地球温暖化や環境汚染問題への対策として多くの国や企業で
脱炭素化へ向けた取り組みが活発になっています。
そしてこの取り組みの中で注目・導入が進められているのが再生可能エネルギーです。
再生可能エネルギーを企業が導入することで
地球環境問題への対策となることはもちろん、
企業価値の向上や新たなビジネス機会の創出といったメリットもあります。
本記事では、
・そもそも再生可能エネルギーとは
・企業が再生可能エネルギーを導入するメリット
・再生可能エネルギー導入を対象とした東京都の補助金
をご紹介します。
企業の実例を交えながらご紹介していきますので、参考にしてください!
補助金のお話は細かいし、難しくてわかりづらい用語も多いですよね!
そこで私が簡単な補足などをいれていきますね。
再生可能エネルギーとは
再生可能エネルギーとは下記の条件を満たすエネルギーのことをいいます。
・資源がなくならない(エネルギー源を永久使用できる)
・温室効果ガスを排出しない
・太陽光発電・水力発電・バイオマス発電 など
再生可能エネルギーは、パリ協定で掲げられている
目標の実現に向けた取り組みの中でも代表的なものの一つで、
日本を含む世界中の企業で導入が急速に進んでいます。
国際的な枠組みで、次のような世界共通の長期目標を掲げています。
・世界の平均気温上昇を産業革命以前に比べて2℃より十分低く保ち
1.5℃に抑える努力をする
・21世紀後半には、温室効果ガス排出量と吸収量のバランスをとる
企業が再生可能エネルギーを導入するメリット
世界中で注目され導入する企業が増えている再生可能エネルギーですが
再生可能エネルギーを導入することで得られるメリットには
どのようなものがあるのでしょうか?
今回は、3つご紹介します!
①企業価値の向上につながる
②新たなビジネス機会の創出
③非常時のエネルギー確保
①企業価値の向上につながる
再生可能エネルギーを導入することは
企業が地球環境に配慮しているという大きなアピールになります。
さらに近年では、その企業が脱炭素化への取り組みに
参加しているかどうかが投資家の投資判断材料の1つとして重要視されています。
つまり脱炭素化への取り組みそのものである再生可能エネルギーの導入は
企業価値の向上に直結するといえるでしょう。
②新たなビジネス機会の創出
再生可能エネルギーは新たなビジネス機会の創出や
既存のビジネスに付加価値として取り入れることも可能です。
・太陽光発電を利用して、顧客の保守・維持管理の作業を請け負う新しいビジネスを始める
・農業用水が流れているだけの用水路などに着目して発電設備を備えることで
電気代の負担を軽減
③非常時のエネルギー確保
近年の地震や台風などの大型災害の多発により
緊急用の電源としても再生可能エネルギーが注目されています。
特に太陽光発電は屋根や壁などのデッドスペースへの設置ができる特徴から
企業や一般的な住宅でも比較的簡単に設置できるため、
蓄電池と組み合わせて万が一のケースに備えての導入率も高まっています。
再生可能エネルギーの課題
再生可能エネルギーにはメリットがある一方で
今後解決していくべき課題もあります。
①発電コストが高い
発電のための燃料費がかからない一方、発電設備を設置するための
初期コストが高額になってしまいます。
太陽光発電なら太陽光パネル、風力発電なら風を受けるための風車などの
工事費用や設備の調達費用が必要です。
②天候によって発電量が不安定になる
太陽光や風の力などの自然のエネルギーを利用して発電するので
天候や季節によって十分な発電量を確保できない可能性があります。
解決策として蓄電池を併用して、
余分に発電できたときの電力を貯めておく方法があります。
再生可能エネルギーを導入している企業例
それでは実際に再生可能エネルギーを導入している
企業の実例をご紹介していきます。
AGC(旭硝子)
AGCはアジア・欧州・米国をベースに、グローバルな
事業展開を行っている世界最大手のガラスメーカーです。
・太陽光発電
欧州の本社では太陽光発電パネルをビルの屋根に設置し
年間約20万kWhを発電しています。
一般家庭約50軒分の1年間の電力を賄えている計算になります。
また冷暖房に地熱を利用するなどにより、消費エネルギーを削減しています。
リコー
リコーは温室効果ガスの排出量削減に向けて
日本で初めてRE100に加盟した企業です。
・太陽光発電
上海にある生産拠点の屋上を発電事業者に貸し出し
屋上で発電された電力を買い取って使用することで、約20%の電力を再生可能エネルギーで賄っています。
これにより年間約450tのCO2排出量を削減できます。
イオン
日本の電力消費量の約1%を占めるイオンは、再生可能エネルギーの利用も含め
大幅なCO2削減に力を入れている企業です。
・太陽光発電
・水力発電
本社ビルでは、東京電力の水力発電による電力を使用する
「アクアプレミアム」という再生可能エネルギーを活用したプランを利用しています。
また、イオン施設内の一部を発電事業者に貸し
再生可能エネルギーを買い取り、不足分は関西電力の「再エネECOプラン」
の利用で再生可能エネルギーによる電力を可能なかぎり活用しています。
イオンではCO2発生源の約9割となる電力の仕様削減や
再生可能エネルギーへの転換で、2030年に向けて標準店舗と比べて
CO2排出量50%を目標に掲げています。
地産地消型再エネ増強プロジェクト
再生可能エネルギーを導入することは
企業にさまざまなメリットをもたらすことを解説してきました。
だからといって初期コストの高い再生可能エネルギー導入の決断を
簡単に下せる企業はそう多くないかと思われます。
そこで今回は「東京都内限定」になりますが
企業や区市町村が再生可能エネルギーを導入する際の費用を
最大1億円まで助成してくれる補助金
地産地消型再エネ増強プロジェクトをご紹介します。
対象事業
再エネ設備を都内に設置し、設備から得られるエネルギーを都内の施設で消費する事業
対象の再エネ設備
1.再エネ発電などの設備
(太陽光発電や、一緒に導入する蓄電池など)
以下2つの要件を満たす必要があります。
再エネ発電設備の要件 |
①自家消費を主な目的としたもの
(再生可能エネルギー電気の利用の促進に関する特別措置法第9条第4項の認定を受けないもの) |
②再エネ発電設備の年間発電量が、再エネ電力使用先の年間消費電力量よりも少ないこと |
2.再エネ熱利用設備
(太陽熱、地中熱、バイオマス熱利用など)
以下の要件を満たす必要があります。
再エネ熱利用設備の要件 |
再エネ熱利用設備の年間発熱量が、再エネ熱使用先の年間消費熱量よりも少ないこと |
助成金額
再エネ導入をする組織によって助成率・助成上限額が変わります。
1.中小企業など
対象設備 | 助成率 | 上限額 |
再エネ発電設備 | 発電設備の経費の3分の2以内
+ 蓄電池設備の経費の4分の3以内 |
合計1億円 |
再エネ熱利用設備 | 熱利用設備の経費の3分の2以内 | 1億円 |
2.区市町村
対象設備 | 助成率 | 上限額 |
再エネ発電設備 | 発電設備などの経費の3分の2以内 | 1億円 |
再エネ熱利用設備 | 熱利用設備の経費の3分の2以内 | 1億円 |
3.その他
対象設備 | 助成率 | 上限額 |
再エネ発電設備 | 発電設備の経費の2分の1以内 | 7,500万円 |
再エネ熱利用設備 | 熱利用設備の経費の2分の1以内 | 7,500万円 |
公募締切日
公募締切日:令和5年3月31日まで
※予算の上限に達した場合は期間内でも終了することがあります。
まとめ
世界中で脱炭素化へ向けての取り組みが活発になっている中
企業が再生可能エネルギーを導入することは、大きなアピールになると同時に
企業価値を高めてくれます。
しかし、再生可能エネルギーは地球環境への配慮や緊急時の備えにもなる
メリットがある一方、導入のための初期コストが高額になってしまうなどの課題も存在します。
そこで、地産地消型再エネ増強プロジェクト
を活用がおすすめです!
補助金を活用し、再生可能エネルギーを導入することで
環境問題に取り組みながら企業価値を高めましょう!