「外国人労働者を雇用するメリットとデメリットを知りたい」
「外国人労働者の就労環境を整えるために使える助成金があるか知りたい」
とお考えの事業者の方、必見です!
人口が減少する中、新たな働き手として外国人労働者を雇う企業が増えています。
日本国内だけでは人手を確保するのが難しい中、
外国人労働者は人材不足の解消に大きな役割を果たしています。
また、違った価値観を持つ人材を雇用することで
従業員が新たな視点を持つきっかけになる
海外でのビジネスチャンスにつながるといったメリットが得られることも。
しかし外国人労働者が増加する一方で、労働環境の整備が進まずトラブルに発展してしまうこともあります。
この記事では
- 外国人労働者を雇用するメリット・デメリット
- 労働環境を整える方法
- 外国人労働者のための職場環境整備に利用できる助成金
について解説します!
補助金のお話は細かいし、難しくてわかりづらい用語も多いですよね!
そこで私が簡単な補足などをいれていきますね。
外国人労働者の現状と課題
出典:厚生労働省「外国人雇用状況」の届出状況まとめ【本文】(令和4年 10 月末現在)
日本で働く外国人労働者は令和4年10月時点で約182万人
平成19年に届け出が義務化されてから10年連続で過去最高を更新し続けています。
2019年4月には就労資格に「特定技能」が新設され、今後も外国人労働者は増加していくことが見込まれます。
一方、海外からの人材の受け入れはまだスムーズとは言えず、
- 仕事に必要な日本語が身についていない
- 研修や支援が足りていない
- 外国人労働者へのマネジメントやサポート方法がわからない
といった課題があります。
外国人労働者を雇用するメリット・デメリット
人材不足やグローバル化が進む中で、外国人労働者を雇用することにはメリットがあります。
一方で、言語や文化といった背景が異なる人材の雇用には課題も存在します。
以下では外国人労働者を雇用するメリットとデメリットについて具体的な内容を解説します。
メリット
外国人労働者を雇用すると、以下のメリットが期待できます。
- 人材不足解消
- 新たなアイデアが生まれる
- 海外進出へのきっかけ
- インバウンド需要への対応
高齢化や人口減少にともなって、人材不足の企業が増加しており
外国人労働者は貴重な働き手です。
違う文化を持つ人が加わることで、異なる価値観からアイデアが生まれる期待や、
海外進出への足がかりになる期待もできます。
インバウンド需要が伸びている近年では
日本を訪れる観光客へのサービス充実にも一役買ってくれるでしょう。
デメリット
外国人労働者の雇用には多くのメリットがありますが、以下のようなデメリットもあります。
- コミュニケーションが難しい
- 労務管理が難しい
日本で働く外国人の中には、日本語でのコミュニケーションに不安がある人もいます。
有能な人材を採用しても、マネジメントや指導がうまくできなければ意味がありません。
そのため、日本語学習が進むよう配慮したり、その人の母国語でサポートしたりすることが必要になってきます。
また日本で働く外国人労働者が課題に感じていることに
「休みが取りにくい」「労働時間が長い」という声があり
労働環境の改善やワークライフバランスを考慮することも大切です。
・価値観の違いを相互に理解する
・賃金や労働時間などの労務管理は専門家に相談しながら行う
など、コミュニケーション不足や食い違いを防ぐ対策が必要です。
外国人労働者が活躍できる環境作り
外国人労働者の採用・定着を促進させるためには
企業の受け入れ体制を整えることが重要です。
そこで、特に壁となっているコミュニケーションと労務管理の視点から改善策を考えてみます。
通訳を依頼したり翻訳機を導入する
2019年の内閣府の調査では、外国人労働者とのコミュニケーションが
うまく取れている企業は人材の定着率が高いという結果がでています。
そこで活用したいのが、通訳サービスや翻訳システムです。
企業では、日常のコミュニケーションに加えて
- 就業規則や会議資料などの書類作成
- 社内掲示物の多言語表記
など翻訳が必要な場面があります。
会話はできるが読み書きは苦手な人もいるので
通訳・翻訳サービスを導入するのが望ましいでしょう。
ZoomやMicrosoft Teamsを利用したオンライン通訳や
通訳者が会議の議事録を作成するプランなどビジネス向けの
通訳サービスがあるので大事な場面ではぜひ利用したいですね。
また、AIを活用した翻訳システムや、持ち歩けるポケット型翻訳機などもあります。
シーンや用途に合わせて通訳者を配置したり翻訳ツールを活用すると良いでしょう。
専門家に相談できる環境を整える
海外の人材を雇用すると、文化や法律の違いによってトラブルが起こることがあります。
労働内容を説明したうえで雇用契約書にサインしたとしても
外国人労働者が十分に内容を理解できていなかった場合は
労働条件を通知していないとみなされ、労働基準法違反になるリスクがあります。
不満や不安を感じさせないためにも、弁護士や社会保険労務士といった
専門家に相談できる環境を整えておくことが大切です。
人材確保等支援助成金(外国人労働者就労環境整備助成コース)
企業と外国人労働者の認識や言語の違いなどから
労働条件や就労環境でのトラブルが起きやすくなっています。
厚生労働省では、こういったトラブルを防ぐために
人材確保等支援助成金(外国人労働者就労環境整備助成コース)を設けました。
通訳費や翻訳機の導入などに利用できるので、
外国人の安定した雇用に取り組むためにぜひ活用しましょう!
対象となる事業者
雇用保険被保険者となる外国人労働者を雇用している事業主が支給対象です。
なお、労働者の在留資格については問いません。
主な受給要件
①外国人労働者を雇用している事業主であること
②認定を受けた就労環境整備計画に基づき、外国人労働者に対する
就労環境整備措置を新たに導入し、外国人労働者に対して実施すること
※以下の必須メニュー2つに加えて、選択メニュー1~3のどれか
A:雇用労務責任者の選任
B:就業規則等の社内規程の多言語化
1:苦情・相談体制の整備
2:一時帰国のための休暇制度の整備
3:社内マニュアル・標識類等の多言語化
③就労環境整備計画期間終了後の一定期間経過後における
外国人労働者の離職率が10%以下であること
受給額と対象経費
受給額
受給要件を全て満たした場合、支給対象経費の合計額に助成率を掛けた金額が支給されます。
生産要件を満たしていない場合:支給対象経費の1/2(上限57万円)
生産要件を満たす場合:支給対象経費の2/3(上限72万円)
支給対象となる経費
計画期間内に、事業主から外部の機関または専門家等に対して支払いが完了した以下の経費が対象です。
- 通訳費
- 翻訳機器導入費(上限10万円)
- 翻訳料
- 弁護士、社会保険労務士等への委託料(顧問料は含まない)
- 社内標識類の設置・改修費
申請手続き
- 就労環境整備計画を作成・提出
(計画期間は3か月以上1年以内で設定し、期間内に以下の2、3を行う) - 対象となる就労環境整備措置の導入
- 就労環境整備措置の実施
- 支給申請
- 助成金の支給
まとめ
外国人労働者の採用は人材不足解消に役立ちます。
安定した雇用のためには、スムーズなコミュニケーションへの取り組みや
トラブル予防のための対応策が必要です。
補助金は最大で72万円支給されます。
ぜひ活用して採用後のサポート体制を整え
外国人材が活躍できる環境づくりに取り組みましょう!