤めるのは難しいと感じてしまい定着はしないでしょう。
評価制度が不明瞭な環境
女性の離職者が多い企業のなかには、評価制度があいまいで、女性が正当に評価されにくい場合があります。同じかそれ以上に成果を上げているにもかかわらず、男性のほうが早く昇進する、結婚した途端に異動させられた、といった納得できない待遇格差は女性のモチベーションを低下させます。
「世界ジェンダー・ギャップ報告書 2020」によると、日本における男女間格差の中で「高官や管理職に占める女性比率」の男女間格差が大きいということが示されています。153ヶ国中131位です。
原因のひとつには、このような日本社会の不公平な評価環境にあると考えられます。
ハラスメントが黙認されている環境
当然のことですが、働く環境でパワハラやセクハラ、マタハラなどのハラスメント行為が黙認されていると、女性の離職者を増やします。ハラスメントが横行している環境は管理職のモラルが低いことが多く、その影響で職場全体の雰囲気も悪くなりやすいです。
女性は男性にも増してコミュニケーションを大切にする傾向があります。ハラスメントが横行していることで職場の人間関係に問題がある環境では、女性は定着しにくいでしょう。
女性の離職率が高いことによるリスク
女性の離職率が高いことが及ぼすリスクについて考えていきます。
企業イメージがダウンする
企業にとっては、自社イメージの維持や向上は非常に重要です。しかし、女性の離職率高い企業はあまりイメージが良くありません。女性の離職率が高いと、「あの会社はコンプライアンスに問題があるのではないか」「人間関係に問題が生じやすいのではないか」といったマイナスイメージが生じてしまいます。
また、企業イメージは消費者の購買行動にも直結するので、企業イメージの悪化は業績不振にも繋がってしまいます。
人材確保が困難になる
求職者は、当然就職を希望する企業や会社のことを調べます。そうなると、女性の離職率が高いことも求職者に分かってしまうでしょう。
女性の離職率が高いイメージを持つ会社にわざわざ入社したいという人は少なくなるので人手不足に繋がってしまいます。
女性の離職率が高いということは、有給休暇が取りにくかったり、出産や育児に対するサポート環境や制度が整っていなかったりする可能性が高いと判断されます。状況を放置すると、その会社には人材が集まりにくくなってしまいます。
教育コストがかかる
女性社員の離職率が高いということは、社員の育成のためにより大きな教育コストが発生するということでもあります。
どれだけ研修や社員教育でコストをかけて社員を育てても、その社員がすぐに離職してしまえば、かけたコストは無駄になってしまいます。離職率が高いということは、それだけ教育コストがかかってしまうということなのです。
女性が働きやすい環境を整えるには
女性が安心して働くことができ、長期的な視点でキャリアを形成するには、企業側のサポートが欠かせません。
女性の離職率が高い日本の現状を踏まえると、以下のような対策が考えられます。
柔軟な働き方を提供する
- 長時間労働の是正/時短勤務制度の導入
- 有給休暇取得の励行(子の看護休暇など)
- テレワーク、在宅ワークの導入
無理解・ハラスメントを撲滅する
- マネジメント層の研修を実施
従業員の支援制度を充実させる
- 福利厚生の充実
女性の活躍推進等環境整備助成金
女性の離職率を下げ、企業のイメージアップにもつながる、女性の働く環境整備をするためにもお金が必要になってきます。
そこで役立てられるのが、女性の活躍推進等環境整備助成金という補助制度になります。
女性の活躍推進等環境整備助成金とは・・・
女性の新規採用・職域拡大等を目的として、女性が少ない職種等について女性の採用計画を立てた都内中小企業が行う職場環境整備に対し、最大500万円(助成率2/3)で支援されるものです。
参考▶女性の活躍推進助成金 | 東京しごと財団 雇用環境整備課 (shigotozaidan.or.jp)
助成対象経費
助成対象事業者が助成対象となる事業所において、女性の新規採用・職域拡大を目的とした設備等の整備にかかる経費(工事請負費、消耗品費、賃借料、委託費)が対象となります。
- 女性社員専用の設備の例
- トイレ
- 更衣室
- 休憩室
- シャワー室
- 仮眠室
- ベビールーム(授乳・オムツ替えなどのスペース)
- ロッカー(原則 女性更衣室内に設置するもの)
- 工事現場に設置される仮設トイレ
助成対象となる設備は女性だけしか利用できないものにする必要があり、不特定多数の方が利用する施設の環境整備は助成対象になりません。
物品の購入(税込単価10万円未満)等は、原則採用予定人数分までが助成対象です。また、設置する設備・購入する物品は価格、個数共に必要最小限のものとします。
たとえば、女性2名採用予定の計画がある場合、女性専用トイレを整備するとしたら助成対象として申請できる女性トイレの個室の数は2個までとなります。
最後に
女性の働きやすい職場環境を整えることで、企業のイメージアップにも繋がります。
ぜひ、補助金制度を利用して、女性の働きやすい環境を整えることを検討してみて下さい!
今回は東京都の助成金について紹介いたしましたが、類似の補助金が各都道府県にもあります!
他にも補助金制度を知りたいと言う方は、LINEにてお問合せ下さい!
せっかく申請するなら、補助金・助成金を受け取りたいですよね!
しかし、申請には要件の確認や事業計画の策定、必要書類を揃えたりと
面倒なことや手間がかかることも多く、不安を感じる方も多いと思います。
そんなときは、諦める前にご相談下さい!
最後までお読みいただきありがとうございました!