最大3000万円貰える!人材確保等支援助成金について
建設業界に関わらず、多くの業界で人手不足が生じている今の日本。
今回ご紹介するのは、最大3000万円貰える
建設業界における人手不足の対策にもなる支援事業
人材確保等支援助成金 建設キャリアアップシステム等 普及促進コース
についてご紹介します。
この記事でわかること
- 建設業の人材不足の現状・原因
- 解消方法、建設キャリアアップシステムの導入メリット
- 人材確保等支援助成金の概要について
など
建設業の人材不足の現状・原因 7選
建設業界は「3K職場(きつい、きたない、きけん)」などと呼ばれ、不人気でした。
最近はそういう言葉はあまり聞かなくなったのですが、人手不足の状況は変わりません。
今回の記事では、なぜ人手不足なのか原因と、政府の対応&解決方法などについて解説していきます。
(1)若者の少なさ
日本の労働人口は、少子化の影響でその「若年労働者割合」は年々減少しています。
全労働者における29歳以下の労働者割合を1997年と2020年で比較してみると
以下のとおり建設業の減少割合が高いことがみてとれます。
・全産業:23% ⇒ 17%
・建設業:22% ⇒ 12%
テレワークを望む若者が増えてきていたり、そもそもテレワークという選択肢が生まれたことも原因の1つにあるかもしれません。
出典:国土交通省「最近の建設業をめぐる状況について」(PDF)
(2)労働者の高齢化
少子化と反対の「高齢化」についても大きく関係があります。
全労働者における55歳以上の労働者割合を1997年と2020年で比較してみました。
・全産業:24% ⇒ 31%
・建設業:24% ⇒ 36%
やはり高齢化率も、全産業平均より高いことが分かります。
考えられる原因として、
「若年層が業界に入ってこない結果として平均年齢が向上した」
「若年層が入ってこないから、歳をとっても辞められない」
などの理由が考えられます。
出典:国土交通省「最近の建設業をめぐる状況について」(PDF)
(3)定着率の低さ
厚生労働省の調査によると、2019年春に高校卒業し建設業へ就職した生徒の、
3年以内離職率は42.2%と、全産業合計の36.9%を上回っています。
この時期は、新型コロナウイルスの影響で、
宿泊業(60.6%)や娯楽業(57.2%)も例年より高い数値となっており
全体合計の数値を引き上げているにもかかわらず、
建設業の離職率は平均を超えるものとなっています。
(4)不況による給料の減少
厚生労働省の資料によると、
建設業の2021年賃金は月33万3,200円、
10年前の2012年が32万2,500円となっており、増加率は3.3%です。
この時期には、
東日本大震災復興需要やオリンピックの需要があったのにもかかわらず、
低いとされています。
(5)需要の拡大
建設需要を測定するために、国内の建設投資額を参考にすると
建設投資額は「政府投資額」と「民間投資額」に分類されます。
政府・民間の合計額は2011年に42兆円程度だったものが、
2020年には56兆円程度に増加しています。
一見良いことのようにも思えますが、
それに対し、この間の建設業従事者の数は約500万人で横ばいとなっています。
つまり一人当たりの労働負荷が1.3倍になっているということになり、
これが定着率の低さにつながっているのかもしれません。
出典:国土交通省「最近の建設業をめぐる状況について」(PDF)
(6)肉体労働
建設業界=重労働 というイメージを、多くの人が持っていると思います。
実際、ホワイトカラー労働者よりは、確かに肉体使用の割合は高いのでしょう。
そして残念ながら、日本では「肉体労働者」のイメージは良くありません。
(7)危険を伴う作業
肉体労働に加えて、危険を伴う仕事現場が多いのも事実です。
そのような状況から、
高校生や専門学生など若い就労希望者が就職先に建設業を選択しようと思っても、
「両親が反対する」というケースも聞多いようです。
解消方法・建設キャリアアップシステムの導入メリット
CCUCというワードはご存知ですか?
建設キャリアアップシステム(Construction Career Up System, 略称CCUS)とは、
建設業に関わる技能者の資格・社会保険加入状況・現場の就業履歴などを登録・蓄積し、
技能者の適正な評価や建設事業者の業務負担軽減に役立てるための仕組みのことです。
この仕組みは、先ほど「人員不足の原因7選」の参考出典資料にもあった
国土交通省が推進している仕組みです。
2020年1月には、国土交通省により外国人技能実習生のCCUS登録義務化が施行され、
「運用開始初年度で100万人の技能者の登録、
5年で全ての技能者(330万人)の登録を目標とする」と述べています。
ますます対応が急務となるシステムですが、
建設事業者の方々のなかには「現場の対応がスムーズにできないのでは…」
とお悩みの事業者様も多いのではないでしょうか。
CCUSの概要についてと導入メリットについててご紹介します。
建設キャリアアップシステム(CCUS)の仕組み
STEP1:技能者情報等の登録
建設事業者→商号や現場名・工事内容等を、
技能者→本人情報や保有資格・社会保険加入状況
などをシステムに登録します。
STEP2:カードの交付・現場での読取
技能者には個人用のカード(キャリアアップカード)が発行され、
現場で業務にあたる際には個人カードをICカードリーダーに読み取らせ、
就業履歴を記録します。
技能者の資格や就業履歴は「個々のキャリア」としてデータ化され、
システムに蓄積されます。
STEP3:技能者の能力評
そのデータに対し、客観的な基準を設け、
技能者のレベル分けや適正な評価に生かそうというのが基本的な考え方です。
労働時間などの管理もできる
建設キャリアアップシステム(CCUS)の導入メリット
メリット1:ストレス軽減効果
現場には、膨大な量の設計書類がありますが、
それを紙管理からクラウド管理にしたことにより、迅速な対応ができるようになりました。
※仕組みのSTEP2にもあるように整理・蓄積が可能
また、ビルなどの建設では、全体を取り仕切るゼネコンとの綿密な打ち合わせが欠かせません。
また、施工上の問題や設計図面の整合性など、ゼネコンと調整しながら進めます。
施工段階でも、実際の建物が設計図と微妙に異なることもあり、
その都度調整が発生するため、以前は現場の負担は大きかったのです。
クラウド化により、紙のハンドリング負荷や管理の手間の減少など、ストレス軽減となっています。
メリット2:業務引き継ぎの効率化
この記事の冒頭でも触れましたが、建設業界の高齢化率はかなり高いものがあり、
ベテラン作業員のノウハウを若手社員にどうやって早急に引き継ぐかが大きな課題です。
ICTを使った事例として、これまで社内でマンツーマンで行っていた指導作業を、
「若手は現場で作業し」
「ベテラン指導者は社内から遠隔でチェックして」
技術を引き継ぐことができるようになっています。
これにより、一対一のみでなく多対一の指導も可能となり、技術の移転速度が格段に上がりました。
人材確保等支援助成金の概要
目的
建設労働者の入職促進及び処遇改善を図るため、建設キャリアアップシステム(CCUS)や建設技能者の能力評価制度、専門工事企業の施工能力等の見える化評価制度を普及促進する事業を人材確保等支援助成金に新たなコースとして創設。
助成対象者
建設事業主団体(次の要件を全て満たす団体:任意団体も可)
①構成員の数が10以上であって、当該構成員が常時雇用する労働者の総数が50人以上であること
②構成員のうちに占める建設事業主の割合が50%以上であること
③構成員である建設事業主のうちに占める雇用保険に加入している建設事業主が50%以上のものであること
④代表者が置かれている団体であって、団体に関する規約・規則等を有し、会計経理の独立性が担保されているなど、財務及び活動の状況等からみて、事業を的確に遂行できると認められる団体であること
出典:人材確保等支援助成金建設キャリアアップシステム等普及促進コース概要
助成率
中小建設事業主団体:対象経費の2/3
上記以外の団体:対象経費の1/2
支給上限額
1団体につき1事業年度(4/1~3/31)の上限額
全国団体:3,000万円
都道府県団体:2,000万円
地域団体:1,000万円
対象事業・対象経費
出典:人材確保等支援助成金建設キャリアアップシステム等普及促進コース概要
募集期間
出典:人材確保等支援助成金建設キャリアアップシステム等普及促進コース概要
まとめ
今回の記事では、
人材確保等支援助成金 建設キャリアアップシステム等 普及促進コース
についてご紹介しました。
建設業の人手不足の現状については、
2024年には時間外労働の法規制も適用になり、
少子高齢化も進み、労働人口の減少も予想されているので
今のまま何もしなければ、今以上の苦しい環境になる可能性が高いです。
しかし人手不足や労働環境の改善にはICT化やCCUSの推奨など
政府の対応なども含めて、変化の兆しも見えてきています。
建設業の動向をしっかりとチェックし、
賢く補助金を利用して、人手不足改善に向けて対策を考えていきましょう!
せっかく申請するなら助成金を受け取りたいですよね!
申請したいけど、申請の仕方がわからない…
書類の書き方が不安…
自分が該当しているのか自信がない…
少しでも不安がある方は、ぜひご相談ください!
最後までお読みいただきありがとうございました!