今日の商店街は、
- 来街者の減少
- 空き店舗の増加
- 店主の高齢化
- 後継者不足
など、様々な課題に直面しています。
ライフスタイルの変化、郊外型商業施設の出店などにより、地域商業をめぐる環境が大きく変わるなかで、活力を失いつつある商店街も少なくありません。
今回は、商店街の現状と商店街を盛り立ていく方法について解説していきます!
商店街の盛り上げに活用できる補助金制度についても紹介いたしますので、
ぜひ参考にしてください!
補助金のお話は細かいし、難しくてわかりづらい用語も多いですよね!
そこで私が簡単な補足などをいれていきますね。
商店街の現状
「商店街・繁華街の衰退」は根強い課題として挙げられます。
商店街は、戦後復興期から高度成長期にかけて数を増やし、地域の一等地で商売をするなど、「町の顔」として存在してきました。
しかしその後、百貨店の台頭や「大規模小売店舗調整法」により、大規模小売店舗の出店が規制され、加えて郊外への大規模小売店舗の出店が進み、商店街を中心とする中心市街地は空洞化していきました。
下記の図は、商店街の空き店舗率の推移を示したものです。
これを見ると、商店街の空き店舗の割合は、2003年に7.3%であったのが、2012年には14%を超えており、商店街はますますその活力を失っているのが分かります。
店舗数が減少した結果・・・
- アーケードの維持・修繕費を賄えなくなって、アーケードが消滅の危機に陥っている
- アーケードを建設した際の融資が返せなくなり自己破産
などの問題を抱えている商店街振興組合は地域を問わず存在しています。
商店街の課題
それでは、上記のような厳しい環境にある商店街が抱える課題にはどのようなものがあるでしょうか。
下図は、商店街振興組合に聞いた商店街の抱える課題を示したものです。
商店街の抱える課題として最も多いのは・・・
- 「経営者の高齢化による後継問題」
- 「集客力が高い・話題性のある店舗/業種が少ない又はない」
- 「店舗等の老朽化」
- 「商圏人口の減少」
- 「大型店との競合」
と回答されています。
いずれの課題も、商店街振興組合等による適切なマネジメントにより、解決できる可能性もあります。
次に、商店街を盛り立てていく方法について解説していきます!
商店街を盛り立てる方法
自分の商店街にあった方法を選択して取り入れてみましょう!
空き地店舗を活用したイベントの実施
商店街を活性化させたアイデア1つとして、空き店舗でイベントを開催することです。
現在、多くの商店街が空き店舗について悩んでいるのではないでしょうか。
実施事例:
「ハッピーロード大山商店街」
空き店舗を活用して、特産品販売や観光情報を発信するアンテナショップを解説したことで、商店街の活性化につなげました。
回遊型イベントで、商店街を活性化する
商店街の活性化は「商店街のなかの繁盛店を増やすこと」に尽きます。
それぞれのお店の繁盛が商店街全体のにぎわいに繋がる仕組みや環境を整えていくことが大切です。
実施事例:
- 商店街を回遊するスタンプラリーを開催。
- 「ぐるり奉還町」→参加店のレシートを別の参加店に提示すると、サービスや特典を受けられるイベントを実施。
このような回遊型イベントは、集客力のあるお店やスポットを「集客の核」にしながら、商店街全体のにぎわい創出につなげていくのに有効です。
学生・若者とのコラボによる、にぎわい創出
若者の来街を増やすことは、商店街のにぎわい創出に欠かせません。
実施事例:
地域の大学・短大とコラボした商品開発・イベントを実施。
→若者を商店街に呼び寄せる活動を進めています。
このようなコラボプロジェクトは、単発ではなく継続的に実施することが大切です。
とくに学校等とのコラボの場合、カリキュラムや年間行事に組み込む必要があるので、早めに準備し、徐々に拡大。最終的に「定例化」していくことを考えましょう。
「商店街ブランド商品」を、共同で企画開発
新型コロナウイルスの感染拡大は、飲食店を中心に大きな打撃を与えました。
テイクアウトに力を入れることで難局を乗り切ろうとした飲食店も多かったのではないでしょうか。
実施事例:
- 商店街の店主が合同で統一したパッケージデザインの「崖っぷち弁当」を販売。
- 包装パッケージは統一。
- お弁当の中身はそれぞれのお店の個性を活かしたオリジナルに。
ニュースを見て来街する客も多くいたとのことです。
その後も同商店街では、
- オリジナルPR動画の制作・配信
- タクシー会社とコラボしたデリバリーサービス
- スタンプラリー
などの施策も実施しています。
「商店街ブランド商品」は、お店によって業態・商品が異なり、また特色も異なるため、企画開発が難しくなりがちです。
しかし、この事例では・・・
- デザインとネーミングは統一。
- その中身については各店舗に任せる。
→商品開発への参加ハードルを下げることに成功。
商店街の個店、個展での取り組みでは、どうしても情報発信に限界があります。
商店街ブランド商品とすることで、マスメディアに取り上げてもらいやすくなり、ニュース性・情報発信力が高まります。
商店街全体の集客力・販売力を高めるうえでも、「商店街ブランド商品」の企画開発は一つの方法と言えるでしょう。
それぞれのお店の魅力を磨く
商店街は個店の集合体です。
それぞれのお店が、集客力・販売力を高めていくことで、商店街は活性化します。
イベント・プロジェクトはあくまで一過性のもので、個店に魅力がなければ、持続的な集客にはつながりません。
お店の魅力を高めるにはどうしたら良い?
商店街のなかの「繁盛店」を見つける。
→他店のアイデアの中に、お店磨きのヒントを探しましょう。
強みを探す
- なぜ、お客様は来店してくれるのか(来店動機)
- どんなお客様が来店してくれるのか(ターゲット)
をもう一度考えてみましょう。
直接、お客様に尋ねてみるのも良い方法でしょう!
自分では思ってもいなかった「強み」が見つかるかもしれません。
お客様の気持ちになり、商店街通りに出て、お店の店頭を眺めてみることも大切です。
本当にお店に入りたくなりますか。もっと開放的にして、店頭から店内が見えるようにした方が良くはないですか。
1人あたりの購入単価を増やす
また、来店客数が伸びそうもなかったら、一人当たりの購入単価を増やすことを考えましょう。
ターゲットの目線から・・・
- お店のPOP
- 商品の陳列方法
- 店舗のレイアウトの変更
などをすることで、売上が伸びる余地があるかもしれません。
面的地域価値の向上・消費創出事業
- コロナ禍による来街者ニーズの多様化や
- 円安メリットを活かしたインバウンドの回復
等が期待される中、商店街等が自らの魅力・地域資源等を用いて実施する滞留・交流空間整備や消費創出事業等を支援されます。
その際、地域活性化等の知見を有する専門家が伴走し、事業実施中における定期的な効果測定及びそれに基づくアドバイス等を重ねることで、地域の面的な「稼ぐ力」の向上に繋げます。
補助対象事業
1.専門家による伴走支援
専門家が事業効果等を定期的に確認しながら面的に伴走支援
2.消費創出事業
回遊促進事業、体験事業、交流事業、ブランディング、情報発信強化など
3.滞留・交流空間整備事業
空き地・空き店舗の利活用、店舗等の機能転換、歩道等の利活用、景観整備(統一化)など
※1及び2が事業計画に含まれていることが必須要件となります。
上限金額・補助率
補助率と上限額は下記の通りです。
補助率 | 2/3 |
---|---|
上限額 | 3,000万円 |
下限額 | 200万円 |
対象者の詳細
対象者は下記の通りです。
- 商店街等組織
- 民間事業者と商店街等組織の連携体
募集期間(二次公募)
募集期間は下記の通りです。
募集開始日:令和5年5月1日(月曜日)
締切日:令和5年6月16日(金曜日)15時00分必着
最後に
商店街の現状と盛り立てる方法について解説してきました。
自分の商店街に有効的な方法を取り入れて、商店街の再建に活用してみませんか?
ぜひ参考にしてください!