コロナの影響でここ2年間、とても多く耳にした
「補助金」・「助成金」・「給付金」・「支援金」。
そのほかにも「協力金」や「〜事業」などの名前がつく補助金もあります。
今回は、知っているようで知らない、助成金・補助金・給付金・支援金の共通点や相違点、具体例や注意点を分かりやすく解説いたします。
これらの多くは、国や自治体、一部、財団や企業から交付される返済不要のお金です。
それぞれが指す言葉の意味は同じなのでしょうか?違いについてきちんと理解している人は意外と少ないのです。
補助金・助成金を受け取るうえで知っておくべき注意点もご説明いたしますので、
補助金・助成金を受け取りたい方はぜひ最後までお読みください。
補助金公式ページの情報だけだと、わかりづらい用語が多いですよね!
そこで私が簡単な補足などをいれていきますね。
補助金とは?
補助金は新規事業や新規サービス、設備の導入など、新規政策の促進やサポートに交付されるお金です。
例えば、30万円でホームページ制作を依頼して、補助金で50%の15万円円が戻ってくるなどがそれにあたります。
■補助金の注意点
補助金は、応募の条件や資格を満たしていても必ず支給されるとは限りません。
補助金が支給されるには応募のための書類を作成提出し、審査を通る必要があります。
審査通過のパーセンテージを採択率と言い、募集が1次、2次、3次・・・と複数回に分かれる補助金は、回を重ねるごとに採択率が下がる傾向にあります。
経済産業省の場合「補助金」という表現で公益となる事業を生むために、国からのお金が補助されます。
経済産業省の補助金の採択率は50%を下回る事も多々あります。
一方で、補助金額が数百万~数億円と、支給額が大きいものが比較的多いのも特徴です。
財源が国の税金(法人税)となっており、事業を成長させる意欲のあるところに補助金が支給されるような仕組みとなっております。
◇◇補助金の活用例◇◇
補助金の種類は豊富です。
補助金の種類により下記のような費用が認められる可能性があります。
✔ 原材料費(試作の為に必要な材料費)
✔ 設備費(開発に必要な設備費用。簡易移動できない設備。スマホやタブレット等汎用性の高いものや中古は対象外)
✔ 建築費(サービス構築に必要な改築・新築工事)
✔ 人件費(事業に関わる社内従業員の人件費)
✔ 外注費(自社で実施出来ない業務の外部委託費)
✔ 委託費(製品の検査や測定、開発の一部を委託した場合の費用)
✔ 専門家謝金(専門家によるアドバイスや指導費)
✔ 広告宣伝費(WEBサイト作成費、広告用チラシ等作成費)
多くの補助金・助成金が、先に購入したい製品やサービスを申請し、その計画が通ってからの購入となっていますので、
「買ったけど貰えなかった・・・。」とはなりません。
しかし、一部、事前着手と呼ばれる、購入後に申請するタイプの補助金などは、必ず審査が通るとは限らないので注意が必要です!
助成金とは?
助成金は受けるための条件や資格を満たせば、ほぼ支給されます。
条件さえ満たしていれば複数の助成金を受けることもできます。
厚生労働省の場合、主に雇用に関係した支援金です。
「助成金」という表現で人の雇用を安定させるための意味合いになります。
財源が企業から集めた雇用保険料となっております。
■助成金の注意点
「助成金」を利用できる企業は、財源が企業から集めた雇用保険料となっているため、
雇用保険の適用事業者であることが必要となります。
また一方で、助成金を利用すると会社の信用に繋がります。
助成金の財源は雇用保険であり、助成金を利用するには労働関係の法令違反がないことも条件になるからです。
助成金が利用できる会社は、厚生労働省の認める労働環境の良い会社として、信用力が増します。
◇◇助成金の活用例◇◇
雇用系公的助成金など厚生労働省より助成金が支給される取り組みとして
次のような内容が助成金の対象となります。
✔ 労働者の雇用の維持
✔ 離職者に対する再就職支援
✔ 中途採用・UIJターン
✔ 起業
✔ 新たな労働者の雇入れ
✔ トライアル雇用
✔ 障害者の職場定着支援
✔ 雇用環境の整備
✔ 有期契約労働者等の処遇改善
✔ 仕事と家庭の両立支援等
✔ 職業能力の向上
✔ 高年齢の有期契約労働者の無期雇用への転換
法人、個人問わず、雇用保険適に加入している事業者は対象となります、
給付金・支援金とは?
今回のコロナ支援のような、世界的な緊急事態、大規模な災害が発生した際に、国や地方自治体から給付されるお金に、給付金や支援金があります。
また、給付金や支援金と似たもので「協力金」もあります。
災害時は、支援金同様、義援金と言う名目でお金が出る場合もあります。
■給付金・支援金の注意点
給付金や支援金、協力金や義援金などで企業に支払われるものは、
だいたいの場合が個人事業主にも支払われます。
しかし、過去に確定申告を行なっていなかったとの理由で、売り上げ減少が証明できないなど、今回のコロナで多くのフリーランスの方が嘆いていたようです。
せっかくの給付金、支援金などが受け取れないなどのトラブルが起こらないように、
フリーランスや個人事業主の方も、必ず事業を始める際には、開業届と確定申告を行いましょう。
◇◇給付金・支援金・協力金・義援金の例◇◇
過去に出た名称で各例をお伝えします。
✔ 持続化補助金(給付金)
✔ 事業復活支援金
✔ 営業時間短縮営業協力金
✔ ウクライナ人道危機救援金
定義があいまいな補助金・助成金
各市区町村や各団体で挙げている補助金や助成金については、
一定基準で名称が使い分けられている訳では無い場合がほとんどです。
国が挙げている補助金・助成金とは基準が異なりますので、
厚生労働省や経済産業省の補助金の定義は参考とせずに、申請の際には事務局や専門家に確認するのをお勧めします。
場合によっては、「〜〜助成金」とついても、国の助成金と異なり、雇用保険や法人、個人事業にかかわらず、支給対象となる場合が多いのです。
経済産業省と厚生労働省の補助金・助成金まとめ
補助金・助成金のメインとなるものは
✔️ 経済産業省の補助金
✔️ 厚生労働省の助成金
になります。
経済産業省の補助金は事業を行う上での「モノ」や「コト」に対するものに対し、
厚生労働省の助成金は「ヒト」に対するものとなります。
経済産業省の補助金は法人税を財源としており、事業を成長させる意欲が審査のポイントとなり、比較的支給金額が高く採択率が低めのハードルが高いものとなります。
それに対し、厚生労働省の助成金は雇用保険料を財源としており、
人の雇用の安定を促すためのものとなっており、
補助金に比べて支給金額が低めでではありますが、
条件をクリアすればほとんど受けることのできるハードルの低いものとなっています。
助成金と補助金のまとめ
助成金 : 厚生労働省や地方自治体が行う事業
補助金 : 経済産業省や地方自治体が行う事業
※ 地方自治体等の「補助金」「助成金」の名称は厚生労働省や経済産業省の特徴とは異なる。
共通事項として、
補助金と助成金の受け取りは、どちらも企業や申請者が必要経費を支払った後となります。
必要経費の支払い前に補助金のお金を充てるということはできません。
「一度、支払ってから請求する」という事を忘れないでください。
あくまでも自己資金で先に支払った後に、補助金や助成金が支給されるために、
いったん支払いが発生しますので、その資金を確保が必要です。
また、どちらも返済義務はほとんどありません。
(一部条件未達により返還請求される可能性の補助金あり)
例えば、目標で
「給与総支払額を来年1.5%増やす」
に対して、その目標を達成できなかった場合は、補助金・助成金を返金する必要が出てきます。
全ての補助金・助成金にその条件があるわけでは無いので、申請をサポートしてくれる士業の先生や事務局に確認しましょう!
補助金も助成金も申請する事で受け取れる可能性のある大変価値のあるものです。
事業を成長させる意欲のある事業者の方は特に、
これらの情報を見逃さないようにチェックしご活用ください。
申請期間の短い補助金等もありますので、スムーズな申請ができるように
日頃の情報チェックと準備をしておきましょう。