自社が採用にかけている費用・コストをちゃんと把握していますか?
「採用には費用がかかって当然だ」という考えで、自社の採用費用を把握できていないと、余分なコストがかかっていても気づけない場合が多くあります。
そもそも採用に苦戦していてコスト削減どころではないという企業も多いと思います。
しかし、ちょっとした工夫をするだけで採用コストを削減できるかもしれません。
そのためにも、まずは自社の採用にかかっている費用・コストをしっかりと把握することが重要になります!
採用コストの内訳や、いったいどれくらいのコストが採用活動にかかっているのか解説していきます。
また、中途採用活動を強化することで貰える補助金制度も紹介していきます!
ぜひ参考にしてください!
補助金のお話は細かいし、難しくてわかりづらい用語も多いですよね!
そこで私が簡単な補足などをいれていきますね。
採用コストには何が含まれている?
自社の採用コストを把握するためにはまず、採用コストについての理解を深める必要があります。
採用コストとは、企業が人材を採用するためにかかる費用全体を指し、採用を行うにあたって発生するコストすべてが含まれます。
景気によって労働者の需給バランスは変動するため、それに従い、発生する採用コストも変わってきます。
内部コスト
内部コストとは、面接や採用など採用業務にかかる費用のことです。
大半は人件費が占めていますが、その項目は多岐にわたります。
- 面接官や人事担当者の人件費
- 紹介(リファラル採用)のインセンティブ
- 応募者の交通費
- 内定者懇親会などの交際費
- 内定者の引っ越し費用
以上が代表的な項目となりますが、このコストのほとんどを人件費が占めています。
内部コストが高くなる要因としては、応募者が来なかったり、内定辞退者が多く出て一から応募者を集め直したりなど、採用活動が長引いてしまうことが挙げられます。
内部コストを削減するには、採用活動にかける物理的な時間や手間を減らす施策を考える必要がありますね。
外部コスト
外部コストとは、採用活動において外部に支払う費用のことです。
もっとも代表的なのが求人広告費です。
その他に挙げられる項目としては以下のようなものがあります。
- 求人広告費
- 採用代行サービスの利用料
- 会社案内の制作費
- 会社説明化の会場費
外部コストは、内部コストと比較して各費用の金額が大きくなりやすいです。
そのため、採用コストの削減に取り組む際には外部コストから見直すと削減効果も大きくなりやすいでしょう。
しかし、外部に依頼している業務は採用の肝となるものも多いため、削減する場合は慎重に判断しましょう。
「新卒」と「中途」それぞれの採用単価はいくら?
次に採用単価について解説していきます。
だいたいどれくらいのコストがかかるのか見ていきましょう!
雇用形態別の相場(新卒・中途・アルバイト)
雇用形態 | 1人あたりの平均採用コスト |
新卒採用 | 53万円 |
中途採用 | 62万円 |
アルバイト採用 | 5万円 |
※1,000円未満切り捨て
雇用形態別の一人あたりの採用コストを見ると、中途採用が最も単価が高くなっており、一度に複数名かつ、未経験者を採用する新卒採用は低単価となっています。
出典:就職白書
企業規模別の中途採用コスト相場
従業員数 | 採用予算 | 採用実績 |
60人未満 | 575万円 | 350万円 |
60~299人 | 471万円 | 412万円 |
300人以上 | 1,259万円 | 1,102万円 |
※1,000円未満切り捨て
従業員数300人以上の企業では、中途採用採用予算を1,000万円以上をかけている企業が多いことが分かります。
採用予算を見ると、60~299人規模の企業より、60人以上の企業の方が採用予算を多く取っている傾向にあります。
中途求人広告サイト費用の相場
従業員数 | 採用予算 | 採用実績 |
60人未満 | 258万円 | 121万円 |
60~299人 | 95万円 | 86万円 |
300人以上 | 263万円 | 197万円 |
※1,000円未満切り捨て
本項目においても、従業員数が300人以上の企業群に次いで60名未満の企業が、求人サイト費用出稿への採用予算を多く取っていることが分かりました。
また、60~299人規模の企業群が2グループに比べても広告出稿費が60%以上少ない点も興味部深いポイントです。
中途人材紹介費用の相場
従業員数 | 採用予算 | 採用実績 |
60人未満 | 142万円 | 108万円 |
60~299人 | 268万円 | 254万円 |
300人以上 | 544万円 | 479万円 |
※1,000円未満切り捨て
60人未満の企業群では予算・実績共に低い傾向となりました。これは、60人未満の企業は人材紹介より、求人広告サイトを使うことが多いためと考えられます。
また従業員数が多い企業ほど、費用・採用実績ともに高くなっており、経験者採用の必要性から人材紹介を使うことも多くなっていることが分かります。
派遣費用の相場
雇用形態 | 平成29年度 | 平成30年度 |
派遣労働者 平均 | 21,151円 | 23,044円 |
無期雇用派遣労働者 | 24,831円 | 24,663円 |
有期雇用派遣労働者 | 18,108円 | 18,893円 |
上記の表は派遣労働者の実績のあった事業所について調査したものとなり「全業務平均」になります。
業務別にみると最も高い業務は「医師、歯科医師、獣医師、薬剤師の36,193円」となっており、最も低い業務は「農業従事者で11,783円」です。
業種別中途採用コスト平均実績(2019年 1年間の推移)
※1,000円未満切り捨て
中途採用コストの実態として各業種で採用コストに差があるものの、人材不足を感じていたり、人材確保の難易度が高い『IT・通信・インターネット』や『医療・福祉』などの業種では採用意欲の高さが伺えます。
中途採用等支援助成金(中途採用拡大コース)
中途採用には、かなりの費用がかかることが分かったと思います。
中途採用をお考え中の事業者にオススメなのが、中途採用等支援助成金(中途採用拡大コース)になります。
中途採用等支援助成金(中途採用拡大コース)とは・・・
中途採用者の雇用管理制度を整備し、中途採用の拡大を図った場合に助成します。また、一定期間後に生産性が向上した場合には追加の助成があります。
中途採用拡大助成 | 中途採用者の雇用管理制度を整備し、中途採用の拡大(中途採用率の拡大、45歳以上の方の初採用または情報公表・中途採用者数の拡大)を図る事業主に対する助成 |
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生産性向上助成 | 中途採用拡大助成の支給を受けた事業主のうち、一定期間経過後に生産性が向上した事業主に対する助成 |
厚生労働省HP▶中途採用等支援助成金(中途採用拡大コース)
中途採用を強化することで、助成金が貰える補助金制度になります!
採用活動を始める前に、中途採用計画を事前に立て労働局への提出が必要です。
支給額
次の金額が支給されます。
中途採用率の拡大を図った場合 | 50万円(25万円) |
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45歳以上の者を初めて採用した場合 | 60万円または70万円(30万円)
※60歳以上の場合に70万円になります。 |
公募期間
2022年4月1日~2023年3月31日
対象労働者
次のいずれかに該当する労働者が対象になります。
- 申請事業主に、中途採用により雇い入れられた者。
- 雇用保険の一般被保険者または高年齢被保険者として雇い入れられた者。
- 期間の定めのない労働者(パートタイム労働者を除く)として雇い入れられた者。
支給要件
以下の全ての措置をとることが要件となります。
1.中途採用計画の策定
次の要件を満たす中途採用計画を作成して、管轄の労働局に提出する必要があります。
- 中途採用者の雇用管理制度(募集・採用を除く、労働時間・休日、雇用契約期間、評価・処遇制度、福利厚生など)を整備すること。
- 中途採用計画期間内の中途採用の拡大について、採用の予定職種、予定者数、予定時期等を定めて計画すること。
※計画期間は、中途採用率の向上を図る場合は1年間、45歳以上の者の初採用に取り組む場合は1年以下で申請事業主が定める期間になります。
2.中途採用計画の実施
計画に基づき、次のいずれかの措置を実施する必要があります。
- 計画期間より前の中途採用率が50%未満の事業所が、計画期間内に中途採用率を20ポイント以上向上させること。
- 計画期間内に45歳以上の者を初めて中途採用すること。
最後に
中途採用にかかわるコストについて解説してきました。
採用にはコストがつきものですが、補助制度を利用すれば少しでも採用の負担を減らすことが出来ます!
中途採用をお考えの方はぜひ利用を検討してみてください!
せっかく申請するなら、補助金・助成金を受け取りたいですよね!
しかし、申請には要件の確認や事業計画の策定、必要書類を揃えたりと
面倒なことや手間がかかることも多く、不安を感じる方も多いと思います。
そんなときは、諦める前にご相談下さい!
最後までお読みいただきありがとうございました!