共働き夫婦も増え、2人で子育てをするのが当たり前になりつつあります。
しかし、まだまだ労働者にとって仕事と育児の両立が
大きなハードルとなっていて、
事業者も従業員が仕事と子育てを両立できるように環境を整備する
必要があります。
また、令和4年4月1日に、改正育児・介護休業法が施行され
男女とも仕事と育児を両立できるように
事業主による雇用環境の整備、育児休業制度の個別周知・意向確認の義務化が
盛り込まれていて、これをきっかけに、
今まで少なかった、育休制度を重視する男性が増えたり
育児休業希望者が大幅に増えることが考えられます。
しかし、環境を整備するのは簡単ではなく、
業務への影響を心配する事業者の方も多いのではないでしょうか。
そこで、活用してほしいのが【子育てパパ支援助成金】です!
子育てパパ支援助成金も制度改正に合わせて変更される箇所もあります。
本記事では詳しく説明していきます。
ぜひ、参考にしてください!
補助金のお話は細かいし、難しくてわかりづらい用語も多いですよね!
そこで私が簡単な補足などをいれていきますね。
男性の育児休暇取得率の現状
まず、本題の前に男性の育児休暇取得率の現状を見ていきましょう!
男性の育児休暇取得率は、2020年に初めて12.65%と1割を超えました。
しかし、国外では、スウェーデンが88.5%
ドイツでは、3.5%だった取得率は、2019年には35.8%と過去最高となり
日本は、まだまだ低いと言えます。
では、なぜ日本は取得率が低いのでしょうか。
男性の育児休暇取得率が低い理由
2019年度のアンケートでは以下のような結果が出ています。
『有休を取得しにくい雰囲気』がある
『促進不足』『前例がない』など職場環境に原因があり
男性の育児休暇取得率を上げるためには、事業者の環境整備が重要に
なることがわかります。
2022年になった今でも、取得率は少し増えたとはいえまだまだ改善が必要です。
子育てパパ支援助成金(出生時両立支援コース)とは
子育てパパ支援助成金とは、
両立支援等助成金の出生時両立支援コースに当たり
職業生活と家庭生活が両立できる“職場環境づくり”を行う事業主を支援する制度です。
冒頭でもお伝えした通り、令和4年4月1日に、改正育児・介護休業法の
施行に合わせてこの助成金の内容も変更されます。
男性労働者が育児休業を取得した場合
要件
①育児・介護休業法に規定する雇用環境整備の措置を複数実施すること。
②男性労働者が、子の出生後8週間以内に開始する連続5日以上の育児休業を取得すること。
③育児休業取得者の業務を代替する労働者の業務見直しに係る規定を策定し、当該規定に基
づき業務体制の整備をしていること。
※育児休業取得者の業務を代替する労働者を新規雇用(派遣を含む)した場合、加算して支給(代替要員加算)
変更前
・男性労働者が育児休業を取得しやすい職場風土作りのための取組を行うこと。
・男性労働者が、子の出生後8週間以内に開始する連続14日以上(中小企業は連続
5日以上)の育児休業を取得すること。
対象企業
中小企業のみ
変更前
大企業、中小企業
助成額
20万円(1事業主1回限り)
※代替要員加算:20万円(代替要員が3人以上の場合45万円)
変更前
人数、育児休業取得期間に応じて変動
男性労働者の育児休業取得率が上昇した場合
新設されました!
要件
①第1種(男性労働者の出生時育児休業取得) の支給を受けていること。
②育児・介護休業法に規定する雇用環境整備の措置を複数実施すること。
③育児休業取得者の業務を代替する労働者の業務見直しに関する規定を策定し、当該規定に基づき業務体制の整備をしていること。
④男性労働者の育児休業取得率が、第1種の支給を受けてから3事業年度以内に
30%以上上昇していること。
⑤育児休業を取得した男性労働者が、第1種の申請に係る者の他に2名以上いること。
対象企業
中小企業のみ
助成額
育児休業取得率が30%以上上昇したのが、第1種の支給を受けてから
・1年以内:60万円<75万円>
・2年以内:40万円<65万円>
・3年以内:20万円<35万円>
※<>内は、生産性要件を満たした場合の支給額。
生産性要件について詳しくはこちら
両立支援等助成金には、他にも
育児休業等支援コースと介護離職防止支援コース があります!
併せて見ていきましょう!
育児休業等支援コース
育児休業等支援コースは、仕事と育児を両立させるためのコースです!
業務代替支援
育児休業取得者の業務を代替する労働者を確保し、かつ育児休業取得者を原職等に復
帰させた中小企業事業主に支給します。
新規雇用(代替する労働者の新規雇用)
・育児休業取得者を原職等に復帰させる旨を就業規則等に規定すること。
・労働者が3ヶ月以上の育児休業を取得すること。
・上記労働者を原職等に復帰させ、さらに6ヶ月以上継続雇用すること。
・育児休業取得者の業務を代替する労働者を新規雇用(派遣を含む)すること。
手当支給など(社内の労働者で代替する)
・育児休業取得者を原職等に復帰させる旨を就業規則等に規定すること。
・労働者が3ヶ月以上の育児休業を取得すること。
・上記労働者を原職等に復帰させ、さらに6ヶ月以上継続雇用すること。
・育児休業取得者の業務を社内の他の労働者に代替させ、業務の見直し・効率化を行うとと
もに、当該業務を代替した労働者に対して増額して賃金を支払うこと。
※【新規雇用】【手当支給等】ともに、育児休業取得者が有期雇用労働者の場合、加算して
支給(有期雇用労働者加算)。
職場復帰後支援
育児休業から復帰後、仕事と育児の両立が特に困難な時期にある労働者のため、以下
の制度導入などの支援に取り組み、利用者が生じた中小企業事業主に支給します。
要件
・育児・介護休業法を上回る
①子の看護休暇制度(有給、時間単位)または
②保育サービス費用補助制度を導入していること。
・対象労働者が1か月以上の育児休業(産後休業を含む。)から復帰した後
6か月以内において、導入した制度の一定の利用実績
①子の看護休暇制度 は10時間以上(有給)の取得または
②保育サービス費用補助制度は3万円以上の補助があること。
対象企業
中小企業のみ
助成額
業務代替支援
【新規雇用】 47.5万円<60万円>
【手当支給等】 10万円<12万円>
有期雇用労働者加算:9.5万円<12万円>
1事業主当たり1年度10人まで5年間支給
職場復帰時
制度導入時:28.5万円<36万円>
制度利用時:①子の看護休暇制度 1,000円<1,200円>×時間
②保育サービス費用補助制度 実費の2/3
※<>内は、生産性要件を満たした場合の支給額
生産性要件について詳しくはこちら
介護離職防止支援コース
「介護支援プラン」を作成し、プランに沿って労働者の円滑な介護休業の取
得・職場復帰に取り組み、介護休業を取得した労働者が生じた、または介護のた
めの柔軟な就労形態の制度(介護両立支援制度)の利用者が生じた中小企業事業
主に支給されます。
介護離職防止支援コース 介護休業
休業取得時 要件
・介護休業の取得、職場復帰について、プランにより支援する措置を実施する旨を、あらかじめ労働者へ周知すること。
・介護に直面した労働者との面談を実施し、面談結果を記録した上で介護の状況や今後の働き方についての希望等を確認のうえ、プランを作成すること。
・プランに基づき、業務の引き継ぎを実施し、対象労働者が合計5日(所定労働日)以上の介護休業を取得すること。
職場復帰時 要件
休業取得時と同一の対象介護休業取得者である(休業取得時を受給していない場合申請不可)とともに、休業取得時の要件かつ以下を満たすことが必要です。
・「休業取得時」の受給対象である労働者に対し、介護休業終了後にその上司又は人事労務担当者が面談を実施し、面談結果を記録すること。
・対象労働者を、面談結果を踏まえ原則として原職等に復帰させ、原職等復帰後も申請日までの間、雇用保険被保険者として3か月以上継続雇用していること。
助成額
休業取得時と職場復帰時共に
28.5万円<36万円> ※<>内は、生産性要件を満たした場合の支給額
介護両立支援制度
要件
●介護両立支援制度の利用について、プランにより支援する措置を実施する旨を、あらかじめ労働者へ周知すること。
●介護に直面した労働者との面談を実施し、面談結果を記録した上で介護の状況や今後の働き方についての希望等を確認のうえ、プランを作成すること。
●プランに基づき業務体制の検討を行い、以下のいずれか1つ以上の介護両立支援制度を対象労働者が合計20日以上利用し、支給申請に係る期間の制度利用終了後から申請日までの間、雇用保険被保険者として継続雇用していること。
〇介護のための柔軟な就労形態の制度
支給額
28.5万円<36万円> ※<>内は、生産性要件を満たした場合の支給額
新型コロナウイルス感染症対応特例
要件
・介護のための有給休暇(新型コロナウイルス感染症対応)について、所定労働日を前提として20日以上取得できる制度及びその他就業と介護の両立に資する制度を設け、あらかじめ労働者に周知すること。
・対象労働者が介護のための有給休暇(新型コロナウイルス感染症対応)を合計5日以上取得すること。
・対象労働者を休暇取得日から申請日までの間、雇用保険被保険者として継続雇用していること。
支給額
日数によって異なります!
5日以上10日未満:20万円
10日以上:35万円
男性の育児休業取得を促進は出生時両立支援コース
仕事と育児の両立支援は育児休業等支援コース
仕事と介護の両立支援は介護離職防止支援コース
です!
まとめ
今回は、【子育てパパ支援助成金】について説明しました。
男性の育児休暇取得率は、今後さらに重要になると考えられます。
従業員が働きやすい環境を作るのは、
従業員のモチベーションアップにつながるだけではなく
離職率を下げる、企業のイメージアップにもなり
企業側にとってもプラスになります。
ぜひ、活用して環境の整備のお役立てください!
助成金の申請は事前準備が大切です!
不備があると、その分手続きに遅れが生じるので
しっかりと準備をしましょう!
ご不明な点や申請に不安がある方は、まずはお気軽にご相談ください!