住宅の省エネ化に関する機運は高まってきています。
今回は、省エネの現状とZEH住宅について解説していきます。
省エネ住宅へのリフォームに活用できる補助金もございますので、
ぜひ積極的にお客様にご提案してみませんか?
ぜひ参考にしてください!
補助金のお話は細かいし、難しくてわかりづらい用語も多いですよね!
そこで私が簡単な補足などをいれていきますね。
省エネ対策の現状
地球温暖化対策が世界的に重要な課題になる中、日本では、2050年までに温室効果ガスの排出をゼロにする2050年カーボンニュートラル宣言が行われました。
これが住宅の省エネ化に関する機運が高まったきっかけです。
宣言の実現へ向けた地球温暖化対策計画の原案によると、CO2の削減と共に以下のような削除目標値も示されています。
- 産業部門(建設業を含む)=2億9000万t(2013年度比37%減)
- その他部門(オフィスなど)=1億2000万t(同50%減)
- 家庭部門=7000万t(同66%減) など
家庭部門のエネルギー消費は全体の約3割を占め、増加傾向です。
住宅は更なる省エネ化を目指すべく「家庭部門」のCO2削減率が最も大きくなっていることが分かります。
CO2削減のため、
- 石炭などの化石燃料依存から太陽発電等の再生可能エネルギーへの転換が急がれます。
- 住宅への太陽光発電設備の更なる普及のため、政府としては2030年までに新築戸建住宅の約6割に設置を目指す目標を掲げています。
また、この目標値を達成するため、太陽光発電設置の義務化といったこれまでより一歩踏み込んだ議論に発展しています。
特に1999年以降は、住宅にどれくらい省エネ性能があるのかという具体的な指標省エネ基準を設ける施策も行われてきました。
2015年から施行されている現行の省エネ基準では・・・
建物の断熱性能に加えエアコンや給湯器・照明などの設備機器が消費するエネルギーも含めた、建物全体の一次エネルギー消費量で省エネ性能を評価する仕組みとなっています。
また、注文戸建て・分譲戸建て・賃貸住宅で一定規模を供給する事業者に、現行省エネ基準の断熱性能と一次消費エネルギーについては、
- 現行省エネ基準の10~25%を削減すること。
- 国土交通省への達成率の報告義務。
が定められています。
ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)の普及も進みつつあります。
これは、高断熱な建物とLEDなどの省エネ設備、太陽光発電を中心とする創エネ設備を組み合わせて年間の一次エネルギー消費量を概ねゼロにできるものです。
今後ZEHを中心とした省エネ住宅の供給が当たり前になっていくでしょう!
ZEHとは・・・?
環境に配慮した暮らしのために、「住宅の省エネルギー化」が最重要課題のひとつとなっています。
ZEH基準は、2025年に義務化が求められる省エネルギー基準よりも更にグレードの高いものです。
ZEHとは・・・高い「断熱」性能をベースに、高効率機器やHEMSによる「省エネ」、太陽光発電などによる「創エネ」を組み合わせることで、住宅の一次エネルギーの年間消費量が正味でおおむねゼロになる住まいのこと。
断熱
エネルギーを極力必要としない家|断熱性能の要件(高断熱外皮)
断熱性能はUA値という指標で表し、地域によって異なるが0.4〜0.6以下をクリアしなくてはなりません。
外皮(外壁や窓枠)の熱性能/UA値 [W/㎡・k]
地域区分 | 1・2地域 | 3地域 | 4地域 | 5〜7地域 |
ZEH基準 | 0.4以下 | 0.5以下 | 0.6以下 | 0.6以下 |
低炭素建築物基準 | 0.46以下 | 0.56以下 | 0.75以下 | 0.87以下 |
改正省エネ基準 | 0.46以下 | 0.56以下 | 0.75以下 | 0.87以下 |
※国策として、ハウスメーカー等の新築戸建の過半数をZEH化
省エネ
エネルギーを上手に使う家|省エネの要件(省エネルギー設備)
エネルギー消費の大きい「空調」「照明」「給湯」「換気」の4項目で、省エネ効果の高い設備やアイテムを導入することで、一次エネルギー消費量を20%以上削減します。
創エネ
エネルギーを自ら創る家|創エネの要件(太陽光発電システム等の再生可能エネルギーシステム)
ZEHの3本柱の一つ創エネルギーは、太陽光発電システムがメインとなり、家庭用燃料電池や蓄電池などを組み合わせることで、日常から非常時まで役立ちます。
ZEHのメリット
ZEHのメリットについて解説していきますので、参考にしてください!
健康への好影響
高断熱住宅は居室間の温度差による急激な血圧上昇を防止。
その総合的な効果により健康改善に結びついているとも言われています。
光熱費の削減
ZEHにすることで、一般的な在来住宅と比較して光熱費が大幅に削減。
そのため、地球・家計にやさしい住まいになります。
災害時にも貢献
太陽光発電による創エネ+蓄電池による蓄エネ
→停電時でも生活に必要な電気機器を稼働させることが可能に。
災害時にも心強いこと間違いなしです!
快適性の向上
高断熱に加え、自然の力を利用するパッシブデザインという設計手法。
↓
- 省エネ
- 光や風の心地よさ
- 太陽の暖かさ
により快適性が向上します。
ZEHのデメリット
次に、デメリットについて見ていきましょう。
天候によって発電量が変化する
太陽光発電は、太陽光エネルギーによって電力を生み出します。
- 曇りや雨などの天候の悪い日
- 日照時間の短い冬場
などは発電量が減少するため、常に安定した電力を得られない可能性があります。
また、余った電力は電力会社に売ることができますが、昨今の売電価格は減少傾向にあるため、以前のように収益を得るのは難しいでしょう。
導入時の太陽光発電機器費用や点検費用がかかる
システムをはじめとする、各種省エネ機器を設置するには、設備投資費用がかかります。
また、省エネ機器を長く使うためには、定期的なメンテナンス費用も必要です。
しかし発電量が少なくなった場合などは、施工会社や電気保安協会などに点検の相談をしたほうが良いでしょう!
光熱費の削減効果や、ZEH住宅の資産価値が高く見積もられる可能性を考慮すると、長期的観点では省エネ機器にかかるコストは回収できると考えられます。
住宅エコリフォーム推進事業
住宅ストックの省エネ化を推進するため、住宅をZEHレベルの高い省エネ性能へ改修する取組が支援されます。
補助対象事業
住宅をZEHレベルの高い省エネ性能へ改修することを目的とした以下の事業で、令和5年4月1日以降に契約し事業者登録後に工事着手したものを対象とします。
- 省エネ診断
- 省エネ設計等
- 省エネ改修(建替えを含む)
支援規模
支援規模は下記の通りです。
省エネ診断
補助率 | 1/3 |
---|
省エネ設計等・省エネ改修(建替えを含む)
限度額 | 350,000円/戸 |
---|---|
補助率 | 40% |
※省エネ改修の地域への普及促進支援について地域の関係団体や事業者が連携して、住宅の省エネ改修の普及促進に積極的に取り組み、省エネ改修を実施するグループであって、活動計画や交付申請予定等を提出し採択されたグループについては、予算の優先配分を行います。
対象者の詳細
対象者は下記の通りです。
省エネ改修工事等を請け負った施工業者
最後に
今回は、省エネの現状とZEH住宅・エコリフォームに活用できる補助金制度について解説してきました!
住宅の省エネ化はとどまることはないと考えられます。
事業の持続可能性を高めるためにも、省エネ強化の取り組みは避けて通れないでしょう。
補助金を活用してエコリフォームが可能ですので、ぜひお客様へのご提案の参考にしてみませんか?